3.3.3 クラスタ環境のセットアップ
クラスタ運用に対応するためのインストールおよびセットアップについて説明します。
なお,クラスタ運用の概要については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド」のクラスタシステムの概要についての説明を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) クラスタシステムをセットアップする際の確認事項
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使用するクラスタソフトへの対応を確認してからセットアップおよび運用してください。クラスタシステムのセットアップについては,使用するクラスタシステムのドキュメントを参照してください。
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JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsでクラスタシステムのセットアップをする前に,必ずJP1/Baseでクラスタシステムをセットアップしておいてください。
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実行系と待機系のJP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsは,同じドライブおよび同じディレクトリにインストールしてください。
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クラスタシステムの論理ホストでSSL通信を利用する場合,論理ホストのホスト名でサーバ証明書を取得してください。物理ホストのホスト名でサーバ証明書を取得しても,論理ホストでは使用できません。ただし,次の場合は,物理ホストで論理ホストと同じサーバ証明書を使用できます。
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物理ホストのサーバ証明書のSANに,論理ホスト名を記載している場合
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物理ホストのサーバ証明書がワイルドカード証明書で,記載されているホスト名が論理ホスト名に合致する場合
サーバ証明書の取得などSSL通信の設定については,「3.3.2 SSL通信環境のセットアップ」を参照してください。
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(2) クラスタ運用時のインストール
実行系,待機系それぞれのローカルディスク上にJP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsをインストールしてください。インストールの際には,実行系,待機系とも,同じ名称のドライブおよびディレクトリを指定してください。
- 重要
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共有ディスク上には,JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsをインストールしないでください。
(3) JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsのセットアップ
JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsのクラスタ環境のセットアップ方法を次に示します。
(a) 実行系での作業
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JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsのクラスタ運用のためのセットアップを実行する。
次のコマンドを実行してください。
ajscsasetup -d 共有ディレクトリ -h JP1/Baseの論理ホスト名 -m
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使用するクラスタソフトにJP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsサービスを登録する。
詳細は「(4) クラスタソフトへの登録」を参照してください。
(b) 待機系での作業
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JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsのクラスタ運用のためのセットアップを実行する。
次のコマンドを実行してください。
ajscsasetup -d 共有ディレクトリ -h JP1/Baseの論理ホスト名 -s
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使用するクラスタソフトにJP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsサービスを登録する。
詳細は「(4) クラスタソフトへの登録」を参照してください。
(4) クラスタソフトへの登録
使用するクラスタソフトにJP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsサービスを登録します。
登録方法の詳細については,各クラスタソフトのドキュメントを参照してください。また,登録の際は,次の点に注意してください。
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JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsのサービスは,使用するIPアドレスおよび共有ディスクと一緒に,実行系から待機系に引き継がれるようにしてください。
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IPアドレスおよび共有ディスクが引き継がれ,待機系のJP1/Baseが起動したあとに,JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsのサービスが起動するようにしてください。
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JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsのサービスの自動起動の設定をしている場合は,自動起動しないように設定を変更してください。
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そのほかの注意事項については,リリースノートの「システム作成上の注意事項」を参照してください。
クラスタソフトへの登録に必要なJP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsの情報を次に示します。
(a) Windowsの場合
- クラスタソフトに設定するサービス
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次の手順でサービスをクラスタソフトに登録してください。
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Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択する。
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クラスタソフトに登録するサービスの[スタートアップの種類]の設定を,「自動」から「手動」に変更する。
クラスタソフトに登録するサービスを次に示します。
・JP1/AJS3 CSA HTTP Serverサービス
・JP1/AJS3 CSA Web Application Serverサービス
これらのサービスの[スタートアップの種類]の設定を「自動」から「手動」に変更します。
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起動順序がJP1/AJS3 CSA Web Application Serverサービス,JP1/AJS3 CSA HTTP Serverサービスの順で起動するようにクラスタソフトに登録する。
クラスタソフトに登録するサービスの表示名称とサービス名称を次に示します。
- JP1/AJS3 CSA HTTP Serverサービス
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表示名称:JP1/AJS3 CSA HTTP Server
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サービス名称:JP1_AJS3_CSA_HTTP_Server
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- JP1/AJS3 CSA Web Application Serverサービス
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表示名称:JP1/AJS3 CSA Web Application Server
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サービス名称:JP1_AJS3_CSA_Web_Application_Server
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- サービスの起動・停止
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クラスタソフトに登録したサービスは,クラスタソフトの操作で起動または停止してください。
- サービスの運用監視
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サービスの起動状態は,クラスタソフトによって監視されます。
(b) Linuxの場合
登録する機能 |
説明 |
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起動 |
JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsを起動します。
起動するタイミングは,共有ディスクおよび論理IPアドレスが使用できる状態になったあとになります。 jajs_csaコマンドの詳細については,「7. コマンド」の「jajs_csa(Linux限定)」を参照してください。 |
停止 |
JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsを停止します。
停止するタイミングは,共有ディスクおよび論理IPアドレスが使用できない状態になる前になります。 jajs_csa_stopコマンドの詳細については,「7. コマンド」の「jajs_csa_stop(Linux限定)」を参照してください。 |
動作監視 |
JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsが異常終了していないかどうか,psコマンドを使用してプロセスの有無で確認します。
監視対象のプロセスを次に示します。
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強制停止 |
停止と同じです。 |