3.5.3 IPv6アドレスで通信するための設定
IPv6アドレスで通信するための設定手順について説明します。
なお,IPv6アドレスの通信は,Windows Server 2022,Windows Server 2019,およびWindows Server 2016だけサポートしています。
(1) IPv6アドレスで通信するためのJP1/Baseの設定手順
(a) jp1hosts2ファイルの設定
IPv6アドレスで通信する場合は,jp1hosts2の設定が必要です。jp1hosts2情報を定義すると,jp1hosts情報の定義は無効になります。そのため,JP1/Baseをバージョン09-50以前からバージョン10-00以降にバージョンアップインストールする場合は,バージョン09-50以前で使用していたjp1hostsの定義情報をjp1hosts2に移行する必要があります。IPv4アドレスで通信する場合は,必要ありません。
設定を元に戻したい場合は,jp1hosts2からjp1hostsに設定を切り戻すことができます。
jp1hosts2の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
(b) ANYバインドアドレスの設定
受信時の通信方式がANYバインド方式の場合は,次に説明する設定が必要です。JP1/AJS3新規インストール時の通信設定は,受信時の通信方式がANYバインド方式になっています。なお,論理ホストをセットアップした場合は,受信時の通信方式がIPバインド方式になるため,この設定の変更は不要です。
使用するANYバインドアドレスのプロトコル種別を,「IPv4のみ」,「IPv6のみ」,「IPv4/IPv6両方」のどれかに設定する必要があります。受信に使用するANYバインドアドレスのプロトコル種別と,送信側が名前解決をして得られるIPアドレスのプロトコル種別が同じになるように設定してください。ノード間でプロトコル種別が異なる場合は通信できません。デフォルトは,IPv4のANYバインドアドレスだけを使用する設定になっています。
受信時の通信方式については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.3.3 複数LAN接続」を参照してください。
ANYバインドアドレスの設定については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
(2) IPv6アドレスで通信するためのJP1/AJS3 - Managerの設定手順
IPv6アドレスで通信する場合に,JP1/AJS3 - Managerをバージョン09-50以前からバージョン10-00以降にバージョンアップインストールしたときは,インストール後に組み込みDBの再構築が必要になります。IPv4アドレスで通信する場合や,JP1/AJS3を新規インストールした場合は,必要ありません。
組み込みDBを再構築する手順について説明します。
(a) 物理ホストの場合
物理ホストの組み込みDBを再構築する手順について説明します。
- 注意事項
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次に説明する手順を実施すると,ジョブの実行結果情報などは削除されます。
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再構築する組み込みDBに格納されているスケジューラーサービスを確認する。
組み込みDBに格納されているスケジューラーサービスは,ajsembdbidlistコマンドで確認できます。ajsembdbidlistコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
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組み込みDBに格納されているスケジューラーサービスのユニット定義情報をバックアップする。
ユニット定義情報のバックアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.2.3(4) ユニット定義のバックアップ」を参照してください。
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Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止する。
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JP1/AJS3サービス
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ajsembdbunsetコマンドを実行して,組み込みDBをアンセットアップする。
ajsembdbunsetコマンドの実行例を次に示します。
ajsembdbunset -e -id _JF1
ajsembdbunsetコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbunset」を参照してください。
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ajsembdbbuildコマンドを実行して,組み込みDBを構築する。
ajsembdbbuildコマンドの実行例を次に示します。
ajsembdbbuild -s -d "D:\products\jp1ajs2\embdb\_JF1" -p 22221 -i "C:\Program Files\HITACHI\jp1ajs2\embdb\_JF1" -id _JF1 -ext_db -ext_log
ajsembdbbuildコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbbuild」を参照してください。
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ajsembdbsetupコマンドを実行して,組み込みDBをセットアップする。
ajsembdbsetupコマンドの実行例を次に示します。
ajsembdbsetup -ru s -F AJSROOT4 -p 22221 -tp AJS4 -id _JF1
ajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbsetup」を参照してください。
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Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを起動する。
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JP1/AJS3サービス
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手順2でバックアップしたユニット定義情報をリカバリーする。
ユニット定義情報のリカバリー方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.3.4(9) ユニット定義のリカバリー」を参照してください。
(b) 論理ホストの場合
論理ホストの組み込みDBを再構築する手順について説明します。ここでは,共有ディスクおよび論理IPアドレスは実行系ホストに割り当たっているものとします。
- 注意事項
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次に説明する手順を実施すると,ジョブの実行結果情報などは削除されます。
