2.12.1 旧バージョンのJP1/Baseとの互換性および接続性
JP1/Baseは,旧バージョンのJP1/Baseと互換性を持ちます。ただし,旧バージョンとの接続性については,JP1/IM - ManagerやJP1/AJS3など上位製品の制限に従います。上位製品の接続性については,上位製品のマニュアルを参照してください。また,次に示す場合には注意が必要です。
- 〈この項の構成〉
(1) JP1/IMを使用していてコマンド実行履歴がある場合
バージョン8で,コマンド実行履歴ファイル(ISAM)の保存形式が変更になりました。そのため,バージョン7以前のJP1/IMを使用していてコマンド実行履歴ファイル(ISAM)がある場合は,JP1/Baseのバージョンアップ後,JP1/IMの運用開始までの間に必ずjcocmdconvコマンドを実行してください。
このコマンドを実行すると,バージョン7以前のJP1/Baseに蓄積されたコマンド実行履歴ファイル(ISAM)を,バージョン8以降のコマンド実行履歴ファイル(ISAM)に移行できます。このコマンドを実行しなかった場合,バージョン7以前に蓄積されたコマンド実行履歴が参照できません。また,クラスタ運用時には,共有ディスクにアクセスできる状態で,実行系か待機系のどちらか一方から論理ホストに対し,jcocmdconvコマンドを1回だけ実行してください。jcocmdconvコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jcocmdconv」を参照してください。
なお,コマンド実行履歴はマネージャーホスト(JP1/IMと同ホスト)のJP1/Baseだけに作成されます。
(2) JP1/IM用とJP1/AJS用のJP1ユーザーの操作権限を設定する場合
JP1/IM 08-00とJP1/AJS 08-00では,新たにJP1ユーザーの操作権限が追加されました。新たに追加されたJP1ユーザーの操作権限を設定する場合,認証サーバのバージョンが07-51以前では設定できません。
(3) JP1/IM用定義情報を収集および配布する場合
イベントサービスの定義情報の収集と配布や,JP1製品の定義情報を収集する場合,収集元,配布元のホスト,および収集先,配布先のホストにインストールされているJP1/Baseのバージョンを07-00以降にする必要があります。
(4) コマンドの戻り値を参照するシェルスクリプトを使用している場合
JP1/Base 06-71では,次に示すコマンドの戻り値が変更されました。
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jbsacllint
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jbsaclreload
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jbsadduser
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jbschgpasswd
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jbslistuser
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jbsrmuser
06-51以前のJP1/Baseで,上記コマンドの戻り値を参照するシェルスクリプトを使用していた場合,そのシェルスクリプトは,07-00以降のJP1/Baseで正常に動作しなくなるおそれがあります。このため,上記コマンドの戻り値の利用については見直しが必要です。各コマンドの戻り値については,「15. コマンド」を参照してください。
(5) 暗号通信機能がないホストと通信する場合
例えば,社内環境とクラウド環境で通信をする環境の場合,社内環境のエージェントホストは非SSL通信を使用し,クラウド環境のエージェントホストはSSL通信を使用する,混在した通信での運用が考えられます。この場合,非SSL通信するホストを非SSL通信ホスト設定ファイルに設定することで,暗号通信機能がないホストと通信をすることができます。
非SSL通信ホスト設定ファイルの詳細については,「16. 定義ファイル」の「非SSL通信ホスト設定ファイル」を参照してください。