12.2.1 外部DBと接続しているJP1/AJS3のシステム障害から復旧するための準備
ここでは,外部DBと接続しているJP1/AJS3のシステム障害から復旧するための準備や注意事項について説明します。システム障害から復旧するための準備を次に示します。
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外部DBを利用するためのセットアップが完了したJP1/AJS3のバックアップの作成
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マネージャーホストの環境情報の確認
(1) 外部DBを利用するためのセットアップが完了したJP1/AJS3のバックアップの作成
外部DBを利用するためのセットアップが完了したJP1/AJS3のバックアップをスナップショットなどで作成しておく必要があります。なお,バックアップは,JP1/AJS3サービスが停止している状態で作成してください。
JP1/AJS3のセットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 24. クラウド環境で外部DBを利用するためのセットアップ」を参照してください。
(2) マネージャーホストの環境情報の確認
マネージャーホストに障害が発生した場合,業務を復旧させるためには,復旧後の環境を運用中のマネージャーホストと同一の環境にする必要があります。このため,JP1/AJS3のバックアップを作成したあとに,マネージャーホストの設定情報を変更していた場合は,設定を合わせる必要があります。同一の環境にするために必要な設定情報を次の表に示します。
項番 |
情報の種類 |
項目 |
設定 |
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1 |
システム設定 |
ホスト名 |
マネージャーホストのホスト名 |
2 |
IPアドレス |
マネージャーホストのIPアドレス |
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3 |
言語環境 |
マネージャーホストの言語環境 |
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4 |
ポート番号 |
servicesファイルのポート番号の設定 |
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5 |
ファイアウォール設定 |
ポートのファイアウォール透過設定 |
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6 |
全般 |
トレースログファイルサイズ |
次のトレースログファイルサイズの設定
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7 |
環境設定パラメーター |
物理ホストの環境設定パラメーターの設定 |
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8 |
シェル |
シェルのカスタマイズの設定 |
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9 |
AJS管理者 |
AJS管理者の設定 |
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10 |
JP1/AJS3接続元制限 |
次の設定ファイル
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11 |
実行エージェント情報※ |
実行エージェントおよび実行エージェントグループの追加,削除,変更の情報 |
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12 |
スケジューラー |
スケジューラーサービスの追加または削除 |
追加時に指定した次のディレクトリ名
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13 |
次のコマンドでの環境設定パラメーターの取得 jbsgetcnf -c JP1AJSMANAGER -n スケジューラーサービス名 |
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14 |
JP1/AJS3のスケジューラーサービスローカル日時 |
ajslocaldateコマンドでのJP1/AJS3のスケジューラーサービスローカル日時の変更 |
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15 |
イベント・アクション |
JP1イベント送信ジョブの送信先ホスト |
JP1イベント送信ジョブで他ホストにJP1イベントを送信する場合の通信の設定 |
16 |
メールシステム連携 |
メールシステム連携機能の設定 |
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17 |
定義内容の事前チェック |
定義内容の事前チェック機能 |
定義内容の事前チェック機能のセットアップまたはアンセットアップ |
18 |
前提製品,関連製品,連携製品 |
JP1イベントサービスの転送先ホスト |
他ホストから転送されるJP1イベントをJP1イベント受信監視ジョブで監視する場合の設定 |
19 |
システム管理 |
プロセス定義 |
次の起動プロセス定義ファイルの設定
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20 |
次の拡張起動プロセス定義ファイルの設定
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21 |
プロセス起動設定 |
JP1/AJS3環境定義ファイル(jp1ajs_env.conf)の設定 |
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22 |
運用プロファイル |
ユニット属性プロファイル |
ユニット属性プロファイルの設定 |
23 |
実行エージェントプロファイル |
実行エージェントプロファイルの設定 |
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24 |
JP1/AJS3 - Viewの設定 |
ウィンドウおよびダイアログボックスのカスタマイズ |
ユーザー共通プロファイル(/etc/opt/jp1ajs2/conf/profiles配下) |
25 |
JP1/AJS3 - Manager上のJP1/AJS3 - Viewのウィンドウのメニューを不活性にするカスタマイズファイル(jajsDisableMenu)のカスタマイズ |
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26 |
実行許可コマンド設定ファイル(jajsExecutableCommand)のカスタマイズ |
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27 |
Viewカスタマイズ設定ファイル(jajsCustomizeView)のカスタマイズ |
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28 |
ユーザー資産 |
ODBCファイルデータソース |
外部DBのスケジューラーサービス構築時に指定したODBCファイルデータソース |
29 |
ユーザーアプリケーション |
ジョブとして実行されるユーザーアプリケーション |
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30 |
ユーザーアプリケーションが必要とするデータやファイル |
環境変数ファイル,標準入力ファイル,転送元ファイル,終了判定ファイルなど |
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31 |
ユーザーアプリケーションの実行環境 |
OSのユーザー名,JP1/Baseのユーザーマッピングの設定など |
- 注※
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エージェント管理データベースを復元した場合で,復元したデータベースに情報が不足しているときに,障害発生前と同一の環境にするために必要な情報です。エージェント管理データベースの復元後,この情報を元に,情報を変更する必要があります。
(3) 注意事項
次の情報は復旧後の環境には引き継げません。ただし,システム障害が発生した環境が参照できる場合は,該当のログファイルを参照できます。
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ログファイルは,復旧後の環境に引き継げません。事前に手動でバックアップしておく必要があります。
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JP1イベントは,復旧後の環境に引き継げません。そのため,JP1イベント受信監視ジョブで実行前のイベント検索を使用しても,障害発生前のイベントは検索できません。