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JP1 Version 13 JP1/IT Desktop Management 2 構築ガイド


3.12 配布時に使用されるネットワーク帯域を制御する手順

管理用サーバから管理対象のコンピュータにソフトウェアやファイルを配布するときに、すべてのネットワーク帯域を使用しないように最大転送速度を設定して、ネットワーク帯域を制御できます。

ITDM互換配布のネットワーク帯域を制御するには:

  1. Administrator権限を持つユーザーでOSにログオンします。

  2. Windowsの[スタート]メニューから[すべてのプログラム]−[JP1_IT Desktop Management 2 - Manager]−[ツール]−[セットアップ]を選択します。

  3. セットアップ画面で[次へ]ボタンをクリックします。

  4. [セットアップの選択]画面で、[設定変更]を選択して[次へ]ボタンをクリックします。

  5. [その他の設定]画面が表示されるまで、[次へ]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  6. [管理用サーバでネットワークの帯域を制御する]をチェックして[最大転送速度]を入力し、[次へ]ボタンをクリックします。

  7. [セットアップの確認]画面で設定内容を確認して、[次へ]ボタンをクリックします。

    リモートインストールマネージャ、JP1/IT Desktop Management 2 - Asset Consoleが使用中でないことの確認を促すダイアログが表示されます。確認したあとに、[OK]ボタンをクリックしてください。

    クラスタシステム構成の場合は、ダイアログに表示されたサービスに関連づけされたクラスタリソースをオフラインにしたあとに、[OK]ボタンをクリックしてください。

  8. [リモートインストールマネージャを使用した配布のセットアップ]画面で、[OK]ボタンをクリックします。

    セットアップが開始され、処理中を示すダイアログが表示されます。セットアップが終了すると、[セットアップを終了します]画面が表示されます。

  9. [セットアップを終了します]画面で、[OK]ボタンをクリックします。

ネットワーク帯域が制御されるようになります。

リモートインストールマネージャを使用した配布のネットワーク帯域を制御するには:

  1. JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのサービスを停止します。

  2. コンフィグレーションファイルに設定を追加します。

    コンフィグレーションファイル(jdn_rim_distr_bwc.conf)の格納先は次のとおりです。

    JP1/IT Desktop Management 2のインストール先フォルダ\mgr\conf

  3. JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのサービスを起動します。

ネットワーク帯域が制御されるようになります。

コンフィグレーションファイルで設定する定義を次の表に示します。

セクション

キー

説明

初期値

省略可否

BandwidthCtrl

Function

リモートインストールマネージャを使用した配布時に流量制御するかどうかを指定します。

  • ON:流量制御する。

  • OFF:流量制御しない。

OFF

必須

SettingN※1

MinIP※2

0.0.0.0〜255.255.255.255の範囲で、IPアドレスの範囲の開始値を指定します。

0.0.0.0

必須

MaxIP

0.0.0.0〜255.255.255.255の範囲で、IPアドレスの範囲の終了値を指定します。

255.255.255.255

必須

MaxTransSpeedKbps

Kbps単位の整数(32※3〜8,388,608※4の範囲)で、最大転送速度を指定します。

15360

必須

注※1 Nは1〜30の数値です。IPアドレスの範囲を複数設定する場合は、Setting1Setting2Setting3のように定義します。なお、IPアドレスの範囲を複数設定する場合、各SettingNセクションのIPアドレスの範囲が重ならないように設定してください。

注※2 MaxIPより小さい値を指定します。MaxIPの値より大きい値を指定した場合、そのSettingNセクションの設定は無効になります。

注※3 KB単位に換算すると4KB/秒です(32 ÷ 8(bit) = 4)。

注※4 KB単位に換算すると1,048,576KB/秒です(8388608 ÷ 8(bit) = 1048576)。MB単位に換算すると1,024MB/秒です(8388608 ÷ 8(bit) ÷ 1024 = 1024)。

コンフィグレーションファイルの設定例を次に示します。

管理用サーバが属するLAN全体のネットワーク帯域の流量制御をする場合
[BandwidthCtrl]
Function=ON

[Setting1]
MinIP=0.0.0.0
MaxIP=255.255.255.255
MaxTransSpeedKbps=1024
特定のネットワーク帯域の流量制御をする場合
[BandwidthCtrl]
Function=ON

[Setting1]
MinIP=192.168.0.0
MaxIP=192.168.0.255
MaxTransSpeedKbps=1024

[Setting2]
MinIP=192.168.100.0
MaxIP=192.168.100.255
MaxTransSpeedKbps=320

コンフィグレーションファイルについての注意事項を次に示します。

ヒント

リモートインストールマネージャを使用した配布機能での流量制御の適用状況は、管理用サーバ起動時に出力されるMAIN.LOGファイルかWindowsイベントログのメッセージで確認できます。

