5.2.2 QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境で使用するISAMファイルの未使用領域の確認方法と再編成の時期
ISAMデータベースの未使用領域の確認は,jpqdbcondコマンドで実行します。
jpqdbcondコマンドを使用する際の注意事項を次に示します。jpqdbcondコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド jpqdbcond」を参照してください。
(1) 未使用領域の確認方法
データベースの未使用領域は,jpqdbcondコマンドで確認します。
jpqdbcondコマンドの実行例を次に示します。
jpqdbcond -L -a -t se,10
QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境で使用するISAMファイルの情報を標準出力に出力し,未使用領域サイズがしきい値(10メガバイト)に達していたときに,標準エラー出力と,Windowsイベントログまたはsyslogにメッセージを出力します。これらのオプションを使用して,ジョブを大量に実行するなどの繁忙期でないときに,JP1/AJS3のジョブとしてjpqdbcondコマンドをスケジュール実行することで,定期的にISAMファイルの状態を確認して,警告メッセージを出力できます。
jpqdbcond -l -a
QUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境で使用するISAMファイルの状態(未使用領域率と未使用領域サイズ・データファイルフラグメント率)を出力します。
jpqdbcond -L -a -t j,10
未使用領域サイズがしきい値(10メガバイト)に達していたときに,次に示すJP1イベントを出力します。
-
イベントID:00004164
-
イベント名称:ISAM未使用領域サイズしきい値到達イベント
-
メッセージID:KAVU5984-W
あらかじめ指定した,任意のしきい値を超えていた場合に再編成してください。
(2) データベースの再編成時期
QUEUEジョブ,サブミットジョブ実行環境の再編成の時期は,JPQJOBINFO.K02のファイルサイズとジョブ情報の保存日数も目安にしてください。再編成の詳細については,「9.3 QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用している場合のデータベース再編成」を参照してください。ジョブ情報の保存日数の設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.5 ジョブ実行環境設定」を参照してください。
jpqdbcondコマンドで出力されるJP1イベントの詳細については,「付録A JP1/AJS3が発行するJP1イベント」を参照してください。
(3) jpqdbcondコマンドの注意事項
-
このコマンドに-lオプションを指定した場合,ISAMファイルを閉じている状態で実行してください(ISAMファイルを閉じるには,JP1/AJS3を停止してください)。ファイルが開いている状態でこのコマンドを実行した場合の動作は保証されません。
-
このコマンドに-Lオプションを指定した場合,他プロセスが使用中のISAMファイルに対しても情報を取得できますが,並行してアクセスする他プロセスがISAMファイルを更新した場合,情報取得の瞬間のISAMファイル更新分については誤差が生じます。また,ISAMファイルの整合性を保つため,コマンド実行中は他プロセスのISAMファイルへのアクセスが待たされます。したがって,このコマンドを使用する場合は,ジョブを大量に実行するなどの繁忙期を避けてください。
-
-l,-Lオプションで出力される情報は,フラグメンテーションの割合ではなく,未使用領域率です。このため,ISAMファイル中にレコードがない場合や,レコードが非常に少ない件数の場合,まだ使用されていない予約済みの空き領域に対する未使用領域率として「100%」と出力されます。