ログファイルトラップ起動定義ファイル
形式
START_OPT=[{SKIP}][<起動LANG>]監視名:jevlogstartコマンドオプション : START_OPT_CLS=[(クラスタID)][<起動LANG>]監視名:jevlogstartコマンドオプション : |
パラメーターの分類
- 必須パラメーター
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なし
- 選択パラメーター
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START_OPT
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START_OPT_CLS
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格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
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インストール先フォルダ\conf\event\
- UNIXの場合
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/etc/opt/jp1base/conf/event/
説明
次に示すときに起動または終了するログファイルトラップを設定するファイルです。
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ログファイルトラップ管理サービス(デーモン)が起動したとき
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jevlogstart(クラスタ運用限定)コマンドが実行されたとき
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jevlogstop(クラスタ運用限定)コマンドが実行されたとき
ログファイルトラップ起動定義ファイルは初期設定では提供されません。ユーザーが作成する場合と,IM構成管理による定義情報(プロファイル)として作成される場合があります。
ログファイルトラップ起動定義ファイルを使用してログファイルトラップを起動した場合,ログファイルトラップ起動実行結果ログに起動開始情報(KAVA3661-I)および起動結果情報(KAVA3662-I)が出力されます。また,パラメーターの指定に誤りがあった場合,警告メッセージが出力されて無効な指定となります。
ログファイルトラップ起動実行結果ログの出力先は,次のとおりです。
- Windowsの場合
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インストール先フォルダ\log\jevlog_start\jevlog_start{1|2|3}.log
- UNIXの場合
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/var/opt/jp1base/log/jevlog_start/jevlog_start{1|2|3}.log
ログファイルトラップ起動定義ファイルを使用してログファイルトラップを起動する時間にはタイムアウト時間を設けています。
タイムアウト時間を経過してもjevlogstartコマンドが終了しない場合,実行済みのjevlogstartコマンドは処理を継続しますが,ログファイルトラップ起動定義での起動は打ち切り,次のログファイルトラップの起動に処理を移します。
- 参考
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タイムアウトする要因として,ログファイルトラップの起動時にイベントサービスとの接続で時間が掛かることがあります。
タイムアウトになると,KAVA3662-Iメッセージ中の"Message="にjevlogstartコマンドの実行結果を出力しないため,最終的にログファイルトラップの起動に失敗してもわかりません。
イベントサービスとの接続処理が失敗してログファイルトラップが最終的に停止する場合がありますので,イベントサービスとの接続リトライ設定を推奨します。
定義の反映時期
次に示すときに設定が有効になります。
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ログファイルトラップ管理サービス(デーモン)が起動したとき
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jevlogstart(クラスタ運用限定)コマンドが実行されたとき
なお,jevlogstop(クラスタ運用限定)コマンドが実行されたときは,直前のjevlogstart(クラスタ運用限定)コマンド実行時に読み込んだログファイルトラップ起動定義ファイルの情報に基づいて,ログファイルトラップが終了されます。
記述内容
ログファイルトラップ起動定義ファイル(jevlog_start.conf)には,次に示す規則があります。
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行の先頭に#(0x23)を指定すると,その行はコメント行になります。
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1行に1パラメーターを定義します。
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1カラム目から入力します。
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パラメーターと値は「=」でつなぎます。パラメーターと「=」との間には空白を入れてもかまいませんが,「=」と値の間には空白を入れないでください。
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値の後ろ(値が複数ある場合は最後の値)と改行の間にはコメントを記入することはできません。空白以外は入れないでください。
- START_OPT=[{SKIP}][<起動LANG>]監視名:jevlogstartコマンドオプション
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ログファイルトラップ管理サービス(デーモン)起動時に起動するログファイルトラップおよび起動オプションを指定します。
このパラメーターは,START_OPT_CLSパラメーターと合わせて200件まで指定できます。START_OPTパラメーターとSTART_OPT_CLSパラメーターの指定の合計が200件を超える場合,201件目以降の指定は無効となります。
なお,このパラメーターで指定したログファイルトラップは,jevlogstart(クラスタ運用限定)コマンドおよびjevlogstop(クラスタ運用限定)コマンド実行時には,起動または終了対象になりません。
- {SKIP}
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START_OPTパラメーターでログファイルトラップの起動をスキップする場合に指定するオプションです。括弧{}で囲んで大文字で指定します。
{SKIP}を省略した場合は,起動対象になります。
IM構成管理のプロファイル管理機能でログファイルトラップの起動または停止操作をした場合に更新されるオプションで,起動時にこのオプションが定義から削除されて,停止時にはこのオプションが定義に付加されます。
- START_OPT_CLS=[(クラスタID)][<起動LANG>]監視名:jevlogstartコマンドオプション
