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EUR システム設計ガイド


2.3.1 システム構成の概要

システムの負荷分散と多重化を実現するためのシステム構成は次のとおりです。また,それぞれの構成を組み合わせることもできます。

ロードバランサを使用して処理の自動振り分けを行う構成

複数台の帳票サーバを設定し,ロードバランサによって処理を並列で実行させて負荷分散する構成です。帳票サーバへの処理の振り分けはロードバランサが自動的に行います。そのため,帳票の種類や業務によって特定の帳票サーバに処理を振り分けたい場合には適していませんが,手軽に負荷分散できます。

なお,一方の帳票サーバで障害が発生した場合,ロードバランサの設定変更によって処理を切り替えることができ,EUR Server - Adapterの設定変更は必要ありません。

詳細については,「2.3.2 ロードバランサを使用した構成」を参照してください。

EUR Server - AdapterのIPアドレス指定で処理の振り分けを行う構成

複数台の帳票サーバを設定し,処理を並列で実行させて負荷分散する構成です。

EUR Server - Adapterで帳票サーバのIPアドレスを指定することで,帳票サーバへの処理の振り分けを行うため,帳票の種類や業務によって明示的に制御できます。

なお,一方の帳票サーバで障害が発生した場合,事前に業務アプリケーション側で設定しておくことによって,EUR Server - Adapterのプロパティを変更して処理を切り替えられます。

詳細については,「2.3.3 IPアドレス指定で処理の振り分けを行う構成」を参照してください。

EUR Server - Adapterのポート番号指定で処理の振り分けを行う構成

1台の帳票サーバでEUR Server Serviceを複数起動する構成です。帳票サーバを1台で構成するため,処理の並列実行による負荷分散はできません。

EUR Server - Adapterで帳票サーバのポート番号を指定することで,EUR Server Serviceへの処理の振り分けを行うため,帳票の種類や業務によって明示的に制御できます。

なお,一方のEUR Server Serviceで障害が発生した場合,事前に業務アプリケーション側で設定しておくことにより,EUR Server - Adapterのプロパティを変更して処理を切り替えられます。

詳細については,「2.3.4 ポート番号指定で処理の振り分けを行う構成」を参照してください。

それぞれの構成の特徴を次の表にまとめて示します。

表2‒4 システムの負荷分散と多重化の各構成の特徴

特徴

ロードバランサを使用した構成

IPアドレス指定で処理の振り分けを行う構成

ポート番号指定で処理の振り分けを行う構成

システム構成

帳票サーバの台数

複数台設定できます。

複数台設定できます。

1台の設定です。

ロードバランサ

必要です。

不要です。

不要です。

負荷分散

×

帳票サーバでの明示的な処理の振り分け

×

障害時の切り替え

(凡例)

○:できます。

×:できません。

注※

事前に業務アプリケーション側で設定し,障害時にはEUR Server - Adapterのプロパティを変更する必要があります。