4.12 固有の属性付加
監視対象のアプリケーションやホストの追加によって発生する事象が増えた場合,各機能に同様のイベント条件を設定する必要があり,システム管理者にとって,管理に手間が掛かりました。
固有の属性付加は,JP1イベントに固有の属性が付加できる機能です。システム管理者は,この機能を利用することで,同一属性を持つイベントの単位でアクションやフィルタリングの定義ができます(グルーピングできます)。固有の属性を定義しておくと,発生する事象が増えた場合でも,属性付加の定義を修正するだけで,定義に反映されます。自動アクションや各種フィルターの定義を変更する必要はありません。また,各機能の定義が簡単になります。
この機能を使用すると,システム管理者は,システム名,業務名,システム状態などの情報をイベントに付加して表示できます。これによって,複数の属性値やシステム構成情報などを組み合わせて確認する時間が掛からなくなり,容易に対処できます。
JP1イベントに任意の属性を追加し,各機能に定義する概要を次の図に示します。
JP1イベントへの属性付加は,イベントDBに,該当するイベントを登録および転送受信する際に指定します。
このため,通常はマネージャーホストで属性付加条件を設定することで,監視対象ホストから転送されてくる,JP1イベントに対する属性付加条件を一元的に設定,および管理できます。
ただし,属性付加条件の数と登録イベント件数の積に比例してイベント登録性能に影響するので,JP1/IM - Managerを階層構成で組んだ場合には,拠点マネージャーまたは中継マネージャーで属性付加条件を設定することを強くお勧めします。
付加した属性は,そのJP1イベントがほかのホストに転送された場合でも保持されるので,最上位のJP1/IM - Managerで属性付加条件を設定していなくても,拠点マネージャーまたは中継マネージャーで付加された属性情報をそのまま使用できます。
属性を付加したいJP1イベントを指定する条件,および付加する属性名は,属性付加設定ファイルの属性付加設定ブロック(add〜end-add [exit])に定義します。このブロックの定義は2,500件以内としてください。
属性付加設定ファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
登録または転送受信するJP1イベントの一つ一つについて,属性付加設定ブロックの先頭から順に条件を判定し,条件が成立した場合に,指定された属性名および属性値を付与します。属性付加設定ブロックに「exit」が指定されている場合は,そのJP1イベントについて以降の属性付加設定ブロックは処理しないで,その次のJP1イベントの処理に移ります。
属性付加に伴うJP1イベントの登録および転送への影響を少なくするため,属性付加設定ファイルは次のように定義することを推奨します。
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一つのJP1イベントに対して複数の条件で,異なる属性を付加する場合を除いては,属性付加設定ブロックに「exit」を指定してください。これによって,それ以降の属性付加設定ブロックを処理する時間を短縮できます。
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一番目の設定ブロックとして,属性を付加しないJP1イベントの条件を指定します。これによって,それ以降の属性付加設定ブロックを処理する時間を短縮できます。
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発生頻度が多いJP1イベントの条件は,属性付加設定ファイルの上位で定義してください。
詳細については次の図を参照してください。
固有の属性付加の設定については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「5.10 固有の属性付加の設定」を参照してください。