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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 - Asset Console 構築・運用ガイド


5.2.5 定義ファイルによるソフトウェア名の自動割り当ての設定

JP1/IT Desktop Management 2 - Managerから管理情報を取得する際には、名寄せルール定義ファイルの内容に従って、ソフトウェア名を登録して対応づけられます。名寄せルール定義ファイルでは、インストールソフトウェアを識別するための文字列とその文字列の一致条件を定義します。取得したインストールソフトウェア名が定義ファイルの内容と一致した場合は、該当する管理ソフトウェア名に割り当てられます。

名寄せルール定義ファイルが存在しない場合は、ソフトウェアの自動割り当ての設定に従って登録されます。

重要

すでにソフトウェアが割り当て済みの場合は、定義ファイルの内容と異なっていても、再割り当ては行われません。新しく追加されたタイミングで名寄せルール定義ファイルが存在する場合から有効になります。再割り当てを行いたい場合は、いったんインストールソフトウェアをリストから削除して、再度、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerから管理情報の取得を行ってください。

〈この項の構成〉

(1) 名寄せルール定義ファイル

名寄せルール定義ファイルについて説明します。

(a) ファイルの仕様

項目

内容

ファイル名

SoftwareName.csv

格納先

<Asset Consoleのインストール先フォルダ>¥env

文字コード

Asset Consoleが動作するOSによって次のとおり異なります。

  • OSの言語が日本語の場合:Shift-JIS

  • OSの言語が英語の場合:Windows-1252

  • OSの言語が中国語の場合:GBK

有効行数

次の行数を越えた場合は無視されます。

  • パラメタ:キーごとに1行

  • 名寄せルール:一致条件・除外条件合わせて20,000行

(b) フォーマット

P,<パラメタのキー>,<パラメタの値>
T,<一致条件>,"<一致対象文字列>",[<一致除外条件>,"<一致除外対象文字列>",]"<ソフトウェア名>"
E,<除外条件>,"<対象文字列>"
メモ

一致対象文字列、一致除外対象文字列、およびソフトウェア名に「"」(ダブルクォーテーション)が含まれる場合は、「""」と記述してください。

(c) 定義内容

名寄せルール定義ファイルの定義内容(パラメタ)

パラメタでは、全体の動作に関わる定義を行います。

カラム

定義値

種別

(1カラム目)

「P」を指定します。

パラメタのキー

ここには次の値を指定してください。名寄せルール定義がファイルに存在しないインストールソフトウェアの扱いを定義します。

  • NO_RULE_INSTALLEDSOFTWARES

パラメタの値

次のどちらかを指定します。デフォルトは「0」です。

  • 0:管理ソフトウェア名を登録しない。

  • 1:インストールソフトウェアと同じ名前の管理ソフトウェアに割り当てる。既に管理ソフトウェア名が存在する場合は、存在する管理ソフトウェアに割り当てる。

名寄せルール定義ファイルの定義内容(一致条件)

一致条件では、名寄せ対象としたいインストールソフトウェア条件を定義します。

カラム

定義値

種別

(1カラム目)

「T」を指定します。

一致条件

一致対象文字列をインストールソフトウェア名にどのように一致させるかを定義します。次のどちらかを指定してください。

  • 1:前方一致

  • 2:部分一致

一致対象文字列

一致対象となるインストールソフトウェア名を定義します。1,024文字以内の任意の文字列を指定してください。どの部分の文字列かは、一致条件に従います。

一致除外条件

一致除外対象文字列をインストールソフトウェア名にどのように一致させるかを定義します。次のどちらかを指定してください。

  • 1:前方一致

  • 2:部分一致

一致除外条件と一致するインストールソフトウェアは、一致条件に当てはまっていても、名寄せの対象から除外されます。

この場合は、別の一致条件に一致した場合は、その管理ソフトウェア名で登録されます。

一致除外対象文字列

一致除外対象となるインストールソフトウェア名を定義します。1,024文字以内の任意の文字列を指定してください。どの部分の文字列かは、一致除外条件に従います。

管理ソフトウェア名

名寄せする管理ソフトウェア名を定義します。1,024文字以内の任意の文字列を指定してください。

名寄せルール定義ファイルの定義内容(除外条件)

除外条件では、名寄せルールにおける除外条件を定義します。ここでの条件に一致するインストールソフトウェアは、名寄せルール定義ファイルの内容に従ってソフトウェア名を自動割り当てする対象から除外されます。一致条件件と一致する場合でも名寄せを行ないません。

カラム

定義値

種別

(1カラム目)

「E」を指定します。

除外条件

「対象文字列」をインストールソフトウェア名にどのように一致させるかを定義します。次のどちらかを指定してください。

  • 1:前方一致

  • 2:部分一致

対象文字列

対象となるインストールソフトウェア名を定義します。1,024文字以内の任意の文字列を指定してください。どの部分の文字列かは「除外条件」に従います。

重要

1カラム目がP、T、E以外の場合はコメント行として扱われて、その行は無視されます。また、次の場合は文法エラーとなり、その行は無視されます。

  • 1カラム目に対しカラム数が合っていない場合

  • 一致条件、一致除外条件、除外条件に不正な値が設定された場合

  • 対象文字列、管理ソフトウェア名、パラメタのキーおよび値の文字数が超過している場合

(d) 記述例

# 名寄せルール定義ファイル
P, NO_RULE_INSTALLEDSOFTWARES,1
T,1,"Adobe Acrobat",2,"Reader","Adobe Acrobat"
T,2,"Document Reader","Document Reader"
E,1,"Microsoft .NET Framework"
E,2,"Debug"

(e) その他

複数の定義に該当する場合の動作について

対象文字列が複数の定義に該当する場合の動作について説明します。

  • 複数の同じ種別の名寄せルールがマッチする場合、先頭から最初にマッチした名寄せルールが対象となります。

  • 名寄せルールの一致条件と除外条件の両方がマッチする場合、除外条件が優先されます。

  • 名寄せルールの一致条件、除外条件いずれにもマッチしなかった場合は、NO_RULE_INSTALLEDSOFTWARESの設定に従います。

  • 同じパラメタのキーが複数指定された場合、先頭のものが有効となります。

機能の切り替え時の動作について

名寄せルール定義ファイルを変更した場合、または名寄せルール定義ファイルの有無により機能を有効または無効にした場合の動作について説明します。

  • 名寄せルール定義ファイルの追加・変更・削除は、変更後にJP1/IT Desktop Management 2 - Managerから管理情報を取得した時から有効になります。

  • 管理ソフトウェア名を登録した後、名寄せルール定義ファイルを削除した場合、名寄せルール定義ファイルによって割り当てられた管理ソフトウェアは削除されずに残ります。

  • すでに登録済みのインストールソフトウェアに対する名寄せルールの内容を変更しても、管理ソフトウェアへの再割り当ては行われません。自動割り当てを行いたい場合は、いったんインストールソフトウェアをリストから削除し、再度、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerから管理情報の取得を行ってください。

JP1/IT Desktop Management 2 - Manager以外から管理情報を取得した場合の動作について

移行ツールやCSVファイルで、Asset Consoleに管理情報を移行した場合は、移行元の情報がそのまま引き継がれます。その後、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerから管理情報を取得した場合でも、名寄せルール定義ファイルに合わせた再割り当てはおこなわれません。