6.4.4 同一アクションの抑止
一定時間内に同一の自動アクションが実行されるのを抑止したい場合は,抑止設定をします。
例えば,パトランプを点灯させたり,メールでユーザーに通知したりする自動アクションは,一定時間内に一度実行されればよいアクションです。また,これらの自動アクションがJP1/Baseのコマンド実行のキューに蓄積されることによって,緊急を要する自動アクション,例えば障害の復旧を行う自動アクションなどの実行が遅れてしまうことがあります。
一度実行すれば一定時間実行しなくてよい自動アクションに対し,抑止設定をすることで,このような事態を回避できます。
抑止する・しないの設定,抑止時間の設定は,アクション単位でできます。これにより,不要なアクションを抑止し,必要なアクションだけを実行する環境を構築できます。
なお,プロセス管理機能によるプロセスの再起動時や,クラスタ運用でのフェールオーバー時には,抑止中のアクションは抑止解除されます。
アクションの抑止には,抑止設定のほかに,繰り返しイベントの監視抑止で抑止する方法があります。
ここでは,自動アクションの抑止設定でアクションを抑止する仕組みを説明します。それ以外の方法で自動アクションを実行しないようにする場合は,次の個所を参照してください。
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共通除外条件でイベントをアクションの実行対象外にする
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繰り返しイベントの監視抑止でアクションを抑止する
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JP1/IM - Viewの[アクション設定]画面でアクション定義を無効化する
マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 画面リファレンス」の「3.32 [アクション設定]画面」
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jcachangeコマンドでアクション定義を無効化する
マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcachange」(1. コマンド)
(1) 抑止設定をした場合の自動アクションの動作
抑止設定をした場合の自動アクションの動作を次の図に示します。
図中の自動アクションAのように,抑止設定をしていた場合は,その自動アクションの実行条件に合致するJP1イベントが抑止時間内に複数発生しても,最初に発生したJP1イベントに対してだけアクションが実行され,2件目以降のJP1イベントに対してはアクションが実行されません。実行されなかった自動アクションの状態は「抑止」となります。
図中の自動アクションBのように,抑止設定をしていない場合は,その自動アクションの実行条件に合致するJP1イベントが発生するたびにアクションが実行されます(抑止設定をした自動アクションの動作に関係なく動作します)。
(2) AND条件を設定した自動アクションに対し,抑止設定をした場合の自動アクションの動作
自動アクション同士をAND条件で結び,かつ,抑止設定をした場合の自動アクションの動作を次の図に示します。
自動アクションの動作を図中の番号に従って説明します(図中の丸付き番号は,次に示す番号にそれぞれ対応しています)。
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実行条件Aに合致するJP1イベントをJP1/IM - Managerが受信した状態です。自動アクションAと自動アクションBをAND条件で結んでいるため,このときにはまだアクションは実行されません。
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実行条件Bに合致するJP1イベントをJP1/IM - Managerが受信した状態です。先に実行条件Aに合致するJP1イベントを受信しているため,AND条件が成立し,アクションA,Bが実行されます。
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実行条件Aに合致するJP1イベントをJP1/IM - Managerが受信した状態です(1.と同じ状態です)。
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実行条件Bに合致するJP1イベントをJP1/IM - Managerが受信した状態です(2.と同じ状態です)。先に実行条件Aに合致するJP1イベントを受信しているため,AND条件が成立していますが,抑止時間内であるため,アクションA,Bは実行されず,それぞれ「抑止」状態となります。
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実行条件Aに合致するJP1イベントをJP1/IM - Managerが受信した状態です(1.と同じ状態です)。
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実行条件Bに合致するJP1イベントをJP1/IM - Managerが受信した状態です(2.と同じ状態です)。実行条件Aに合致するJP1イベントの受信時間は抑止時間内ですが,AND条件の成立する実行条件Bの受信時間が抑止時間外だったため,アクションA,Bは抑止されず,それぞれ実行されます。