2.2.2 インストール時の注意事項
ここでは,JP1/AJS3シリーズプログラムのインストール時の注意事項について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentをインストールするホストについての注意事項
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JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agentは同一ホストにインストールできません。
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JP1/AJS3 - Managerを新規インストールする場合,インストール前に,自ホスト名の名前解決ができているか確認してからインストールしてください。自ホスト名の名前解決ができない状態で新規インストールすると,ジョブ実行環境データベースの作成に失敗し,JP1/AJS3サービスが起動しないおそれがあります。
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JP1/AJS3 - Managerを新規インストールする場合,組み込みDBとの通信用のポート番号「22220」を使用できる状態でインストールしてください。
ポート番号「22220」をJP1/AJS3 - Manager以外で使用する場合,ポート番号「22220」が使用できる状態でJP1/AJS3 - Managerをインストールしたあと,組み込みDBを再セットアップして,使用するポート番号を「22220」から変更してください。組み込みDBの再セットアップについては,「23.4.1(6) 組み込みDBの再セットアップ」を参照してください。
(2) バージョンアップインストールについての注意事項
(a) カスタマイズできるファイルの扱い
JP1/AJS3で提供しているファイルには,ユーザーがカスタマイズできるファイルがあります。ユーザーによるカスタマイズを考慮し,バージョンアップインストール後も,これらのファイルは置き換えられません。
また,カスタマイズ前のファイルは,モデルファイルとして同一フォルダに格納されています(ファイル名の末尾に,「.model」が付いています)。アップデートはこのモデルファイルに対して行われます。このため,バージョンアップ後は次に示すパス配下のファイルのカスタマイズ状況を確認し,カスタマイズしている場合は,モデルファイルをコピーして再度カスタマイズしてください。カスタマイズしていない場合は,コピーだけしてください。
- JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agentの場合
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JP1/AJS3のインストール先フォルダ\conf
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- JP1/AJS3 - Viewの場合
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JP1/AJS3 - Viewのインストール先フォルダ\conf
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%ALLUSERSPROFILE%\Hitachi\JP1\JP1_DEFAULT\JP1AJS2V\conf
「%ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ\ProgramData」です。
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JP1/IM - Managerのインストール先フォルダ\conf\console\monitor\hitachi_jp1_ajs2_mon.conf
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- 注意事項
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JP1/AJS3をクラスタシステムで運用している場合,共有フォルダのjp1ajs2のconf配下にあるモデルファイルに対して,アップデートは行われません。そのため,共有フォルダ配下のファイルをカスタマイズしている場合は,共有フォルダのモデルファイルではなく,上記のフォルダからモデルファイルをコピーして再度カスタマイズしてください。カスタマイズしていない場合は,同名のファイルを上書きコピーしてください。
なお,論理ホストのconfファイルは,共有フォルダのjp1ajs2のconf配下にあるファイルになります。
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資料採取ツールは,バージョンアップインストール時,モデルファイルと同様に更新されます。バージョンアップインストール後に資料採取ツール(_04.bat)のカスタマイズが必要な場合は,バージョンアップインストール前の_04.batをバックアップしておいてください。
なお,資料採取ツール(jajs_log.bat)はカスタマイズできません。
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なお,JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerへのバージョンアップでは,プロセス管理定義ファイル(上記パスにあるjp1ajs_xxxd.confファイル),および拡張起動プロセス定義ファイル(上記パスにあるjp1ajs_xxxx_0700.confファイル)を,JP1/AJS3 - Managerのプロセス構成に自動更新します。JP1/AJS2 - Managerで,HP NNM連携やキューレスジョブ実行環境の設定をしていた場合は,バージョンアップおよびセットアップ後に,プロセス管理定義ファイル,および拡張起動プロセス定義ファイルの設定が引き継がれているか確認してください。引き継がれていない場合は,再度設定してください。また,異常終了したJP1/AJS2のプロセスを再起動する設定などのカスタマイズをしていた場合,JP1/AJS3 - Managerの再起動設定はデフォルト値に設定されます。再起動設定をしない,または再起動回数をデフォルト値以外で使用する場合は,バージョンアップおよびセットアップ後に,再度カスタマイズしてください。
(b) JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentをバージョンアップインストールする場合
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JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerにバージョンアップインストールすると,JP1/AJS2サービスとJP1/AJS2 Monitorサービスは削除され,JP1/AJS3サービスに統合されます。JP1/AJS2 - AgentからJP1/AJS3 - Agentにバージョンアップインストールすると,JP1/AJS2サービスはJP1/AJS3サービスになります。
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JP1/AJS3は,JP1/AJS2 - Configurationとは連携できません。バージョン8のJP1/AJS2にJP1/AJS3をバージョンアップインストールすると,JP1/AJS2 Configuration Agentがアンセットアップされます。
