3.1.2 退避および回復時の注意事項
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ユニットの名称に2バイトコードを使用している場合,退避元と回復先の環境変数LANGを統一してください。例えば,シフトJISの2バイトコードで定義したユニットを退避し,EUCコードしかサポートしていないホストで回復した場合,回復したユニットは使用できません。
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回復は,回復するジョブネットの実行登録を解除してから実施してください。
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ユニットの参照中や更新中に退避や回復を実行しないでください。退避や回復を実行する場合には,ユニットがほかで使用中ではないことを確認してから実行してください。
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退避したユニットを回復するためには,退避した時点のユニットに更新権限が必要です。もし,更新権限を持たないユーザーが退避を実行した場合,回復は,Administrators権限またはスーパーユーザー権限を持つユーザーが実行してください。
なお,環境設定パラメーターADMACLIMITに「yes」を設定している場合は,次の権限を持つJP1ユーザーが,退避または回復を実行してください。
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退避
退避するすべてのユニットに対しての参照権限
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回復
回復するすべてのユニットに対しての更新権限
環境設定パラメーターADMACLIMITの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.11.2(4) ADMACLIMIT」を参照してください。
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リリース登録されたジョブネット(リリース先のジョブネット)を退避した場合,リリース状態が「リリース待ち」状態の定義は退避されないで,「適用中」状態のものだけ退避されます。そのため,退避したジョブネットを回復させても,「リリース待ち」状態であった定義は回復されません。「リリース待ち」状態の定義も退避・回復させたい場合は,リリース元ジョブネット(「リリース待ち」状態の定義をリリース登録した元となるジョブネット)についても,退避し,回復後に再度リリース登録してください。
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退避ボックスには,退避情報管理ファイル(.ajsbkup)が格納されています。退避ボックスの属性変更時には,必ず退避情報管理ファイルの属性も変更してください。
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ajsprint,ajsbackupコマンドまたはJP1/AJS3 - Viewによるユニットの退避は,ユニットの定義情報だけが退避され,実行結果は退避されません。
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ajsprint,ajsbackupコマンドまたはJP1/AJS3 - Viewによるユニットの退避で登録状態のジョブネットを退避した場合,ajsdefine,ajsrestoreコマンドまたはJP1/AJS3 - Viewで回復を実行しても,そのジョブネットは登録解除状態となります。
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ajsbackup,ajsrestoreコマンドまたはJP1/AJS3 - Viewを使用することで,退避ボックスごとに複数のユニットをまとめて管理できます。このような管理が必要ない場合は,ajsprint,ajsdefineコマンドでジョブネットの退避・回復を代用できます。
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JP1/AJS3で退避したユニット定義情報を回復する場合,退避元と回復先のネストジョブネットのスケジュール定義が異なることがあるため注意が必要です。
この現象について,次に示します。
(原因)
次の1〜3がすべて重なった場合に発生します。
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スケジュールルールを持つルートジョブネットをコピーし,ネストジョブネットとして定義している
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条件1のネストジョブネットを含むユニットを,次に示す機能を使用して退避した
・ajsbackupコマンド
・ajsexportコマンド
・ajsprintコマンド
・JP1/AJS3 - Viewの退避機能
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条件2の内容で退避したユニットを,次に示す機能を使用して回復した
・ajsrestoreコマンド
・ajsimportコマンド
・ajsdefineコマンド
・JP1/AJS3 - Viewの回復機能
(結果)
(原因)に示した1〜3がすべて重なった場合,次の結果になります。
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退避元のネストジョブネットのスケジュール定義は,[上位のジョブネットに依存する]のスケジュール定義が有効になる
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回復先のネストジョブネットのスケジュール定義は,設定されているスケジュールルールの定義が有効になる
(対処)
スケジューラーサービスの環境設定パラメーターAJSPRINTNETSCHPRFに「no」を設定したあとに退避・回復を実行すると,退避元と回復先のユニット定義情報が一致します。この設定は,JP1/AJS3またはバージョン08-00以降のJP1/AJS2を新規にインストールした場合に初期状態で設定されています。08-00より前のバージョンのJP1/AJS2からバージョンアップインストールした状態でこの設定をしていない場合は,必要に応じて設定してください。環境設定パラメーターAJSPRINTNETSCHPRFの設定方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 4.2 環境設定パラメーターの設定」を参照してください。
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コマンドの引数にファイル名を指定する場合は,ファイルの内容を環境設定パラメーターAJSCHARCODEに指定した文字コードに合わせる必要があります。