13.1.13 JP1/AJS3の状態をWeb GUIで確認したい
日々の業務運用の中で,JP1/AJS3が安定稼働しているかどうかを確認するために,複数の情報を取得する必要があります。ここでは,Web GUI(マネジメントポータル)を使用して,JP1/AJS3が安定稼働しているかどうかの情報をGUIで確認する方法について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 背景
JP1/AJS3では,安定稼働しているかどうかの確認に必要な情報は,各種のコマンドを実行することで個々に取得できます。しかし,複数のコマンドを実行するため,手順が煩雑になる場合がありました。
これまでコマンドの実行でJP1/AJS3の状態を監視していたある企業で,JP1/AJS3をより安定して運用するために,日々のシステム監視業務の手順を簡略化したいとします。
(2) 実現したいこと
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JP1/AJS3が安定稼働しているかどうかの情報をGUIで可視化し,簡単に確認できるようにしたい。
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JP1/AJS3のシステムに問題がある場合は,システムのどの部分に異常があるかすぐに発見できるようにしたい。これによって,異常の発生から解決までの時間を短縮したい。
(3) 解決方法
Web GUI(マネジメントポータル)をセットアップし,JP1/AJS3の稼働情報をWebブラウザーから確認できるようにします。
Web GUI(マネジメントポータル)でJP1/AJS3の状態を確認する場合の画面の例を次の図に示します。
Web GUI(マネジメントポータル)では,次の情報をWebブラウザーで確認できます。
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JP1/AJS3のサービスが起動しているかどうか
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データベースの無効領域が大量に発生しているかどうか
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ジョブ実行の運用停止につながるような要因が発生しているかどうか
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マネージャーホストとエージェントホスト間で通信できているかどうか
(4) 設定例
Web GUI(マネジメントポータル)を使用するために,マネージャーホストとエージェントホストでそれぞれセットアップを実施します。
Web GUI(マネジメントポータル)のセットアップが完了したら,日々の業務運用で,WebブラウザーからWeb GUI(マネジメントポータル)にログインしてJP1/AJS3の状態を確認します。
(a) Web GUI(マネジメントポータル)のセットアップの例
マネージャーホストとエージェントホストのセットアップの手順を次に示します。
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JP1/AJS3の状態を取得するための,次の機能をセットアップする※。
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ジョブ実行の運用停止につながるような要因を検知するための設定
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ジョブの配信遅延を軽減するための設定
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稼働状況レポートを出力するための設定
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JP1/AJS3 - Web Consoleをインストールする。
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マネージャーホストでWeb GUI(マネジメントポータル)をセットアップする。
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エージェントホストでWeb GUI(マネジメントポータル)をセットアップする。
- 注※
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次に示す3機能をセットアップしなくても,Web GUI(マネジメントポータル)は使用できます。ただし,一部の状態が取得できなくなります。
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ジョブ実行の運用停止につながるような要因を検知するための設定
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ジョブの配信遅延を軽減するための設定
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稼働状況レポートを出力するための設定
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(b) Web GUI(マネジメントポータル)の使用例
WebブラウザーからJP1/AJS3の状態を確認する手順を次に示します。
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Webブラウザーを使用して,Web GUI(マネジメントポータル)にログインする。
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Web GUI(マネジメントポータル)の[サマリ]画面で,JP1/AJS3のサマリステータスを確認する。
JP1/AJS3のサマリステータスが正常であれば,確認はここで終了です。
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JP1/AJS3のサマリステータスに異常が発生している場合は,詳細を確認する各画面に遷移し,異常の発生個所を特定する。
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JP1/AJS3 - View,Web GUI(ジョブポータル)またはコマンドを使用して,異常に対処する。
(5) マニュアル記載個所
項目 |
詳細項目 |
参照個所 |
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概要 |
Web GUI(マネジメントポータル)の概要 |
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見積もり |
Web GUI(マネジメントポータル)が使用するデータ量の見積もり |
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Web GUI(マネジメントポータル)のログファイルの見積もり |
マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 3.4.7 Web Consoleサーバのログファイルのサイズを見積もる」 |
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設定手順 |
マネージャーホストのセットアップ |
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エージェントホストのセットアップ |
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JP1/AJS3の情報を取得するための設定 |
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画面 |
マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 16. Web GUIのマネジメントポータル」 |
(6) 注意事項
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Web GUI(マネジメントポータル)を使用する場合,通信暗号化機能の有効・無効は,物理ホストの設定に従います。そのため,Web Consoleサーバ,マネージャーホストの物理ホストおよびエージェントホストの物理ホストでは,通信暗号化機能の有効・無効を通信するサーバ間で統一する必要があります。ただし,環境設定パラメーターAJS3SSLの値を「INETD」に設定することで,Web Consoleサーバとマネージャーホスト間で通信暗号化機能を有効にした場合でも,マネージャーホストとエージェントホスト間の通信暗号化機能を無効にできます。また,Web GUI(マネジメントポータル)を使用する場合で,マネジメントポータルの接続先に論理ホストを指定するときは,物理ホストのサーバ証明書のSANには,物理ホスト名,および物理ホスト上のすべての論理ホスト名を登録してください。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.3.6 SSLによるJP1/AJS3の通信の暗号化」を参照してください。
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Web GUI(マネジメントポータル)から接続するホストをクラスタ運用で使用する場合,JP1/AJS3 System Control ManagerサービスおよびJP1/AJS3 System Control Agentサービスはフェールオーバーの対象になりません。下記どちらかの設定を実施してください。
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実行系と待機系の両方のマシンで,JP1/AJS3 System Control ManagerサービスおよびJP1/AJS3 System Control Agentサービスを起動しておく。
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クラスタソフトまたはjajs_start.cluster.modelの設定で,実行系および待機系の論理ホストの起動時にJP1/AJS3 System Control ManagerサービスおよびJP1/AJS3 System Control Agentサービスが自動起動するようにしておく。
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 8.2.11 Web GUI(マネジメントポータル)から接続するホストをクラスタ運用で使用する設定」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 17.2.12 Web GUI(マネジメントポータル)から接続するホストをクラスタ運用で使用する設定」(UNIXの場合)を参照してください。
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