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jevlogstart(クラスタ運用限定)コマンド実行時に起動し,jevlogstop(クラスタ運用限定)コマンド実行時に終了するログファイルトラップおよび起動オプションを指定します。このパラメーターは,クラスタ運用で共有ディスク上のログファイルを監視している場合に,フェールオーバー時にログファイルトラップをまとめて起動・終了するときに指定します。
このパラメーターは,START_OPTパラメーターと合わせて200件まで指定できます。START_OPTパラメーターとSTART_OPT_CLSパラメーターの指定の合計が200件を超える場合,201件目以降の指定は無効となります。
なお,このパラメーターで指定したログファイルトラップは,ログファイルトラップ管理サービス(デーモン)起動時には,起動対象になりません。
- <起動LANG>
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UNIXの場合,jevlogstartコマンド実行時の環境変数LANGの値を「< >」内に指定します。指定できるLANGの値については,「3.4.2 使用する言語種別を設定する(UNIXの場合)」の「表3-5 UNIXの文字コードおよび環境変数LANGの値」を参照してください。
LANGの値を省略した場合は,ログファイルトラップ管理デーモン起動時の環境変数LANGと同じ文字コードが仮定されます。
なお,この指定は,Windowsの場合は無効となります。指定した場合は,無視されます。
- 監視名
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ログファイルトラップの監視名を指定します。コロン「:」の前までが監視名と見なされます。
監視名は30バイト以内で指定してください。使用できる文字は,英数字,ハイフン,およびアンダーラインです。監視名の先頭の文字は,必ず英数字を指定してください。大文字,小文字は区別されます。
なお,監視名は重複しないように指定してください。
- jevlogstartコマンドオプション
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jevlogstartコマンドのオプションを指定します。ログファイルトラップ管理サービス(デーモン)起動時またはjevlogstart(クラスタ運用限定)コマンド実行時には,この指定と監視名の指定を基にjevlogstartコマンドが生成され,ログファイルトラップが起動されます。
指定できるオプションについては,「15. コマンド」の「jevlogstart」を参照してください。
Windowsのみ指定できる文字数に上限がありますので以下の計算式で計算してください。
16 + 「監視名」のバイト数 + 「jevlogstart コマンドオプション」のバイト数 <= 4096バイト
IM構成管理と連携する場合は,jevlogstartコマンドオプションにログファイルトラップ動作定義ファイル名(-fオプション)を必ず指定してください。
起動するログファイルトラップの監視名は,START_OPTパラメーターまたはSTART_OPT_CLSパラメーターの監視名に指定した値となります。このため,-aオプションを指定した場合は,無視されます。
また,jevlogstart(クラスタ運用限定)コマンドのオプション(-cluster)を指定した場合はパラメーター不正となり,定義が無効になります。
jevlogstartコマンド実行時のカレントディレクトリを次に示します。
- Windowsの場合
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インストール先フォルダ\COMMAND
- UNIXの場合
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/opt/jp1base/command
コマンドオプションでファイルパスの相対パス指定をする場合は,これらのパスを基準に指定してください。
- (クラスタID)
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クラスタIDを「()」内に指定します。クラスタIDとは,クラスタシステムを識別するためのID番号です。複数のクラスタシステムを運用している場合に,0〜99の範囲でユーザーが任意に指定します。
値は0〜99の10進数で指定します。クラスタIDを省略した場合は,0が仮定されます。
複数のクラスタシステムを運用している場合の定義方法
複数のクラスタシステムを運用している場合は,論理ホストに対応するクラスタIDを決定し,各論理ホストのフェールオーバー時に起動・終了するログファイルトラップを定義します。
複数のクラスタシステムを運用している場合の構成例を次に示します。
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この構成例の場合,論理ホスト1のクラスタIDは「0」です。また,論理ホスト1が出力するログを監視するログファイルトラップは「ログファイルトラップA」および「ログファイルトラップB」です。したがって,ログファイルトラップ起動定義ファイルには,クラスタID「0」のログファイルトラップとして,「ログファイルトラップA」および「ログファイルトラップB」の起動オプションを定義します。
同様に,論理ホスト2については,クラスタID「1」のログファイルトラップとして,「ログファイルトラップC」および「ログファイルトラップD」の起動オプションを定義します。
なお,クラスタソフトには,論理ホスト1,論理ホスト2のフェールオーバー時にそれぞれ次のコマンドを実行するように登録しておきます。
- 論理ホスト1のフェールオーバー時
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jevlogstart -cluster 0
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jevlogstop -cluster 0
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- 論理ホスト2のフェールオーバー時
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jevlogstart -cluster 1
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jevlogstop -cluster 1
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このように登録することで,論理ホスト1のフェールオーバー時には「ログファイルトラップA」および「ログファイルトラップB」だけが,論理ホスト2のフェールオーバー時には「ログファイルトラップC」および「ログファイルトラップD」だけが,起動・終了の対象となります。
クラスタソフトに登録するコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jevlogstart(クラスタ運用限定)」および「jevlogstop(クラスタ運用限定)」を参照してください。
定義例
#サービス(デーモン)起動時に,起動させるログファイルトラップを指定 START_OPT=<ja_JP.eucJP>KANSI1:-f /etc/〜/jevlog.conf /fil/aaa.log : #「jevlogstart -cluster [クラスタID]」要求時に,起動対象となるログファイルトラップを指定 #「jevlogstop -cluster [クラスタID]」要求時には,停止対象となる START_OPT_CLS=(1)<ja_JP.eucJP>KANSI2:-f /etc/〜/jevlog.conf /share/aaa.log :