付録G.54 nnmsnmpwalk.ovpl, nnmsnmpget.ovpl, nnmsnmpnext.ovpl
SNMP GETリクエストまたはSNMP GETNEXTリクエストを使用してノードについて問い合わせを行います。
SYNOPSIS
nnmsnmpwalk.ovpl -u username -p password [options] node object-id
nnmsnmpget.ovpl -u username -p password [options] node object-id [object-id]...
nnmsnmpnext.ovpl -u username -p password [options] node object-id [object-id]...
options: [-d] [-v version] [-c community] [-port port(default:161)] [-t timeout(default:5000)] [-r retries(default:1)] [-T] [-pp Proxy Port] [-pa Proxy Address] [-a Authentication Protocol] [-A Authentication Pass phrase] [-x Privacy Protocol] [-X Privacy Passphrase] [-N Context Name] [-oen OID and Output Encoding] [-oex OIDs that are not encoded] [-v3u SNMPv3 user name]
DESCRIPTION
nnmsnmpwalk.ovplコマンドは,SNMP GETNEXTリクエストを繰り返し発行し,nodeで登録されているMIBオブジェクトのすべてのインスタンスの値を取得します。nnmsnmpwalk.ovplコマンドは,-vオプションの値およびリモートノードのタイプに基づき,SNMP Version1またはCommunity対応のSNMP Version2(SNMPv2c)またはversion3のいずれを使用するかを自動的に決定します。変数を指定しなかった場合,nnmsnmpwalk.ovplコマンドは,object.iso.orgの下にあるすべての値を取得します。その他の場合,検索対象のオブジェクト識別子空間の開始点が変数の値で決定されます。指定変数下のオブジェクト情報がすべて返ってきたとき, nnmsnmpwalk.ovplが終了します。例えば,システムグループ全体を検索するには.1.3.6.1.2.1.1 を使用します。
nnmsnmpget.ovplコマンドは,SNMP Getリクエストを使用してnodeについての情報を照会します。
一般に,SNMPインスタンス番号を追加する必要があります(例えば,system.sysDescr.0値の取得には.1.3.6.1.2.1.1.1.0を使用します)。
nnmsnmpnext.ovplコマンドはnnmsnmpwalk.ovplコマンドと同様の動作をしますが,nnmsnmpnext.ovplコマンドが単一の値のみを返す点が異なります。
nodeは,IPアドレスを持つSNMPをサポートしているシステム,またはSNMPプロキシ構成を定義するターゲット名です。IPアドレスまたはホスト名により指定できます。
コマンドに対する引数として,単数または複数の変数を指定することができます。各変数は,オブジェクト識別子を10進ドット形式またはニモニック名で表したものです。ニモニック名で指定した場合,オブジェクト識別子を定義するMIBはnnmloadmib.ovplコマンドを使用してロードする必要があります。
nnmsnmpwalk.ovplまたはnnmsnmpnext.ovplでリモートノードのMIBを超えて検索すると,「MIBビューの終了。」というメッセージが返ってきます。
このコマンドを実行できるのは,ロールがSystem,管理者,またはWebサービス クライアントのユーザーに限定されます。ロールがレベル1オペレータ,レベル2オペレータ,またはゲストのユーザーは,このコマンドを実行することができません。
Parameters
- -d
-
SNMPパケットを16進数形式とASN.1形式で標準出力にダンプします。
- -v version
-
リモートノードとの通信に使用する SNMP のバージョンを指定します。versionに有効な値は,1,2cまたは3です。
-
このトポロジに存在しないノードで,値が指定されていない場合,デフォルトは2cになります。
- -c community
-
リモートノード上で認証に使用するコミュニティ文字列を指定します。
-
注記:シェルに影響する文字がコミュニティ文字列に含まれている場合は,必要に応じて一つ以上のエスケープ文字または引用符を使用してください。
- -port port
-
リモートノードと通信するときに使用するポートを指定します。
- -t timeout
-
リモートノードと通信するときに使用するタイムアウト期間をミリ秒単位で指定します。
- -r retries
-
リモートノードと通信するときに使用するリトライ数を指定します。
- -T
-
10進ドット形式のOIDおよびテキスト形式の規定が適用されていないMIB変数値を出力します。
- -pp Proxy Port
-
ノードと通信するときに使用するプロキシポートを指定します。
- -pa Proxy Address
-
ノードと通信するときに使用するプロキシIPアドレスを指定します。
- -a Authentication Protocol
-
SNMPv3認証プロトコル(MD5|SHA|SHA224|SHA256|SHA384|SHA512)
- -A Authentication Passphrase
-
SNMPv3認証パスフレーズ
- -x Privacy Protocol
-
SNMPv3プライバシプロトコル(DES|3DES|AES|AES192|AES256)
- -X Privacy Passphrase
-
SNMPv3プライバシパスフレーズ
- -N Context Name
-
SNMPv3コンテキスト名 (例えばvlan1)
- -oen <OID> : <encoding>
