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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


17.7.2 デバッグ

AITファイルのデバッグを容易にするために、特定の位置でAITファイルの実行を停止できます。AITファイルの実行が停止すると、監視ウィンドウでは変数の値が表示または更新されます。

AITファイルは、次の単位で実行できます。

〈この項の構成〉

(1) ブレークポイントを設定する

ブレークポイントとは、デバッグプロセスを停止するポイントです。ブレークポイントは任意の行に追加でき、有効にしたり無効にしたりできます。ブレークポイントが行内に設定されている場合、それが有効な状態であれば、編集ウィンドウの左側にカラーの丸が表示され、無効な状態であれば白丸が表示されます。不要なブレークポイントは削除できます。また、設定したブレークポイントは、AITファイルを閉じると解除されます。

ブレークポイントの追加、削除、有効化、および無効化は、[ブレークポイントの設定]または[ブレークポイントの追加/削除]メニューで実行します。

(a) [ブレークポイントの設定]を使って、ブレークポイントを設定する

[ブレークポイントの設定]ダイアログボックスで、ブレークポイントを追加、削除、有効化、無効化する方法を説明します。

  1. AITファイルを開き、[デバッグ]−[ブレークポイントの設定]を選択する。

    [ブレークポイントの設定]ダイアログボックスが表示されます。

    図17‒33 [ブレークポイントの設定]ダイアログボックス

    [図データ]

    ブレークポイント行番号

    ブレークポイントを追加したい行番号を入力し、[追加]ボタンをクリックすると、指定した行にブレークポイントが追加されます。

    ブレークポイント

    アクティブなAITファイルに設定されているすべてのブレークポイントが表示されます。行番号に対応するチェックボックスをオンにすると、ブレークポイントは有効になり、オフにすると無効になります。

    [削除]ボタン

    「ブレークポイント」欄で選択した行番号のブレークポイントを削除します。

    [すべて削除]ボタン

    設定しているすべてのブレークポイントを削除します。

  2. ブレークポイントを設定して、[OK]ボタンをクリックする。

    [ブレークポイントの設定]ダイアログボックスでの設定が、編集ウィンドウに反映されます。編集ウィンドウを次の図に示します。

    図17‒34 編集ウィンドウ

    [図データ]

(b) [ブレークポイントの追加/削除]を使って、ブレークポイントを設定する

[ブレークポイントの設定]ダイアログボックスを使用しないで、編集ウィンドウ中で、ブレークポイントを追加、削除、および有効にする方法を次に示します。

  1. AITファイルを開き、デバッグプロセスを停止させたい行にカーソルを移動する。

  2. [デバッグ]−[ブレークポイントの追加/削除]を選択する。

    選択した行によって、次の処理が実施されます。

    • ブレークポイントのない行

      ブレークポイントが有効な状態で追加されます。

    • 有効なブレークポイントがある行

      ブレークポイントが削除されます。

    • 無効なブレークポイントがある行

      ブレークポイントが有効になります。

    なお、[ブレークポイントの追加/削除]メニューを選択する代わりに、[F9]キーをショートカットキーとして使用することもできます。

(2) 特定の位置まで実行する

現在の位置から特定の位置までAITファイルを実行できます。

特定の位置で実行を停止させるには、次の方法があります。

なお、デバッグを終了するには[デバッグ]−[デバッグの中断]を選択します。

(a) ブレークポイントまで実行する

設定したブレークポイントまでAITファイルを実行します。コメントやブランクだけなどの実行できない行に設定されているブレークポイントは、デバッグが開始されると、その直後の実行可能な行に移動します。

  1. AITファイルの任意の位置にブレークポイントを設定する。

    ブレークポイントの設定方法については、「17.7.2(1) ブレークポイントを設定する」を参照してください。

  2. [デバッグ]−[実行]を選択する。

    最初のブレークポイントまでステートメントが実行され、ブレークポイント行にデバッグカーソルが移動します。

  3. 操作2を繰り返して次のブレークポイントまで実行するか、そのほかの[デバッグ]メニュー項目を選択する。

(b) カーソル行の前まで実行する

カーソルのある行の前までAITファイルを実行します。

  1. AITファイルの任意の位置にカーソルを移動する。

  2. [デバッグ]−[カーソル行の前まで実行]を選択する。

    カーソル行の前までステートメントが実行され、操作1で指定した位置にデバッグカーソルが移動します。

  3. 操作1と操作2を繰り返して次のカーソル行の前まで実行するか、そのほかの[デバッグ]メニュー項目を選択する。

(c) ステートメント単位で実行する

AITファイルの終わりまで、または「デバッグの中断」を選択してデバッグプロセスを中断するまで、スクリプトを1ステートメントずつ実行できます。

  1. AITファイルを開く。

  2. [デバッグ]−[ステップオーバー]を選択する。

    最初のステートメント行が実行され、デバッグカーソルは次のステートメント行に移動します。

  3. 操作2を繰り返して現在のステートメント行を実行するか、そのほかの[デバッグ]メニュー項目を選択する。

(3) 変数を監視、変更する

AITファイルをデバッグするとき、指定した変数の値を監視ウィンドウに表示して、監視できます。特定の位置でAITファイルの実行が停止したとき、現在の変数の値が監視ウィンドウに表示されます。監視ウィンドウを使用して、変数の値を変更することもできます。

次に、監視ウィンドウで、指定した変数を監視する方法を示します。

  1. AITファイルのデバッグ時に、[表示]−[監視ウィンドウ]を選択する。

    監視ウィンドウが表示されます。

    図17‒35 監視ウィンドウ

    [図データ]

  2. 「変数」欄に変数名を入力し、[Enter]キーを押す。

    編集ウィンドウから監視ウィンドウに、変数をドラッグ&ドロップして、変数名を入力することもできます。

    監視ウィンドウには、変数の値が表示されます。数値データは、デフォルトでは10進数で表示されますが、右クリックして表示されるメニューから[16進数表示]を選択して、16進数で表示することもできます。文字列データは文字列定数で表示されます。

    監視ウィンドウで指定した変数名がAITファイルで定義されていない場合は、エラーメッセージが表示されます。

  3. 特定の位置まで、AITファイルを実行する。

    現在の変数の値が監視ウィンドウに表示されます。

  4. 変数の値を変更したい場合は、監視ウィンドウで新しい値を入力して、[Enter]キーを押す。

    AITファイル内の変数の値が変更されます。

監視が不要になった変数を監視ウィンドウから削除するには、監視ウィンドウで削除したい変数を選択し、[Delete]キーを押します。