5.1 セントラルスコープの機能概要
セントラルスコープは,ツリー監視機能,ビジュアル監視機能,およびガイド機能によって,目的指向型のシステム監視を支援します。また,[監視ツリー]画面の自動生成機能と編集機能によって,簡易にセントラルスコープ環境を構築できます。
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セントラルスコープ機能は,デフォルトでは無効(起動しない)となっています。セントラルスコープ機能を使用する場合,jcsdbsetupコマンドで監視オブジェクトDBを作成し,jcoimdefコマンドでセントラルスコープ機能を有効にする必要があります。
詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の次の個所を参照してください。
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Windowsの場合
「1.19.5 セントラルスコープの機能を使用するための設定(Windowsの場合)」
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UNIXの場合
「2.18.7 セントラルスコープの機能を使用するための設定(UNIXの場合)」
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セントラルスコープ機能は,2034年9月末までは使用できますが,2034年10月以降は使用できません。そのため,2034年9月末までに,統合オペレーション・ビューアーを使用する形態への移行が必要となります。
図5‒1 [監視ツリー]画面,[ビジュアル監視]画面の表示例
セントラルスコープの機能の概要を説明します。
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監視ツリー
JP1/IMが監視する対象を,[監視ツリー]画面によって監視目的に合わせたツリー形式で表示します。
監視ツリーは,監視する対象である監視オブジェクトを,それをグループ化する監視グループによって,ツリー構造にアイコンで表示したものです。
監視ツリー上のアイコンは,例えば,業務とそれを実行するサーバを並べて配置しており,サーバで障害が発生すると影響を受ける業務がわかるようになっています。なお,[監視ツリー]画面の詳細表示領域は,[ビジュアル監視]画面のようにマップ形式で表示することもできます。
また,JP1資源グループを利用することによって,各JP1ユーザーに対し,監視ツリーの表示制御,表示される監視ノードに対する細かなアクセス制御ができます。
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監視ツリーの自動生成と編集
監視ツリーは,自動生成機能と編集機能を使って簡易に生成できます。
自動生成機能は,ユーザーが目的別のテンプレートを[自動生成−構成選択]画面の生成ツリーの中から選ぶと,JP1/IMのエージェントから自動的に定義情報を収集し,自動的にテンプレートに合わせて監視ツリーを作成します。
テンプレートは,監視ツリーのモデルとなる定義情報で,[業務指向ツリー]および[サーバ指向ツリー]があります。
自動生成機能によって生成した監視ツリーは,運用方法に合わせて[監視ツリー(編集中)]画面で編集し,システムの監視をします。また,監視ツリーの定義をCSVファイルに出力して編集することもできます。
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ビジュアル監視
監視ツリーのアイコンを,[ビジュアル監視]画面によって,業務組織図などの画像の上にマップ形式で表示します。
アイコンは標準提供されているものに加えて,任意の画像およびサイズのアイコン(ビジュアルアイコン)をユーザーが登録できます。重点的に監視したい監視オブジェクトや監視グループを,マップ上に配置して監視でき,大規模なシステムでも目的とする視点によって容易に監視できます。
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ガイド情報
監視ノードや発生したJP1イベントに合わせて,ガイド情報を表示できます。システム監視中に発生した問題に対処するときのアドバイスとして,対処手順の流れや調査方法を登録でき, 初動対応でのシステム管理者の負担を軽減できます。
ガイド情報の内容はユーザーが登録できます。表示内容を決める条件には,監視ノード,および監視ノードの状態が変わるきっかけになったJP1イベントの情報などを指定できます。
なお,セントラルスコープの[監視ツリー]画面からは,セントラルコンソールの[イベントコンソール]画面を呼び出すことができます。