5.5.46 仮想サーバへの仮想ディスク追加
機能
VMware vSphere環境で,仮想サーバに仮想ディスクを追加します。
追加した仮想ディスクは,次のどちらかの方法でSCSIコントローラに接続します。
・既存のSCSIコントローラに接続する
SCSIコントローラの追加要否(VMware.createScsiControllerプロパティ)にfalseを指定した場合,既存のSCSIコントローラに接続します。
仮想ディスクを接続するSCSIコントローラを指定するときは,SCSIコントローラ名(VMware.attachedScsiControllerNameプロパティ)を指定してください。
SCSIコントローラ名の指定を省略した場合,任意のSCSIコントローラに仮想ディスクを接続します。
・新規にSCSIコントローラを追加し,追加したSCSIコントローラに接続する
SCSIコントローラの追加要否(VMware.createScsiControllerプロパティ)にtrueを指定した場合,新規にSCSIコントローラを追加し,追加したSCSIコントローラに接続します。
この場合,次のプロパティをどちらも指定してください。
- SCSIバスの共有(VMware.scsiBusSharingModeプロパティ)
- SCSIコントローラタイプ(VMware.scsiControllerTypeプロパティ)
この部品が前提とするサーバを次に示します。
・vCenterサーバ
VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。
・vCenter操作サーバ(実行対象サーバ)
VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。JP1/AOによってこのサーバに部品が転送され,実行されます。
・仮想サーバ
vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXiによって管理されている仮想サーバです。
・データストア名(VMware.dataStoreNameプロパティ)について次に示します。
仮想ディスクを作成するデータストアの名称を指定します。
RDMディスクを作成する場合は,マッピングファイルの格納先データストアを指定します。
・仮想ディスクの容量(VMware.vHardDiskCapacityプロパティ)について次に示します。
作成する仮想ディスクの容量(単位:GB)を指定します。仮想ディスクの種別がFlatの場合,必ず指定してください。
RDMディスクを作成する場合は,このプロパティを指定する必要はありません。
・仮想ディスクの種別(VMware.vHardDiskTypeプロパティ)について次に示します。
作成する仮想ディスクの種別をRawVirtual,RawPhysical,Flatのどれかで指定します。指定を省略した場合,仮想ディスクの種別はFlatになります。
RDMディスクを仮想モードで接続する場合はRawVirtualを,RDMディスクを物理モードで接続する場合はRawPhysicalを,仮想ディスクを接続する場合はFlatを指定してください。
利用場面
仮想サーバの新規構築時やディスク増設時など,仮想サーバにデータディスクを追加する場合に使用できます。
前提条件
【実行対象システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
また、OSおよび製品について略称を用いています。対象とするOSおよび製品については「はじめに」を参照してください。
【実行対象システム内前提製品】
(1)vCenterサーバの前提製品
・VMware vCenter Server
(2)仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi
(3)仮想サーバの前提OS
vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。
・Windows Server
・Red Hat Enterprise Linux Server
【実行対象システム内前提製品の使用条件】
(1)仮想ディスクの追加対象となる仮想サーバの電源がOFFになっていること。
(2)VMware vSphere ESXiがVMware vCenter Serverで管理されていること。
(3)仮想サーバ名はvCenterサーバ内で一意になっていること。
(4)対象となる仮想サーバに,VMwareToolsがインストールされていること。
【実行対象サーバ内前提製品】
・VMware PowerCLI
【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】
・Windows Server
注意事項
(1)この部品のプロパティには「"」(ダブルクォーテーション)および「'」(シングルクォーテーション)を含む文字列は指定しないでください。
(2)仮想サーバに追加した仮想ディスクの初期化は行いません。必要に応じて仮想サーバのOSにログインし,ディスクの初期化を実行してください。
(3)SCSIコントローラの追加要否(VMware.createScsiControllerプロパティ)にtrueを指定した場合,SCSIバスの共有(VMware.scsiBusSharingModeプロパティ)とSCSIコントローラタイプ(VMware.scsiControllerTypeプロパティ)を両方とも指定してください。どれか1つでも指定しない場合,この部品は異常終了します。
(4)SCSIコントローラの追加要否(VMware.createScsiControllerプロパティ)にtrueを指定し,戻り値27で部品が異常終了した場合,任意のSCSIコントローラに接続された仮想ディスクが作成されているおそれがあります。その場合,タスクログのエラーメッセージに従い原因を取り除いたあと,仮想ディスクを削除し,再度部品を実行してください。なお,仮想ディスクの削除が必要な場合は,タスクログにKNAE06478-Eのメッセージが出力されます。
(5)この部品を同一の仮想サーバに対し,複数同時に実行しないでください。同時に実行した場合,この部品は異常終了するか,仮想ディスク名(VMware.createdVHardDiskNameプロパティ),SCSIコントローラ名(VMware.connectedScsiConNameプロパティ)に不正な値が格納されるおそれがあります。
実行権限
(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。
対象とする仮想サーバに対して「新規ディスクの追加/既存ディスクの追加」の権限を持つロール,またはシステム管理者ロール
バージョン
02.11.00
部品のタグ
Modify VM,VMware vSphere
タスクログに表示される部品の名称
vsphereAddVDisk
