Hitachi Command Suite ユーザーズガイド

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10.2.1 CLPRの管理とは

多数のホストが1台のストレージシステムを共有している場合,特定のホストが大量のデータを読み書きすると,そのホストの読み書きデータがキャッシュメモリーの多くの領域を占有してしまうことがあります。このような状況のもとでは,ほかのホストはキャッシュへの書き込みを待たなければならないため,データの書き込み速度が低下するおそれがあります。

キャッシュ分割機能は,ストレージシステムに内蔵されているキャッシュメモリーを複数の仮想キャッシュメモリーに分割して,利用できるキャッシュ容量をあらかじめホストに割り当てておくため,特定のホストがキャッシュメモリーの多くの領域を占有してしまうような状況を避けることができます。キャッシュ分割機能の運用例を次の図に示します。

図10-1 キャッシュ分割機能の運用例

[図]

企業内ネットワークの例では,キャッシュメモリーを3つの仮想キャッシュに分割し,それぞれを3つの支店に割り当てています。支店Aのホストはストレージシステムに対して,大量のアクセスをしていますが,利用できるキャッシュ容量が40GBに制限されているため,支店Aのホストの読み書きデータがキャッシュ全体を占有することはありません。支店Aのホストがどれだけ大量のデータにアクセスしても,ほかの支店のホストは常に40GBのキャッシュ領域を利用できるため,支店Aのデータアクセス量の影響を受けてほかの支店のデータ転送速度が遅くなることはありません。

キャッシュ分割機能を使って分割された仮想キャッシュメモリーをCLPRと呼びます。キャッシュ分割機能の詳細については,Virtual Partition Managerのマニュアルを参照してください。

Cache Residency Managerの機能を利用してキャッシュメモリーを管理したい場合は,それぞれのCLPRにCache Residency用のキャッシュ領域を設けることができます。CLPRに設けたCache Residency用のキャッシュ領域のことを,常駐キャッシュと呼びます。Cache Residency Managerの詳細については,Performance Managerのマニュアルを参照してください。

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