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JP1/AJS3は,JP1/AJS2 - Datareplicatorとは連携できません。JP1/AJS3をバージョンアップインストールする前にJP1/AJS2 - Datareplicatorをアンインストールしておいてください。JP1/AJS2 - Datareplicatorがインストールされている環境にはJP1/AJS3をバージョンアップインストールできません。
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JP1/AJS3をインストールするホストで動作している次のサービス,およびプロセスをすべて停止してからインストールしてください。
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JP1/AJS3またはJP1/AJS2
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JP1/AJS3またはJP1/AJS2を前提とする製品
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JP1/AJS3またはJP1/AJS2と連携する製品
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インストールが完了するまで次の処理が実行されないようにしてください。
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JP1/AJS3またはJP1/AJS2と連携して動作する製品の処理要求
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JP1/AJS3またはJP1/AJS2の機能やコマンドを実行する処理
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必要に応じて,定義ファイルをバックアップしてから製品をバージョンアップすることを推奨します。バックアップの対象については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 5.2.2 バックアップ対象と時期」を参照してください。
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JP1/AJS3 - Managerをバージョン10-00より前のバージョンから10-00以降にバージョンアップインストールする場合,組み込みDBをバージョン10-00以降の方式に移行する必要があります。組み込みDBを移行する手順については,「3.6.1 組み込みDBの管理機能を強化するための設定」を参照してください。
(c) JP1/AJS3 - Viewを使用している場合
JP1/AJS3 - View画面を閉じてからインストールしてください。
(d) JP1/AJS3 - Web Consoleをバージョンアップインストールする場合
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使用しているWebブラウザーのキャッシュを削除してください。
削除しない場合,Webブラウザーが以前のバージョンのキャッシュを参照し,バージョンアップ後の内容が適用されないことがあります。
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JP1/AJS3 - Web Consoleをバージョン13-00より前のバージョンから13-00以降にバージョンアップインストールする場合,JP1/AJS3 - Web Consoleで環境設定ファイルが変更されています。詳細は,「3.4.11 JP1/AJS3 - Web Consoleのバージョンアップ時に必要なセットアップ」を参照してください。
(e) IPv6アドレスで通信する場合
JP1/BaseまたはJP1/AJS3をバージョン9以前からバージョン10以降にバージョンアップして,かつIPv6アドレスで通信する場合は,IPv6アドレスで通信するための設定が必要です。
詳細については,「3.5.3 IPv6アドレスで通信するための設定」を参照してください。
(3) JP1/NETM/DMを使ったリモートインストール(ソフトウェアの配布)
JP1/AJS3は,JP1/NETM/DMを使ったリモートインストールに対応しています。
JP1/AJS3の場合,次に示すインストールに対応しています。
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新規インストール
インストール対象ホストにJP1/AJS3を新規にインストールできます。
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バージョンアップインストール
インストール対象ホストのJP1/AJS3またはJP1/AJS2をバージョンアップできます。ただし,JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerにバージョンアップした場合,別途,各ホストでのセットアップ作業が必要です。
JP1/NETM/DMを使った実際のリモートインストール方法については,マニュアル「JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)」,またはマニュアル「JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)」を参照してください。
JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerにバージョンアップした場合のセットアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 8.5 JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerへのバージョンアップ」を参照してください。
(4) JP1/AJS2 - ManagerにJP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールする場合
JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerへのバージョンアップ後は,ディスク使用量やメモリー使用量が増加するため,バージョンアップする前に適切な見積もりをしてください。また,JP1/AJS2 - ManagerにJP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールした場合,そのあとに実施するセットアップ作業が完了するまで,JP1/AJS3 - Managerでの運用はできません。セットアップ作業には,データ量などに応じた時間が必要なため,計画的にバージョンアップインストールおよびセットアップ作業を実施してください。JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerにバージョンアップした場合のセットアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 8.5 JP1/AJS2 - ManagerからJP1/AJS3 - Managerへのバージョンアップ」を参照してください。