13.3.2 監視の設計
システムの監視では,安定稼働するために必要な監視項目と,その方法や管理を検討します。
(1) 監視方法の検討
システムの安定稼働を支えるための監視には,何をどのような方法で監視することが必要かを検討します。
- システムの監視方法の検討
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システム監視を検討するには,まずシステムを構成する要素を分析することが必要です。システムはさまざまな要素によって構成されているため,例えば,次のようなレイヤーに分けて検討し,それぞれを整理します。
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ビジネス:どのようなジョブを実行しているか。
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サーバ:サーバを構成するソフトウェアやハードウェアは何か。
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ネットワーク:ネットワーク構成や,ネットワーク機器は何か。
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次に,システムを構成する要素に対して,監視する方法を検討します。例えば,運用管理のための製品を使って,システムの各要素を監視します。ビジネスでの定型業務を実行するジョブ管理の情報を監視したり,サーバで実行する各ソフトウェアの監視製品を使用するなどにより,システムの各要素を監視します。
JP1の場合は,JP1シリーズとしてさまざまな角度でシステム運用を支援する製品を提供しており,システムの運用から監視まで対応することができます。
- JP1/IMによる監視の検討
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JP1/IMではJP1イベントにより事象を管理することで,システムを管理します。
このため,システムの各要素を運用管理する製品と連携することで,システムで発生した事象をJP1イベントとして収集することを検討します。
JP1シリーズの各製品とは,連携することによりJP1イベントを収集します。
ログファイル上のメッセージ,Windowsイベントログは,JP1/BaseまたはJP1/IM - AgentによってJP1イベントに変換して管理できます。
また,JP1/IM - Agentの性能監視により,システムのパフォーマンスを管理します。
(2) 監視項目の検討
システムの安定稼働していることを確認するには,どのような項目でシステムを監視することが必要かを検討します。
- 監視項目の確認
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先に検討した,システムの監視方法について,それぞれどのような項目を監視できるか確認します。例えば,JP1/IM - Agentの性能監視では,監視ができるリソース使用率や負荷などの監視項目があります。
監視できる項目は,自システムの運用に適切なものか検討してください。例えば,リソース利用率の監視などでは,イベントを発行するしきい値などが十分に設計されていることを確認してください。
- JP1イベントの内容の確認
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監視項目として必要な項目が整理できたら,JP1イベントとしてどの項目の値として記録されているかを確認します。
JP1イベントを発行する製品であれば,JP1イベントの項目名と値の形式を確認します。
ログファイルやWindowsイベントログなどを,JP1/BaseまたはJP1/IM - AgentによりJP1イベントに変換している場合は,変換元の内容と,変換後のJP1イベントの項目の対応を確認します。
(3) 監視視点の検討(セントラルスコープの利用)
セントラルスコープにより運用管理をする場合は,監視の視点を検討します。
セントラルスコープでは,監視視点に合わせた目的指向型のシステム監視として,[監視ツリー]画面でのツリー形式の表示,および[ビジュアル監視]画面によるマップ形式の表示により監視ができます。
- 監視ツリーの検討
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次に示す監視ツリーを,自動生成の機能により生成することができます。
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業務指向ツリー
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サーバ指向ツリー
これを基に,監視項目の追加や削除を行って,監視する目的に合わせた監視ツリーを作成します。
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- ビジュアル監視の検討
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重点的に監視が必要な個所がある場合は,[ビジュアル監視]画面を使ったマップ形式での監視を検討します。また,業務組織図や地図など,マップの画像を用意します。