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
正常 |
21 |
異常(環境不正) コマンドが見つからない(部品スクリプトでエラーを検知) |
23 |
異常(環境不正) 前提環境不正 |
27 |
異常(エラー内容はタスクログで確認) |
41 |
異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知) |
プロパティ一覧
プロパティ一覧を次の表に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
デフォルト値 |
入出力種別 |
必須区分 |
---|---|---|---|---|---|
VMware.vCenterServerName |
vCenterサーバ名 |
VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.userName |
VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名 |
VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.password |
VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード |
VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.portNumber |
VMware vCenter Server接続用ポート番号 |
VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。 |
443 |
入力 |
△ |
VMware.protocol |
VMware vCenter Server接続用プロトコル |
VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。 |
https |
入力 |
○ |
VMware.vmName |
仮想サーバ名 |
仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.dataStoreName |
データストア名 |
データストアの名称を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.vHardDiskCapacity |
仮想ディスクの容量 |
作成する仮想ディスクの容量(単位:GB)を整数値で指定します。 |
− |
入力 |
△ |
VMware.vHardDiskType |
仮想ディスクの種別 |
作成する仮想ディスクの種別をRawVirtual, RawPhysical, Flatのどれかで指定します。 |
− |
入力 |
△ |
VMware.deviceName |
LUNのデバイス名 |
仮想ディスクを作成するLUNのデバイス名を指定します。仮想ディスクの種別でRawVirtualまたはRawPhysicalを選択した場合だけ指定します(例:/vmfs/devices/disks/naa.XXX)。 |
− |
入力 |
△ |
VMware.vDiskStorageFormat |
仮想ディスクのフォーマット種別 |
仮想ディスクのフォーマット種別を指定します。指定可能な値は,Thin,Thick,EagerZeroedThickです。仮想ディスクをシンプロビジョニングでフォーマットする場合はThinを,シックプロビジョニング(Lazy Zeroed)でフォーマットする場合はThickを,シックプロビジョニング(Eager Zeroed)でフォーマットする場合はEagerZeroedThickを指定してください。このプロパティは仮想ディスクの種別がFlatのときだけ指定してください。 |
− |
入力 |
△ |
VMware.attachedScsiControllerName |
SCSIコントローラ名 |
仮想ディスクを接続するSCSIコントローラ名を指定してください(例:SCSI コントローラ X)。省略した場合,仮想ディスクは任意のSCSIコントローラに接続されます。SCSIコントローラの追加要否にtrueを指定する場合,このプロパティの指定は無視されます。 |
− |
入力 |
△ |
VMware.createScsiController |
SCSIコントローラの追加要否 |
作成する仮想ディスクに対し,新規にSCSIコントローラを割り当てるか否かを指定します。新規にSCSIコントローラを追加する場合はtrueを,追加しない場合はfalseを指定してください。このプロパティを指定する場合は,SCSIバスの共有およびSCSIコントローラタイプも必ず併せて指定してください。 |
false |
入力 |
○ |
VMware.scsiBusSharingMode |
SCSIバスの共有 |
SCSIコントローラのバス共有方式を指定します。指定可能な値は,NoSharing,Virtual,Physicalです。SCSI接続されている仮想ディスクを仮想サーバ間で共有しない場合はNoSharingを,同じESXサーバ上の仮想サーバ間で共有する場合はVirtualを,すべてのESXサーバ上の仮想サーバ間で共有する場合はPhysicalを指定してください。 |
− |
入力 |
△ |
VMware.scsiControllerType |
SCSIコントローラタイプ |
SCSIコントローラのタイプを指定します。指定可能な値は,VirtualLsiLogicSAS,VirtualLsiLogic,ParaVirtual,VirtualBusLogicです。タイプを"LSI Logic SAS"にする場合はVirtualLsiLogicSASを,"LSI Logic パラレル"にする場合はVirtualLsiLogicを,"VMware 準仮想化"にする場合はParaVirtualを,"BusLogic パラレル"にする場合はVirtualBusLogicを指定してください。 |
− |
入力 |
△ |
plugin.destinationHost |
実行対象サーバのホスト名 |
この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
○ |
common.returnValue |
部品の戻り値 |
この部品の戻り値が格納されます。 |
− |
出力 |
△ |
VMware.createdVHardDiskName |
仮想ディスク名 |
新規に追加した仮想ディスクの名前が格納されます。 |
− |
出力 |
△ |
VMware.connectedScsiConName |
SCSIコントローラ名 |
新規に追加した仮想ディスクと接続するSCSIコントローラの名前が格納されます。 |
− |
出力 |
△ |