-
OIDおよび出力エンコード
-
収集されたMIBのオクテット文字列のエンコードされた文字列が,そのオクテット文字列が提供されたとおりにエンコードされた場合にのみ,出力に示されます。 オクテット文字列が指定されたエンコーディングでエンコードされない場合,コマンドは16進数の文字列を示します。
- -oex <OID1,OID2,...>
-
エンコードされていないOID
-
エンコード対象から除外されたOIDを指定します。このオプションで指定されたOIDはエンコードされず,16進数として出力されます。
- -v3u SNMPv3 user name
-
SNMPv3ユーザー名(例えば testV3user)
- -u <username>
-
コマンドの実行に必要なNNMiの管理者名を指定します。nnm.propertiesファイルが存在していない限り,これが必要になります。詳細はnnm.propertiesリファレンスページを参照してください。
- -p <password>
-
コマンドの実行に必要なNNMiの管理者パスワードを指定します。nnm.propertiesファイルが存在していない限り,これが必要になります。詳細はnnm.propertiesリファレンスページを参照してください。
nnmsnmpget.ovpl,nnmsnmpnext.ovpl,およびnnmsnmpwalk.ovplコマンドは,応答が受信されなかった場合に,線形のバックオフアルゴリズムを使用し,timeoutとretriesに基づいてSNMPリクエストを再送信します。例えば,timeoutが2000(2秒)で retriesが 3の場合,初期リクエストは2秒後にタイムアウトし,最初のリトライは4秒後にタイムアウトし,2番目のリトライは6秒後にタイムアウトし,最後のリトライは8秒後にタイムアウトします。設定を解決するには,さらに時間が必要になることもあります。
EXAMPLES
次のコマンドで,testnodeに対するシステムサブツリーを要求します。
nnmsnmpwalk.ovpl -c community testnode system
- 通常,上記コマンドの出力は下記のとおりです。
-
sysDescr.0 : OCTET STRING- (ascii): Ethernet Switch 470-24T-PWR sysObjectID.0 : OBJECT IDENTIFIER: .1.3.6.1.4.1.45.3.63.1 sysUpTime.0 : Timeticks: (2975913) 8:15:59.13 sysContact.0 : OCTET STRING- (ascii): Bob Jones 933-558-3453 sysName.0 : OCTET STRING- (ascii): wr3-2-front-storage-n91-60-2 sysLocation.0 : OCTET STRING- (ascii): Woods Run 3 2nd floor sysServices.0 : INTEGER: 3
以下に,ノード192.168.50.1にオプション-oenと-oexを使用する例を示します。
nnmsnmpwalk.ovpl -v 2c -c public -oen .1.3.6.1.2.1.1.4:shift-jis 192.168.50.1 .1.3.6.1.2.1.1
収集されたMIBのオクテット文字列のShift-JISにエンコードされた文字列が,そのオクテット文字列が有効なShift-JISである場合にのみ,出力に示されます。 オクテット文字列が指定されたエンコーディングでエンコードされない場合,コマンドは16進数の文字列を示します。
nnmsnmpwalk.ovpl -v 2c -c public -oen .1.3.6.1.2.1.1.4:shift-jis -oex .1.3.6.1.2.1.1.4.0 192.168.50.1 .1.3.6.1.2.1.1
.1.3.6.1.2.1.1のMIBの戻り値と,1.3.6.1.2.1.1.4.0を除く1.3.6.1.2.1.1.4の子である 16進数の値をShift-JISでエンコードした文字列が出力に示されます。
AUTHOR
nnmsnmpwalk.ovpl, nnmsnmpget.ovpl, and nnmsnmpnext.ovpl were developed by Micro Focus.
FILES
- Windows:
-
%NNM_BIN%\nnmsnmpwalk.ovpl
-
%NNM_BIN%\nnmsnmpget.ovpl
-
%NNM_BIN%\nnmsnmpnext.ovpl
- Linux:
-
$NNM_BIN/nnmsnmpwalk.ovpl
-
$NNM_BIN/nnmsnmpget.ovpl
-
$NNM_BIN/nnmsnmpnext.ovpl
ユーザーのプラットフォームおよびシェルに対する一般的なパスの詳細は,付録F.1 nnm.envvarsのリファレンスページを参照してください。
SEE ALSO
nnmsnmpset.ovpl, nnmsnmpbulk.ovpl, nnmsnmpnotify.ovpl.
RFC 1155, 1157, 1212: SNMP Version 1.
RFC 1901 - 1908, 2576, 2578, 3416 - 3418: SNMP Version 2.
RFC 3411 - 3415: SNMP Version 3.
EXTERNAL INFLUENCES
Environmental Variables
$LANGは,メッセージを表示するときの言語を決定します。$LANGが指定されていない場合,または空の文字列に設定された場合,$LANGではなくCがデフォルトに使用されます。国際化変数のどれかに無効な設定値がある場合,nnmsnmpget.ovpl,nnmsnmpnext.ovplおよび nnmsnmpwalk.ovplは,国際化変数のすべてがCに設定されているように処理します。
International Code Set Support
シングルバイトまたはマルチバイトの文字コードセットをサポートします。
注記:タイプDISPLAY STRINGのSNMP MIB値はVT-ASCIIに限定されています。