1.3 DNS設定を確認する
NNMiは,ドメインネームシステム(DNS)を使用してホスト名とIPアドレスの関係を判断します。これによって,自動検出が有効になっている場合は,大量の名前解決要求が行われることがあります。
名前解決要求を解決する際に長時間にわたる遅延を防ぐようDNSサーバーが正しく設定されていることを確認します。NNMiの名前解決要求に応答するDNSサーバーが,次の機能を備えている必要があります。
DNSサーバーは,権限サーバーであり,DNS要求を転送しません。
DNSサーバーには,ホスト名からIPアドレスへの,およびIPアドレスからホスト名への一貫したマッピング情報があります。
ネットワーク内で複数のDNSサーバーが使用される場合,それらのサーバーはすべての名前解決要求に矛盾がないように応答する必要があります。
- 重要
ラウンドロビンDNS(Webアプリケーションサーバーの負荷分散に使用される)では,任意のホスト名が時間の経過に伴って異なるIPアドレスにマップされるおそれがあります。
- メモ
nslookupの応答時間を改善するには,セカンダリDNSサービスをNNMi管理サーバーまたはNNMi管理サーバーと同一のサブセット内の別のシステムに配置します。そして,プライマリDNSサービスの情報をミラーリングするように,このセカンダリDNSサービスを設定してください。また,小規模な環境では,DNSの代わりに次のファイルを使用する設定方法もあります。
Windows:%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hosts
Linux:/etc/hosts
NNMi管理サーバー上で,使用している環境に対して次が適切に設定されているかを確認します。
オペレーティングシステムの設定によって,hostsファイルが優先されます。hostsファイルに最低限次の2つのエントリが含まれていることを確認します。
127.0.0.1 localhost
<NNMi管理サーバーのIPアドレス><NNMi管理サーバー名>
NNMi管理サーバーのIPアドレスは,NNMi管理サーバーのFQDNのIPアドレスです。NNMi管理サーバー名は,インストール時に設定されたNNMi管理サーバーの正式な完全修飾ドメイン名(FQDN)です。
Windows
NNMi管理サーバーが使用するすべてのDNSサーバーに,ホスト名からIPアドレスへの,およびIPアドレスからホスト名への一貫したマッピング情報があることを確認してください。
Linux
nslookup検索が,nsswitch.confファイルで設定されているnslookupコマンド検索順序に適合することを確認してください。
また,認識されているすべてのDNSサーバーに,ホスト名からIPアドレスへの,およびIPアドレスからホスト名への一貫したマッピング情報があることを確認してください。
ネットワークドメイン内のDNSの設定に問題がある(適切に解決されないホスト名やアドレスがある)ことがわかっている場合は,重要ではないデバイスが対象のnslookup要求を避けるように設定します。これを行う利点は次のとおりです。
スパイラル検出の速度向上
NNMiが引き起こすネットワークトラフィックの最小化
NNMiが問題のあるデバイスを識別するには,NNMiの検出を設定する前に次の2つのファイルを作成します。NNMiは,これらのファイルで識別されたホスト名またはIPアドレスのDNS要求を発行しません。
hostnolookup.conf(完全修飾ドメイン名またはホスト名のグループを識別するワイルドカードを入力)
ipnolookup.conf(IPアドレスまたはIPアドレスのグループを識別するワイルドカードを入力)
ファイルを作成するには,テキストエディタを使用します。ファイルをNNMi管理サーバー上の次の場所に配置します。
Windows:%NnmDataDir%shared\nnm\conf\
%NnmDataDir%は,インストール時に指定するデータディレクトリです。
Linux:/var/opt/OV/shared/nnm/conf/