3.6.1 組み込みDBの管理機能を強化するための設定
JP1/AJS3 - Managerのバージョン10-00以降では,組み込みDBの管理機能が強化されています。それに伴い,次の点が変更になっています。
変更点 |
JP1/AJS3 - Managerのバージョン |
|
---|---|---|
10-00より前 |
10-00以降 |
|
JP1/AJS3 Databaseサービスの起動方法のデフォルト値 |
自動 |
手動 |
JP1/AJS3 Database ClusterServiceサービス |
作成される |
作成されない |
バージョン10-00より前のJP1/AJS3 - Managerで構築した組み込みDBで管理機能を強化するためには,設定が必要です。この設定を実施しないで,組み込みDBの管理機能を強化しない場合でも,ajsembdbinstlコマンドで組み込みDBをインストールしたり,論理ホストを新規に構築または再構築したりする際は,設定が必要です。
それぞれの設定手順について説明します。
(1) 組み込みDBの管理機能を強化するための設定手順
JP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールしたあと,構築したすべてのホストに対して,次の手順を実施してください。
-
ajsembdbinstlコマンドを実行して,組み込みDBを上書きインストールする。
ajsembdbinstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbinstl」を参照してください。
-
組み込みDBのシステム共通定義ファイルの設定値を変更する。
次のファイルをメモ帳などのテキストエディターで開き,設定値を変更します。
- システム共通定義ファイル
-
組み込みDB運用ディレクトリ\conf\pdsys
- <変更前>
-
set pd_mode_conf = AUTO※
- <変更後>
-
set pd_mode_conf = MANUAL2
- 注※
-
論理ホスト環境では,変更前の値は「MANUAL1」です。
システム共通定義ファイルの設定値が「AUTO」または「MANUAL1」になっている場合は,「MANUAL2」に変更してください。
-
DB管理用のJP1/AJS3用起動プロセス定義ファイルおよびJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルに,モデルファイルを上書きコピーする。
次に示すファイルを,それぞれのモデルファイルで上書きコピーします。
ファイルの種類
ファイル名
モデルファイル
JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル(DB管理)
- 物理ホストの場合
-
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd.conf
- 論理ホストの場合
-
共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_dbmd.conf
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd.conf.model
JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)
- 物理ホストの場合
-
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf
- 論理ホストの場合
-
共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf.model
-
システム管理用のJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルの設定値を変更する。
次に示すファイルをメモ帳などのテキストエディターで開き,「変更前」で示す行の下線部分を変更します。
- JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)
-
・物理ホストの場合
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_service_0700.conf
・論理ホストの場合
共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_service_0700.conf
- <変更前>
-
jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||0|3|3|21600|0|2||1|||||||
- <変更後>
-
jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||1|3|3|21600|0|2||1|||||||
(2) 組み込みDBの管理機能を強化しない場合に必要な設定手順
構築した環境を変更することが難しいなどの理由で組み込みDBの管理機能を強化しない場合,ajsembdbinstlコマンドで組み込みDBをインストールしたり,論理ホストを新規に構築または再構築したりする際に,次に示す操作が必要です。
(a) ajsembdbinstlコマンドで組み込みDBをインストールする場合に必要な設定手順
ajsembdbinstlコマンドで組み込みDBを新規インストール,またはバージョンアップインストールする場合,次の手順を実施してください。
-
ajsembdbinstlコマンドに-v9standardオプションを指定して実行する。
ajsembdbinstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbinstl」を参照してください。
(b) 論理ホストを新規に構築または再構築する場合に必要な設定手順
論理ホストを新規に構築または再構築する場合,論理ホスト環境のセットアップ後に,次の手順を実施してください。
-
DB管理用のJP1/AJS3用起動プロセス定義ファイルおよびJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルに,モデルファイルを上書きコピーする。
次に示すファイルを,それぞれのモデルファイルで上書きコピーします。
ファイルの種類
ファイル名
モデルファイル
JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル(DB管理)
共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_dbmd.conf
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd.conf.v9standard.model
JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)
共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf.v9standard.cluster.model
-
システム管理用のJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルの設定値を変更する。
次に示すファイルをメモ帳などのテキストエディターで開き,「変更前」で示す行の下線部分を変更します。
- JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)
-
共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_service_0700.conf
- <変更前>
-
jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||1|3|3|21600|0|2||1|||||||
- <変更後>
-
jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||0|3|3|21600|0|2||1|||||||