ヒント

次の場合、流量制御されません。

  • リモートコレクト機能によるファイルの収集

  • マルチキャスト配布を設定した場合の配布

中継システムでリモートインストールマネージャを使用した配布のネットワーク帯域を制御するには:

  1. 中継システムのコンフィグレーションファイルに設定を追加します。

    コンフィグレーションファイル(jdn_rim_distr_bwc.conf)の格納先は次のとおりです。

    JP1/IT Desktop Management 2 - Agentのインストール先フォルダ\conf\jdn_rim_distr_bwc.conf

    コンフィグレーションファイルで設定する定義を次の表に示します。

    セクション

    キー

    説明

    初期値

    省略可否

    BandwidthCtrl

    Function

    リモートインストールマネージャを使用した配布時に中継システムで流量制御するかどうかを指定します。

    • ON:流量制御する。

    • OFF:流量制御しない。

    OFF

    必須

    Setting

    MaxTransSpeedKbps

    Kbps単位の整数(32※1〜8,388,608※2の範囲)で、最大転送速度を指定します。

    15360

    必須

    注※1 KB単位に換算すると4KB/秒です(32 ÷ 8(bit) = 4)。

    注※2 KB単位に換算すると1,048,576KB/秒です(8388608 ÷ 8(bit) = 1048576)。MB 単位に換算すると1,024MB/秒です(8388608 ÷ 8(bit) ÷ 1024 = 1024)。

    中継システム用のコンフィグレーションファイルの設定例を次に示します。

    [BandwidthCtrl]
    Function=ON
    
    [Setting]
    MaxTransSpeedKbps=1024
    

    コンフィグレーションファイルについての注意事項を次に示します。

    • セクションが重複している場合、先に定義したセクションが有効となります。

    • キーが重複している場合、セクション内で先に定義したキーが有効となります。

    • BandwidthCtrlセクションのFunctionキーにOFFを指定した場合は、有効なSettingセクションがあっても、流量制御されません。

    • BandwidthCtrlセクションのFunctionキーにONを指定した場合に、有効なSettingセクションが1個もないときには流量制御されません。

    • コンフィグレーションファイル(jdn_rim_distr_bwc.conf)のオープンに失敗した場合は、流量制御されません。

  2. 中継システムのOSを再起動します。

  3. 中継システムのMAIN.LOGファイルを確認します。

    リモートインストールマネージャを使用した配布機能での流量制御の適用状況に関するメッセージで、設定ファイルに指定した設定がすべて出力されていることを確認してください。

中継システムでリモートインストールマネージャを使用した配布のネットワーク帯域の制御を無効にする場合は、コンフィグレーションファイルのBandwidthCtrlセクションのFunctionキーにOFFを指定してから同じ手順で実行してください。

管理者がリモートインストールマネージャから配下の中継システムへ設定ファイルを配布するには:

  1. 管理者の端末で、中継システムに配布するコンフィグレーションファイルを作成します。

    作成するコンフィグレーションファイルの詳細は、「中継システムでリモートインストールマネージャを使用した配布のネットワーク帯域を制御するには」の手順1を参照してください。

  2. 管理者の端末で、作成したコンフィグレーションファイルをパッケージャからパッケージングします。

  3. リモートインストールマネージャから、パッケージングしたコンフィグレーションファイルを中継システムに配布ジョブで配布します。

    配布ジョブの作成時に、[パッケージ]パネルで[変更]ボタンをクリックして表示される[インストール条件の変更]ダイアログボックスで、次の項目を設定してください。

    [システム条件]パネル

    ・[インストール先ディレクトリ]に次のパスを指定

    JP1/IT Desktop Management 2 - Agentのインストール先フォルダ\conf

    ・[同じパッケージがあったら上書き]チェックボックスをオン

    [オプション]パネル

    [インストール後コンピュータを再起動する]チェックボックスをオン

    ジョブ作成の詳細は、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド」のリモートインストールの実行についての説明を参照してください。

  4. リモートインストールマネージャのジョブ実行状況画面で、中継システムへの配布ジョブが完了したことを確認します。

  5. リモートインストールマネージャでリモートコレクトジョブを実行し、中継システムから配布したコンフィグレーションファイルと公開ログを収集します。

    収集対象として次のファイルを指定してください。

    • 配布したコンフィグレーションファイル

    • 公開ログ:JP1/IT Desktop Management 2 - Agentのインストール先フォルダ¥log¥MAIN_0000.log

  6. 収集したコンフィグレーションファイルが手順1で作成したファイルと同じ内容であるか確認します。

  7. 収集した公開ログを確認します。

    リモートインストールマネージャを使用した配布機能での流量制御の適用状況に関するメッセージで、設定ファイルに指定した設定がすべて出力されていることを確認してください。

中継システムでリモートインストールマネージャを使用した配布のネットワーク帯域の制御を無効にする場合は、コンフィグレーションファイルのBandwidthCtrlセクションのFunctionキーにOFFを指定してから同じ手順で実行してください。