2.18.12 複数サーバ構成での資産の管理
複数サーバ構成の場合、管理用中継サーバが管理元である資産情報も、上位の管理用サーバでまとめて管理できます。あらかじめ、どの管理用サーバで資産を管理するか、管理範囲を決めておくことで漏れなく資産を管理できます。
ハードウェア資産情報
下位の管理用中継サーバに機器情報が追加されると、上位の管理用サーバに機器情報が通知されます。機器情報の通知を契機に上位の管理用サーバでは、機器情報に関連づいた資産情報が登録されます。
- ヒント
-
USBデバイスの登録情報を上位の管理用サーバに送信したい場合は、下位の管理用中継サーバでセットアップしてください。詳細については、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 構築ガイド」の、管理用中継サーバをセットアップする手順の説明を参照してください。
なお、管理用サーバごとに編集した資産情報は、上位の管理用サーバおよび下位の管理用中継サーバに通知されません。ただし、次に当てはまる資産管理項目の値は、上位の管理用サーバから配下の管理用中継サーバに資産管理項目を適用することで、上位の管理用サーバに通知されるようになります。
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資産情報と機器情報の共通管理項目
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ハードウェア資産情報の追加管理項目のうち、管理者が追加した追加管理項目
資産情報を滅却した場合は、上位の管理用サーバ、および下位の管理用中継サーバから資産情報の関連づけを解除し、機器情報も削除します。何らかの理由で、上位の管理用サーバ、および下位の管理用中継サーバでの機器情報の削除に失敗して、管理用サーバ間で機器情報の不整合が起きた場合は、機器情報の削除に失敗した管理用サーバ上で手動で機器情報を削除してください。
ソフトウェア情報、契約情報
ソフトウェア情報、契約情報は上位の管理用サーバに通知されません。資産管理の管理範囲の最上位の管理用サーバで更新してください。
- ヒント
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SAMAC辞書は、管理用サーバごとに登録してください。
資産の関連づけ情報
資産の関連づけ情報は上位の管理用サーバに通知されません。資産管理の管理範囲の最上位の管理用サーバで更新してください。
関連リンク
- 〈この項の構成〉
(1) 配下の管理用中継サーバへの資産管理項目の設定の適用
複数サーバ構成では、任意の管理用サーバからその配下の管理用中継サーバに対して自サーバの資産管理項目を適用できます。また、上位の管理用サーバから適用された共通管理項目の設定を編集したり、各管理用サーバで独自に追加管理項目を設定したりできます。配下の管理用中継サーバへの資産管理項目の設定は、設定画面の[資産管理項目の設定]画面から適用できます。
なお、上位の管理用サーバから適用された設定を管理用中継サーバで編集しても、複数サーバ構成内のほかの管理用サーバには反映されません。
配下の管理用中継サーバへの資産管理項目の設定の仕組みを次の図に示します。
配下の管理用中継サーバには利用者入力開始日時、共通管理項目、およびハードウェア資産情報の追加管理項目を適用できます。利用者入力開始日時は、適用先の管理用サーバで任意に編集できます。共通管理項目、およびハードウェア資産情報の追加管理項目の適用先での編集可否は次のとおりです。
資産管理項目 |
適用先での設定の編集可否 |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
項目名 |
項目値 |
入力方法 |
説明 |
データ型 |
入力文字制限 |
||
共通管理項目 |
部署※1 |
× |
○※2 |
× |
× |
× |
× |
設置場所※1 |
× |
○※2 |
× |
× |
× |
× |
|
利用者名 |
× |
||||||
アカウント |
× |
||||||
メールアドレス |
× |
||||||
電話番号 |
× |
||||||
追加管理項目 |
ハードウェア資産情報の追加管理項目※3 |
× |
(凡例)○:編集できる ×:編集できない(参照だけできる)
注※1 データ型が「選択型」または「階層型」の場合で項目値が設定されていないとき、適用元の資産管理項目の設定は配下の管理用中継サーバに適用されません。
注※2 データ型が「選択型」または「階層型」の場合に編集できます。
注※3 資産状態および機器種別の設定は配下の管理用中継サーバに適用されません。
- 重要
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ハードウェア資産情報の追加管理項目を適用すると、適用元に設定されていないハードウェア資産情報の追加管理項目は、適用先のハードウェア資産情報の追加管理項目から削除されます。
- ヒント
-
配下の管理用中継サーバから通知された機器情報に自サーバに登録されていない機器種別が含まれていた場合、自動で自サーバに機器種別が追加されます。
設定の適用に失敗する場合
次のような場合は、配下の管理用中継サーバへの資産管理項目の設定の適用に失敗します。
-
変更または削除される資産管理項目が、適用先の次の設定で使用されている場合
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フィルタ条件
-
ハードウェア資産情報の追加管理項目の項目値
-
ユーザー定義のグループ条件
-
ユーザー定義のセキュリティ設定
-
あて先グループおよびIDの自動メンテナンスの条件
-
-
適用先のハードウェア資産情報の追加管理項目の項目数が上限を超える場合
データ型ごとの項目数の上限は次のとおりです。
-
数値型:20件
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日付型:10件
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選択型:20件
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テキスト型:75件
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適用元の追加管理項目と同じ名称の追加管理項目が適用先の管理用中継サーバに設定されている場合
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データベースのアクセスでエラーが発生した場合
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管理用サーバ間のデータ通信でエラーが発生した場合
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中継するデータファイルが壊れていた場合
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データフォルダまたはローカルデータフォルダでI/Oエラーが発生した場合
- ヒント
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失敗した時点で、配下の管理用中継サーバへの資産管理項目の設定の適用は中断されます。
[資産管理項目の設定]画面に表示されるハードウェア資産情報の追加管理項目の表示順
上位の管理用サーバから適用されたハードウェア資産情報の追加管理項目は、適用元のホスト名の名前順で設定画面の[資産管理項目の設定]画面に表示されます。適用元のホスト名が同じ項目同士は、項目の名前順で表示されます。各管理用サーバで独自に設定した追加管理項目は、上位の管理用サーバから適用された追加管理項目の後ろに続いて定義順で表示されます。
ハードウェア資産情報の追加管理項目の表示例を次の図に示します。
[利用者情報の入力]画面の項目の表示順
[利用者情報の入力]画面の項目の表示順は配下の管理用中継サーバに適用されません。上位の管理用サーバから新たに適用された項目は、表示順のいちばん下に追加されます。適用された項目が複数ある場合は、項目名でソートされた状態で追加されます。また、各管理用サーバで任意の表示順に変更できます。
適用先での部署・設置場所のグループの更新
配下の管理用中継サーバへの資産管理項目の設定の適用によって、適用先の部署や設置場所の項目値が更新された場合、適用先のグループも更新されます。
- 部署や設置場所の項目値が追加された場合
-
追加された項目値に対応する部署・設置場所のグループが適用先に追加されます。
- 部署や設置場所の項目値が変更された場合
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変更後の項目値に対応する部署・設置場所のグループが適用先に追加されます。変更前の部署・設置場所のグループはそのまま残ります。
- 部署や設置場所の項目値が削除された場合
-
削除された項目値に対応する部署・設置場所のグループは適用先にそのまま残ります。