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JP1 Version 13 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


3.6.1 組み込みDBの管理機能を強化するための設定

JP1/AJS3 - Managerのバージョン10-00以降では,組み込みDBの管理機能が強化されています。それに伴い,次の点が変更になっています。

表3‒17 組み込みDB管理機能強化による変更点

変更点

JP1/AJS3 - Managerのバージョン

10-00より前

10-00以降

JP1/AJS3 Databaseサービスの起動方法のデフォルト値

自動

手動

JP1/AJS3 Database ClusterServiceサービス

作成される

作成されない

バージョン10-00より前のJP1/AJS3 - Managerで構築した組み込みDBで管理機能を強化するためには,設定が必要です。この設定を実施しないで,組み込みDBの管理機能を強化しない場合でも,ajsembdbinstlコマンドで組み込みDBをインストールしたり,論理ホストを新規に構築または再構築したりする際は,設定が必要です。

それぞれの設定手順について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 組み込みDBの管理機能を強化するための設定手順

JP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールしたあと,構築したすべてのホストに対して,次の手順を実施してください。

  1. ajsembdbinstlコマンドを実行して,組み込みDBを上書きインストールする。

    ajsembdbinstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbinstl」を参照してください。

  2. 組み込みDBのシステム共通定義ファイルの設定値を変更する。

    次のファイルをメモ帳などのテキストエディターで開き,設定値を変更します。

    システム共通定義ファイル

    組み込みDB運用ディレクトリ\conf\pdsys

    <変更前>

    set pd_mode_conf = AUTO

    <変更後>

    set pd_mode_conf = MANUAL2

    注※

    論理ホスト環境では,変更前の値は「MANUAL1」です。

    システム共通定義ファイルの設定値が「AUTO」または「MANUAL1」になっている場合は,「MANUAL2」に変更してください。

  3. DB管理用のJP1/AJS3用起動プロセス定義ファイルおよびJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルに,モデルファイルを上書きコピーする。

    次に示すファイルを,それぞれのモデルファイルで上書きコピーします。

    ファイルの種類

    ファイル名

    モデルファイル

    JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    物理ホストの場合

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd.conf

    論理ホストの場合

    共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_dbmd.conf

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd.conf.model

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    物理ホストの場合

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf

    論理ホストの場合

    共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf.model

  4. システム管理用のJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルの設定値を変更する。

    次に示すファイルをメモ帳などのテキストエディターで開き,「変更前」で示す行の下線部分を変更します。

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)

    ・物理ホストの場合

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_service_0700.conf

    ・論理ホストの場合

    共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_service_0700.conf

    <変更前>

    jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||0|3|3|21600|0|2||1|||||||

    <変更後>

    jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||1|3|3|21600|0|2||1|||||||

(2) 組み込みDBの管理機能を強化しない場合に必要な設定手順

構築した環境を変更することが難しいなどの理由で組み込みDBの管理機能を強化しない場合,ajsembdbinstlコマンドで組み込みDBをインストールしたり,論理ホストを新規に構築または再構築したりする際に,次に示す操作が必要です。

(a) ajsembdbinstlコマンドで組み込みDBをインストールする場合に必要な設定手順

ajsembdbinstlコマンドで組み込みDBを新規インストール,またはバージョンアップインストールする場合,次の手順を実施してください。

  1. ajsembdbinstlコマンドに-v9standardオプションを指定して実行する。

    ajsembdbinstlコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbinstl」を参照してください。

(b) 論理ホストを新規に構築または再構築する場合に必要な設定手順

論理ホストを新規に構築または再構築する場合,論理ホスト環境のセットアップ後に,次の手順を実施してください。

  1. DB管理用のJP1/AJS3用起動プロセス定義ファイルおよびJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルに,モデルファイルを上書きコピーする。

    次に示すファイルを,それぞれのモデルファイルで上書きコピーします。

    ファイルの種類

    ファイル名

    モデルファイル

    JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_dbmd.conf

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd.conf.v9standard.model

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(DB管理)

    共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf

    JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf\jp1ajs_dbmd_0700.conf.v9standard.cluster.model

  2. システム管理用のJP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイルの設定値を変更する。

    次に示すファイルをメモ帳などのテキストエディターで開き,「変更前」で示す行の下線部分を変更します。

    JP1/AJS3用拡張起動プロセス定義ファイル(システム管理)

    共有フォルダ\jp1ajs2\conf\jp1ajs_service_0700.conf

    <変更前>

    jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||1|3|3|21600|0|2||1|||||||

    <変更後>

    jajs_dbmd|jajs_dbmd.exe||0|3|3|21600|0|2||1|||||||