14.19 dcmcsvu.exe(CSV出力)
インベントリ情報をCSV形式ファイルまたはパラメタファイル形式で出力するdcmcsvuコマンドについて説明します。
機能
ローカルホスト上の配布管理システムに接続し,配布管理システムで管理しているその時点のインベントリ情報をCSV 形式ファイルまたはパラメタファイルの形式で出力します。
出力する情報は,JP1/ITDM2 が提供するテンプレートを使って指定します。インベントリ情報を出力するテンプレートは,リモートインストールマネージャのCSVファイル出力で使用するテンプレートと同じです。指定したテンプレートに含まれる項目(テンプレート中の列)について,情報が出力されます。また,パラメタファイルを使用した場合は,出力項目の詳細設定や出力内容の絞り込みもできます。
形式
dcmcsvu.exe /i パラメタファイル名 /o 結果出力ファイル名
引数
-
/i
コマンドに指定するパラメタファイルのフルパスを指定してください。
-
/o
結果出力ファイルのフルパスを指定してください。フルパスで指定しない場合は,カレントディレクトリに結果出力ファイルが作成されます。
パラメタファイルの指定内容とコマンド引数との対応
このコマンドで使用するパラメタファイルの内容のうち,出力に使用するテンプレートと出力ファイルの形式は,コマンドの引数でも指定できます。パラメタファイルの指定内容と,コマンドの引数との対応を次の表に示します。
パラメタファイルの指定内容 |
内容 |
指定の有無 |
コマンドの引数 |
|
---|---|---|---|---|
タグ |
パラメタ |
|||
OUTPUT_CONSTRAINTS |
template |
出力に使用するテンプレート |
◎ |
テンプレートキー |
format |
出力ファイルの形式 |
〇※1 |
/par または/csv |
|
group_membership |
所属グループ |
〇 |
− |
|
row |
出力したい項目(列) |
〇※2 |
− |
|
condition |
比較条件 |
〇 |
− |
- (凡例)
-
◎:必ず指定する ○:省略できる
−:コマンドの引数では指定できない
- 注※1
-
指定を省略した場合は、CSV 形式ファイルで出力されます。
- 注※2
-
「row」パラメタは,CSV 形式ファイルで出力する場合だけ有効です。パラメタファイル形式で出力する場合は,「row」パラメタを指定しても無視されます。
パラメタファイルを使用しない場合のコマンド形式
パラメタファイルを使用しないで引数だけで指定する場合の,コマンドの形式を次に示します。
dcmcsvu.exe テンプレートキー [/par|/csv] /o 結果出力ファイル名
指定できるテンプレートキーについては,「14.20.14 OUTPUT_CONSTRAINTS(出力する情報の設定)」の「表14-23 出力ファイル形式と指定できるテンプレート」を参照してください。各テンプレートで出力できる項目は,CSV ファイル出力を使ってCSV 形式ファイルを出力する場合と同じです。出力される項目の詳細については,「11.1.1 CSV 形式ファイルに出力できる項目」を参照してください。
出力ファイルの形式は,パラメタファイルでは、format=par(またはcsv)と指定しますが,コマンド引数の場合はdcmcsvu.exe /par(または/csv)と最初に「/」(スラッシュ)を付けて指定するので,注意してください。
なお,コマンド引数を使った場合は,出力項目の詳細設定や出力内容の絞り込みはできません。
リターンコード
dcmcsvuコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
コード |
意味 |
対処 |
---|---|---|
0 |
出力が成功した。 |
なし。 |
1 |
パラメタファイルをオープンできない,またはファイル形式に誤りがある。 |
ファイルのパスまたはファイルの形式を確認してください。 |
2 |
コマンドの引数またはパラメタファイルに不正な値が指定されている。 |
コマンドの引数またはパラメタファイルの設定値を確認してください。 |
3 |
配布管理システムへの接続またはアクセス時にエラーが発生した。 |
配布管理システムが動作しているか、またはその設定に誤りがないか確認してください。 |
4 |
結果出力ファイルをオープンできない。 |
結果出力ファイルの状態を確認してください。結果出力ファイルがすでにほかのアプリケーションによって開かれているか,容量不足の場合があります。 |
5 |
動作環境が不正である。 |
配布管理システムの動作環境に誤りがないか確認してください。 |
10 |
/par を指定している場合で,該当するデータが多過ぎてパラメタファイルに記述できる行数を超えたため,出力に失敗した。 |
該当データの内容を確認し,出力する情報の絞り込みをしてください。 |
11 |
該当するデータがない。出力ファイルを作成しない。 |
なし。 |
12 |
そのほかのエラーが発生した。 |
イベントログを参照してください。 |
実行例1
ジョブの「実行状態」が「インストール/収集待ち」で,「ジョブあて先名」が「dmp4*」であるホストのジョブ実行状況の情報を,パラメタファイル形式でJOB_DESTINATIONタグに出力する例を次に示します。
- パラメタファイルの作成
-
パラメタファイルを次のように作成し,任意の名称で保存します。
OUTPUT_CONSTRAINTS{ template = J_STAT condition = result=インストール/収集待ち AND dstname = dmp4* ; }
- コマンドの実行
-
作成したパラメタファイルをC:¥temp¥in.txtに保存し,結果出力ファイルをC:¥temp¥parmjob.txtに取得する場合は,次のように指定します。
dcmcsvu.exe /i C:¥temp¥in.txt /o C:¥temp¥parmjob.txt /par
- 結果出力ファイルの確認
-
コマンドが正常終了すると,パラメタファイル形式のJOB_DESTINATIONタグの情報がC:¥temp¥parmjob.txtに次のように出力されます。
JOB_DESTINATION{ host_name = dmp410; dmp4200; dmp4system }
実行例2
転送されたジョブの実行状態が「インストール/収集待ち」で,「ジョブあて先名」が「dmp4*」であるホストについて,「ジョブ名称」,「サーバ側実行日時」,および「ジョブあて先名」の情報だけをCSV形式ファイルに出力する例を次に示します。この例では,ジョブの実行状態を絞り込むのに,「実行状態」項目ではなく「ステータス」項目を使っています。
- パラメタファイルの作成
-
パラメタファイルを次のように作成し,任意の名称で保存します。
OUTPUT_CONSTRAINTS{ template = J_STAT row = jname; execdate; dstname condition = status=2000B0 AND dstname = dmp4*; }
- コマンドの実行
-
作成したパラメタファイルをC:¥temp¥in.txtに保存し,結果出力ファイルをC:¥temp¥jobout.csvに取得する場合は,次のように指定します。
dcmcsvu.exe /i C:¥temp¥in.txt /csv /o C:¥temp¥jobout.csv
実行例3
「パッケージ名称」が「*OFFICE」で,「新バージョン」の一けた目の値が6以下のパッケージがインストールされているホストについて,インストール済みパッケージ情報をCSV形式ファイルに出力する例を次に示します。
- パラメタファイルの作成
-
パラメタファイルを次のように作成し,任意の名称で保存します。
OUTPUT_CONSTRAINTS{ template = INSTLD_PKG condition = pname = *OFFICE; condition = newver < 6; }
- コマンドの実行
-
作成したパラメタファイルをC:¥temp¥in.txtに保存し,結果出力ファイルをC:¥temp¥inspack.csvに取得する場合は,次のように指定します。
dcmcsvu.exe /i C:¥temp¥in.txt /csv /o C:¥temp¥inspack.csv