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再構築する組み込みDBに格納されているスケジューラーサービスを確認する。
組み込みDBに格納されているスケジューラーサービスは,ajsembdbidlistコマンドで確認できます。ajsembdbidlistコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
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組み込みDBに格納されているスケジューラーサービスのユニット定義情報をバックアップする。
ユニット定義情報のバックアップ方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.2.3(4) ユニット定義のバックアップ」を参照してください。
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実行系ホストでWindowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止する。
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再構築する組み込みDBが属する論理ホストのJP1/AJS3サービス
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実行系ホストでajsembdbunsetコマンドを実行して,実行系ホストの組み込みDBをアンセットアップする。
ajsembdbunsetコマンドの実行例を次に示します。
ajsembdbunset -e -id _JFA
ajsembdbunsetコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbunset」を参照してください。
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待機系ホストでajsembdbunsetコマンドを実行して,待機系ホストの組み込みDBをアンセットアップする。
ajsembdbunsetコマンドの実行例を次に示します。
ajsembdbunset -e -id _JFA
ajsembdbunsetコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbunset」を参照してください。
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実行系ホストでajsembdbbuildコマンドを実行して,実行系ホストの組み込みDBを構築する。
ajsembdbbuildコマンドの実行例を次に示します。
ajsembdbbuild -s -r -d "D:\products\jp1ajs2\embdb\_JFA" -ld "C:\Program Files\HITACHI\jp1ajs2\embdb\_JFA" -mh lhost -eh 実行系物理ホスト名 -p 22230 -i "C:\Program Files\HITACHI\jp1ajs2\embdb\_JFA" -id _JFA -ext_db -ext_log
ajsembdbbuildコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbbuild」を参照してください。
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実行系ホストでajsembdbsetupコマンドを実行して,実行系ホストの組み込みDBをセットアップする。
ajsembdbsetupコマンドの実行例を次に示します。
ajsembdbsetup -mh lhost -F AJSROOT10 -p 22230 -tp AJS1 -id _JFA -ru s
ajsembdbsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbsetup」を参照してください。
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実行系ホストでjbsgetcnfコマンドを実行して,実行系ホストの環境設定パラメーターをバックアップする。
次に示すコマンドを実行します。
jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > バックアップファイル名
詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
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待機系ホストでajsembdbbuildコマンドを実行して,待機系ホストの組み込みDBを構築する。
ajsembdbbuildコマンドの実行例を次に示します。
ajsembdbbuild -s -f -d "D:\products\jp1ajs2\embdb\_JFA" -ld "C:\Program Files\HITACHI\jp1ajs2\embdb\_JFA" -mh lhost -eh 実行系物理ホスト名 -p 22230 -i "C:\Program Files\HITACHI\jp1ajs2\embdb\_JFA" -id _JFA -ext_db -ext_log
ajsembdbbuildコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2. セットアップコマンド ajsembdbbuild」を参照してください。
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待機系ホストでjbssetcnfコマンドを実行して,手順8でバックアップした環境設定パラメーターを待機系ホストに設定する。
次に示すコマンドを実行します。
jbssetcnf バックアップファイル名
詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
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実行系ホストでajsembdbstopコマンドを実行して,実行系ホストの組み込みDBを停止する。
ajsembdbstopコマンドの実行例を次に示します。
ajsembdbstop -id _JFA
ajsembdbstopコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsembdbstop」を参照してください。
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実行系ホストでWindowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを起動する。
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再構築する組み込みDBが属する論理ホストのJP1/AJS3サービス
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手順2でバックアップしたユニット定義情報をリカバリーする。
ユニット定義情報のリカバリー方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 2.3.4(9) ユニット定義のリカバリー」を参照してください。