6.3.2 JP1/Base本体の通信方式を変更する
JP1/Base本体の通信方式は,通信方式設定ファイルを共通定義情報に反映すると変更できます。
JP1/Baseの通信方式には,ANYバインド方式とIPバインド方式があります。
(1) JP1/Base本体の通信方式を変更する手順
通信方式設定ファイルを共通定義情報に反映するには,次のようにjbssetcnfコマンドを実行します。
jbssetcnf 通信方式設定ファイル
jbssetcnfコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jbssetcnf」を参照してください。
(2) 通信方式設定ファイル
通信方式設定ファイルには,用途ごとに七つのファイルがあります。
- 格納場所
-
Windowsの場合:インストール先フォルダ\conf\
UNIXの場合:/etc/opt/jp1base/conf/
表6‒1 通信方式設定ファイル一覧 通信方式設定ファイル
用途
physical_ipany.conf
受信をIPバインド方式,送信をANYバインド方式にする場合に使用します。
主にクラスタ運用している物理ホストで,複数のLANと通信する場合に使用します。
logical_ipany.conf
受信をIPバインド方式,送信をANYバインド方式にする場合に使用します。
主にクラスタ運用している論理ホストで,複数のLANと通信する場合に使用します。
なお,このファイルは編集し直す必要があります。
physical_recovery_0651.conf
共通定義情報に反映した通信方式を06-51以前の通信方式に戻す場合に使用します。
主に物理ホストで設定した通信方式を06-51以前の通信方式に戻す場合に使用します。
06-51以前の通信方式では,IPバインド方式の場合,複数LAN接続に対応できません。
logical_recovery_0651.conf
共通定義情報に反映した通信方式を06-51以前の通信方式に戻す場合に使用します。
主に論理ホストで設定した通信方式を06-51以前の通信方式に戻す場合に使用します。
なお,このファイルは編集し直す必要があります。
06-51以前の通信方式では,IPバインド方式の場合,複数LAN接続に対応できません。
physical_anyany.conf
送受信共にANYバインド方式にする場合に使用します。
主にクラスタ運用していたホストを物理ホストだけでの運用に戻す場合に使用します。
このファイルを使用すると,物理ホストがANYバインド方式になります。ただし,この場合,同一ホスト上では,論理ホストと併用できなくなります。
physical_ipip.conf
送受信共にIPバインド方式にする場合に使用します。
主に物理ホストで,ファイアウォール通過用に,送信時のIPアドレスを明示的に特定する場合や,特定のLANだけを利用する場合に使用します。
この設定を複数のネットワークに接続されるホストですると,一つのネットワークだけしか使用できなくなります。
logical_ipip.conf
送受信共にIPバインド方式にする場合に使用します。
主に論理ホストで,ファイアウォール通過用に,送信時のIPアドレスを明示的に特定する場合や,特定のLANだけを利用する場合に使用します。
なお,このファイルは編集し直す必要があります。
この設定を複数のネットワークに接続されるホストですると,一つのネットワークだけしか使用できなくなります。
JP1/Baseが提供する各機能の通信方式設定ファイルへの対応状況については,「付録H.9 各機能の通信設定への対応状況」を参照してください。
通信方式設定ファイルに定義されたパラメーターの詳細については,「付録H.10 通信方式設定ファイルに定義されたパラメーター」を参照してください。
(3) JP1/Base本体の通信方式の設定例
複数ネットワークに接続されるホスト上の物理ホストに対し,通信方式設定ファイルの内容を反映させる場合は,次のようにjbssetcnfコマンドを実行してください。
jbssetcnf physical_ipany.conf
また,複数ネットワークに接続されるホスト上の論理ホストに対し,通信方式設定ファイルの内容を反映させる場合は,logical_ipany.confをエディターなどで開き,[LOGICALHOSTNAME\JP1BASE]のLOGICALHOSTNAMEをクラスタシステム用の設定をした際に指定した論理ホスト名に修正してから,次のようにjbssetcnfコマンドを実行してください。
jbssetcnf logical_ipany.conf