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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


15.3.2 正常に動作しないときの対処

JP1/IT Desktop Management 2 - Managerを使用しているとき、正常に動作しない、エラーが発生するなどの現象が起こることがあります。次に、発生が考えられる現象とその対処について説明します。

〈この項の構成〉

(1) ジョブの実行が進まない

ジョブの実行が進まない場合は、次に示すような原因が考えられます。

(a) エージェントの自ホスト名と配布管理システムで指定したあて先が不一致

エージェントの名称が、配布管理システムのシステム構成やあて先で指定した名称と異なる場合、リモートインストールが終了しません。この場合には、ジョブ実行時に指定されたあて先が、意図したものかどうかを製品側で判断ができないため、JP1/IT Desktop Management 2 - ManagerおよびJP1/IT Desktop Management 2 - Agentのログにエラーとして出力できません。実行したジョブは、ジョブ実行状況に表示されます。実行したジョブのあて先が意図したものかどうか、エージェントの名称が正しいかどうかは、ジョブ実行状況で確認してください。

(b) ホスト識別子が異なるが重複したあて先が存在する

ジョブ実行時に指定されたあて先が、意図したものかどうかを製品側で判断できません。ホスト識別子が異なるが、同じホスト名などのあて先が存在すると、存在しないあて先に対してジョブを実行している可能性があります。ジョブ実行時に指定されたあて先が、意図したものかどうかは、ジョブ実行状況で確認してください。

また、エージェントが重複して存在している場合、異なるあて先にジョブが実行されているためにジョブが終了しないことがあります。このような場合は、重複しているエージェントでresetnidコマンドを実行してください。resetnidコマンドの詳細については、「6.1.5 システム構成情報のメンテナンスの例」を参照してください。

(c) コンピュータにログオンしていない

GUIインストールモードのジョブを実行している場合、コンピュータが起動されていても、ログオンされていないときはジョブが実行されません。この場合には、リモートインストールマネージャのジョブ実行状況が70%のまま進みません。エージェントの端末にユーザがログオンしていない可能性があります。エージェントの端末の利用ユーザにログオンしているかどうかを確認してください。

(d) 外部プログラム監視時間を設定していない

外部プログラム監視時間を設定していない場合、外部起動プログラムから制御が戻ってこないため、無限に待ち状態になります。実行した外部プログラムが応答を返さない場合には、応答待ちのままとなります。エージェントのUSER_CLT.LOGで、応答が返ってきていないかどうかを確認できます。KDSF0094-Iのメッセージのあとに、KDSF0095-Iのメッセージが出力されていない場合は、外部プログラムからの応答を待っている状態です。

なお、外部プログラム監視時間は、[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスの[外部プログラム]パネルで設定してください。

(e) 接続先設定ファイルまたは上位接続先情報ファイルの設定に誤りがある

接続先設定ファイルまたは上位接続先情報ファイルの設定に誤りがある場合、JP1/IT Desktop Management 2 - Agent から上位サーバに接続できないため、結果を通知できません。この場合、エージェントからJP1/IT Desktop Management 2 - Managerへの接続に失敗し、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのログに結果を出力できません。対象のエージェントのUSER_CLT.LOGで、接続先に対して通信ができているかどうかを確認してください。必要に応じて、接続先設定ファイルまたは上位接続先情報ファイルの内容を見直してください。

(f) ITDM互換配布がエージェントで実行中である

エージェント上ではジョブは、ITDM 互換配布とは同時に実行できません。そのため、ITDM 互換配布がエージェントで実行中のときは、ジョブの状態が実行待ちのままになることがあります。この場合、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのログからは確認ができません。配布(ITDM 互換)画面の[タスク]画面で、該当のエージェントで実行中となっているタスクが存在しないかどうかを確認してください。

(g) リモートインストール後の処理や、AITファイルの処理が正常に終了しない

リモートインストール後の処理や、AIT ファイルの処理が正常に終了しなかった場合、エージェント側のインストールは無限に待ち状態になります。

リモートインストールが完了しないときは、AIT ファイルで、終了時にRegisterWindowMessage を発行していないおそれがあります。この場合、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerにジョブの結果が返されていない状態となるため、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのログで確認できません。対象のエージェントのUSER_CLT.LOGを確認し、インストール処理が実行されているかどうかを確認してください。

(h) インストール前後に起動するユーザプログラムが終了していない

エージェント側のインストールが完了していても、配布管理システム側でジョブ実行状況が70%のままになっているときは、インストール前後に起動するユーザプログラムが終了していないことが考えられます。「(d) 外部プログラム監視時間を設定していない」と同様に、エージェントのUSER_CLT.LOGで確認してください。

(2) ジョブが失敗する

リモートインストールなどのジョブがエラーになった場合、エラーの原因が保守コードとして表示されます。[ジョブ実行状況]ウィンドウから表示される[詳細情報]ダイアログボックスで、保守コードを確認してください。

(3) 中継システムにジョブはあるが、パッケージがない

中継システムで保管されているパッケージは、一定の期間が経過すると自動的に削除されます。パッケージング時、またはジョブの作成時に保管期限を指定しないと、リモートインストールの翌日に削除されます。また、指定していても、リモートインストールした翌日が休日だったり、エージェントの電源を何日も入れなかったりすると、パッケージが削除され、中継システムにジョブはあるが、パッケージがないという状況が発生します。

このような現象を回避するために、パッケージング時、またはジョブの作成時に指定するパッケージの保管期限を考慮して指定してください。ただし、あまり長い期間を指定すると中継システムのハードディスクを圧迫します。

表示される保守コードは次のとおりです。

保守コード:300097030000

(4) パッケージ名の末尾にスペースが補填されたりされなかったりする

[パッケージのインストール]ジョブ実行以外で、エージェントからパッケージ情報が通知された場合、パッケージ名の末尾にスペースが補填される場合と、スペースが補填されない場合があります。

この現象を解消させる場合、すべてのエージェントに対して[最新情報の取得]を実行してください。

(5) エージェントにインストールされた日立プログラムプロダクトのパッケージの名称のスペースが間引かれる

エージェントにインストールされた日立プログラムプロダクトのパッケージの名称のスペースが間引かれる場合があります。

パッケージ名の中のスペースが間引かれて格納されるのは、次の条件が重なった場合です。

この現象を解消させる場合,すべてのエージェントに対して[最新情報の取得]を実行してください。