6.10 自動アクション実行の流れ
マネージャーで,自動アクションの契機となるJP1イベントを受信してから,エージェントに対して自動アクションを実行する場合の処理の流れを例に,JP1/IM,JP1/Baseの機能連携について説明します。
なお,以降の説明では,自動アクションをするための定義が完了しているものとして説明しています(自動アクションの定義については,「6.3 自動アクションの定義」を参照)。
図中の番号に従って説明します(図中の丸付き番号は,次に示す番号にそれぞれ対応しています)。
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エージェント上で自動アクションの契機となるJP1イベントが発生し,イベントサービスに登録されます。
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イベントサービスに登録されたJP1イベントは,構成定義に従って上位ホストに転送され,転送されたJP1イベントは,マネージャー上のイベントサービスに登録されます。
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JP1/IM - Manager(イベント基盤サービス)が登録されたJP1イベントをイベントサービスから取得します。
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自動アクションの定義と取得したJP1イベントを比較し,自動アクションの定義に一致した自動アクションをアクション実行サービスに渡します。
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自動アクションを受信したアクション実行サービスは,マネージャー上のJP1/Baseにコマンド実行指示を渡します。
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コマンド実行指示を受け取ったマネージャー上のJP1/Baseは,構成定義を参照してコマンド実行先ホストにコマンド実行指示を出します。
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コマンド実行指示を受けたエージェント上のJP1/Baseは,コマンドを実行する前に,ユーザーマッピング定義を参照し,マッピングされたOSユーザーの権限でコマンドを実行します。※
注※ ユーザーマッピング(JP1/Baseのユーザー管理)の処理は,コマンドを実行するホストで行われます。このため,自動アクションでエージェントに対してコマンドを実行する場合にはエージェントで,自動アクションでマネージャーに対してコマンドを実行する場合にはマネージャーで,それぞれユーザーマッピングの設定をしておく必要があります。
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コマンド実行後,エージェント上のJP1/Baseは,その結果を構成定義で定義されている上位ホストに通知します。
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コマンド実行結果を受け取ったマネージャー上のJP1/Baseは,コマンド実行結果をコマンド実行履歴ファイル(ISAM)に記録したあと,アクション実行サービスに実行結果を通知します。
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アクション実行サービスは,JP1/Baseから受け取った実行結果の情報をログ出力し,自動アクションの実行結果をイベント基盤サービスに渡します。
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JP1/IM - Viewには,イベント基盤サービスが持つJP1イベントの情報がイベントコンソールサービスを通して表示されます。
なお,自動アクションは,JP1/Baseのコマンド実行機能によって実行しています。「9.4.4 コマンド実行の管理」をあわせて参照してください。
- 重要
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自動アクションの実行処理が進んでいる途中で,次の事象が発生すると,自動アクションの状態が遷移しなくなります(遷移しなくなるのは,状態が「送信待機」「送信中」「キューイング」「実行中」「送信待機(キャンセル中)」「送信中(キャンセル中)」「キューイング(キャンセル中)」「実行中(キャンセル中)」だった場合です)。
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マネージャー,アクション中継ホスト,アクション実行先ホストのどれかがシャットダウンなどの操作により停止した。
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ネットワーク障害
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JP1/Baseのダウン
この場合には,次の方法で確認してください。
- JP1/Baseのjcocmdshowコマンド(07-10サポート)で確認:
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アクション実行先ホストのJP1/Base(コマンド実行管理)が自動アクションの処理をしていた場合には,このコマンドで確認できます※。
注※ 処理要求を受け取っていない,または処理が完了していた場合はこのコマンドでは確認できません。
状態が遷移しない,かつ,jcocmdshowコマンドでも確認できない自動アクションは,再実行するかどうか判断を行い,必要に応じて[コマンド実行]画面から再実行してください。
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