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JP1 Version 13 JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド


3.14.7 クラウドサービスのログを監視するための連携

〈この項の構成〉

(1) 概要

JP1/IMでは,クラウド上のサーバーインスタンスのOS,ミドルウェア,アプリケーションなどの運用管理を行う場合に,次に示すクラウドサービス上のログを,JP1イベントとしてJP1/IM - Managerに登録するクラウドサービスログ連携ツールを同梱しています。なお,クラウドの性能を監視する機能については,「9.5 JP1/IM - Agentによる監視機能」を参照してください。

■AWSと連携する場合

Amazon CloudWatch Logs(AWS上のリソースからのログをモニタリングするサービス)で保存したログ,およびAmazon CloudWatchで発生したアラームを,JP1イベントとして登録し,JP1/IM - Manager,JP1/Baseと連携できるツールを提供しています。

■Microsoft Azureと連携する場合

Azure Monitor(Azure上で提供されているシステム監視サービス)で生じたアラートを,JP1イベントとして登録し,JP1/IM - Manager,JP1/Baseに連携できるツールを提供しています。

また,クラウドサービスと連携するためのツールは,次に示す機能があります。

■前提条件
  • JP1/IM REST対応版のツールを使用する場合や,ファイルダウンロード機能を使用して連携元にツールをダウンロードする場合は,インテリジェント統合管理基盤が有効であること。

  • 各ツールの前提条件は,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「11. クラウドサービスログ連携ツール」の前提条件を満たしていること。

  • JP1/IM REST対応版のツールでJP1/IMに連携するJP1イベントをJP1/IM - Agentでの稼働性能監視と同じIM管理ノードにマッピングして,統合オペレーション・ビューアーで表示する場合は,マッピング先のIM管理ノードが事前に存在すること。AWS連携の場合はYet another cloudwatch exporter,Azure連携の場合はAzure監視exporterのIM管理ノードが存在していること。

クラウドサービスログ連携ツールの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「11. クラウドサービスログ連携ツール」を参照してください。

(2) 構築手順

(a) 連携元へのツールの展開

JP1/IM - Managerで取り込んだツールは,連携元となるクラウドサービス側に対してファイルを直接コピーするか,マネージャーホストからダウンロードすることで取得できます。ダウンロードについては,「3.13 配布物の取得機能(ファイルダウンロード機能)」を参照してください。ツールの配布URLを次に示します。

http://JP1/IM - Managerのホスト名:インテリジェント統合管理基盤のポート番号/download/jp1_cloudwatch_tool/ツールのファイル名

注※

ツールのファイル名は「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「11. クラウドサービスログ連携ツール」を参照してください。

(b) 連携元での設定

連携元に展開したファイルを解凍すると,sendevent_im2(JP1イベント連携ツールディレクトリ)が展開されます。展開されたフォルダ配下のPythonスクリプト,および定義ファイルを用いて,「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「11. クラウドサービスログ連携ツール」に記載された事前に必要な設定内容,手順に従って,設定します。

  • JP1イベントとして連携対象とするログを正規表現の範囲でフィルタリングする場合

    各ツールのイベント除外ファイルで設定します。詳細は,「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「11. クラウドサービスログ連携ツール」を参照してください。

    特に設定しない場合(デフォルトの場合)は,フィルタリングせず,すべてのログが連携対象になります。

  • 連携するJP1イベントに任意の拡張属性を付与する場合

    各ツールのイベント定義ファイルで設定します。詳細は,「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「11. クラウドサービスログ連携ツール」を参照してください。

    JP1/IM REST対応版のツールでJP1/IMに連携するJP1イベントをJP1/IM - Agentでの稼働性能監視と同じIM管理ノードにマッピングして,統合オペレーション・ビューアーで表示する場合は,発行するJP1イベントに次の拡張属性を付与します。

    属性種別

    項目

    属性名

    内容

    共通情報

    重大度

    SEVERITY

    JP1イベントの内容に従って,次に示すどれかの値を指定してください。

    • "Emergency"(緊急)

    • "Alert"(警戒)

    • "Critical"(致命的)

    • "Error"(エラー)

    • "Warning"(警告)

    • "Notice"(通知)

    • "Information"(情報)

    • "Debug"(デバッグ)

    プロダクト名

    PRODUCT_NAME

    「/HITACHI/JP1/JPCCS2」または「/HITACHI/JP1/JPCCS2/xxxx

    xxxxはユーザー任意の値です。マッピング先と合わせます。※3

    オブジェクトタイプ

    OBJECT_TYPE

    「ALARM」

    オブジェクト名

    OBJECT_NAME

    アラート名

    マッピング先と合わせます。※3

    事象種別

    OCCURRENCE

    「NOTICE」

    発生元ホスト名

    JP1_SOURCEHOST

    マッピング先と合わせます。※3

    固有情報

    PP名

    PPNAME

    「/HITACHI/JP1/JPCCS2」

    統合エージェントのホスト名

    JPC_PROMETHEUS

    マッピング先と合わせます。※3

    スクレイプジョブ

    JPC_JOB

    マッピング先と合わせます。※3

    jp1_pc_nodelabel

    JPC_NODELABEL

    マッピング先と合わせます。※3

    Exporter名

    JPC_EXPORTER

    マッピング先と合わせます。※3

    jp1_pc_remote_

    monitor_instance

    JPC_REMOTE_

    MONITOR_INSTANCE

    マッピング先と合わせます。※3

    AWS サービス名※1

    JPC_AWS_SERVICE

    AWSのサービス名

    クラウドサービスログ連携ツール(JP1とAWSの連携)の使用時にだけ設定します。

    マッピング先と合わせます。※3

    AWS アカウント※1

    JPC_AWS_ACCOUNT

    AWSのアカウント文字列

    クラウドサービスログ連携ツール(JP1とAWSの連携)の使用時にだけ設定します。

    マッピング先と合わせます。※3

    AWS リージョン名※1

    JPC_AWS_REGION

    Yet another cloudwatch exporterで監視しているAWSのリージョン名

    クラウドサービスログ連携ツール(JP1とAWSの連携)の使用時にだけ設定します。

    マッピング先と合わせます。※3

    Azure サービス名※2

    JPC_AZURE_SERVICE

    Azureのサービス名

    クラウドサービスログ連携ツール(JP1とAzureの連携)の使用時にだけ設定します。

    マッピング先と合わせます。

    詳細については,「12.5.1(5)(a)パフォーマンスデータを監視して発行するJP1イベントの属性」を参照してください。

    Azure テナント名※2

    JPC_AZURE_TENANT

    Azureのテナント文字列

    クラウドサービスログ連携ツール(JP1とAzureの連携)の使用時にだけ設定します。

    マッピング先と合わせます。

    詳細については,「12.5.1(5)(a)パフォーマンスデータを監視して発行するJP1イベントの属性」を参照してください。

    Azure サブスクリプション名※2

    JPC_AZURE_SUBSCRIPTION

    Azureのサブスクリプション文字列

    クラウドサービスログ連携ツール(JP1とAzureの連携)の使用時にだけ設定します。

    マッピング先と合わせます。

    詳細については,「12.5.1(5)(a)パフォーマンスデータを監視して発行するJP1イベントの属性」を参照してください。

    Azure リソースグループ名※2

    JPC_AZURE_RESOURCEGROUP

    Azureのリソースグループ名

    クラウドサービスログ連携ツール(JP1とAzureの連携)の使用時にだけ設定します。

    マッピング先と合わせます。

    詳細については,「12.5.1(5)(a)パフォーマンスデータを監視して発行するJP1イベントの属性」を参照してください。

注※1

Yet another cloudwatch exporterのIM管理ノードで表示する場合に指定します。

注※2

Azure監視exporterのIM管理ノードで表示する場合に指定します。

注※3

マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「3.2.3(1)パフォーマンスデータを監視して発行するJP1イベントの属性」を参照してください。

(3) 障害対策

JP1/IM - Manager側でのログファイルの追加はありません。クラウドサービスログ連携ツールのログについては,ツールをセットアップした連携元のクラウドサービス側に出力されます。詳細は,「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「11. クラウドサービスログ連携ツール」を参照してください。

(4) 注意事項

マニュアルに記載されていないパラメーターの変更,ソースの改変,システム構成外での運用については,サポート対象外となります。

改変する場合は,ユーザー環境,クラウドサービスのパラメーターも含めた検証をした上で,ユーザー責任にて運用をしてください。