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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


14.9 dcmpack.exe(パッケージングの実行)

ユーザデータまたはユーザプログラムのパッケージングを実行するdcmpackコマンドについて説明します。

機能

配布管理システム(JP1/IT Desktop Management 2 - Manager)に、ユーザデータまたはユーザプログラムをパッケージングします。

プログラムプロダクトはパッケージングできません。

形式

dcmpack.exe /k パスワード
            /i パラメタファイル名 [/o 結果出力ファイル名]
            [/split /tempdir 一時フォルダ名[/splitfilesize 分割サイズ]]

引数

パラメタファイルの指定内容とコマンド引数との対応

このコマンドで使用するパラメタファイルの内容は、コマンドの引数で指定することもできます。パラメタファイルの指定内容と、コマンドの引数との対応を次の表に示します。

表14‒8 パラメタファイルとコマンドの引数の対応(dcmpackコマンド)

パラメタファイルの指定内容

内容

指定の有無

コマンドの引数

タグ

パラメタ

PACKAGING_SOURCE

file_path

パッケージ対象ファイル名

/P 値

base_fullpath

パッケージ基準ディレクトリパス

/B 値

PACKAGING_INFORMATION

package_name

パッケージ名

/p 値

package_id

パッケージ識別ID

/I 値

version_revision

バージョン/リビジョン

/v 値

generation

世代番号

/G 値

cabinet_name

キャビネット名

/c 値

cabinet_id

キャビネット識別ID

/C 値

package_code

コード種別

×

SYSTEM_CONDITIONS

directory

インストール先ディレクトリ

/D 値

condition

システム条件

※1※2

/O 値

SOFTWARE_CONDITIONS

condition

パッケージ条件

※1※2

/l 値

INSTALLSOFTWARE_CONDITIONS

condition

ソフトウェア条件

※3

FILE_PROPERTIES

permission

ファイルアクセス権の復元

/qYまたは/qN※4

SCHEDULE

expiration_date

中継でのパッケージ保管期限

/x 値

expiration_days

中継でのパッケージ保管日数

/ed 値

installation_date_and_time

インストール日時

/d 値

installation_timing

実行タイミング

/tSまたは/tN

INSTALLATION_METHOD

installation_mode

インストールモード

/mBまたは/mG

OPTION

compress

圧縮の有無

/uYまたは/uN

compress_type

圧縮方法

/ctNまたは/ctH※5

restore

バージョンアップ時のリストア対象の有無

/RYまたは/RN

reboot

インストール後のコンピュータ再起動

/reboot

processing_dialog

インストール時の処理中ダイアログの表示

※2

/procS、/procY、または/procN

USER_PROGRAM_INSTALLATION_CONDITIONS

external_program_executed_before_installation※6

インストール前起動外部プログラム

/b 値

external_program_executed_after_installation

インストール後起動外部プログラム

/a 値

external_program_error_handler※7

インストールエラー時起動外部プログラム

/e 値

external_program_handler

起動外部プログラム

×

exit※7

外部プログラム処理結果の通知方式

/rbR、/rbM、/raR、/raM、/reR、または/reM

action※7

処理結果エラー時の取り扱い

/ybC、/ybS、/yaC、または/yaS

wait※7

監視方式

/wbU、/wbT、/wbG、/waU、/waT、/waG、/weU、または/weY

timeout

監視時間

※8

/n 値

wait_code

監視コード

×

(凡例)

◎:必ず指定する ○:省略できる ×:不要(指定しても無視される)

−:コマンドの引数では指定できない

注※1

システム条件とパッケージ条件を複数指定すると、システム条件がすべての条件を満たし、かつパッケージ条件が1個以上の条件を満たす場合にインストールされます。コマンドの引数で指定する場合、/Oと/lは、合計10個まで指定できます。

注※2

UNIXのコンピュータへ配布するパッケージの場合は指定できません。

注※3

ソフトウェア条件を複数指定すると、どれか1つ以上の条件を満たす場合にインストールされます。

注※4

UNIXのコンピュータへ配布するパッケージの場合、「/qN」を指定してください。

注※5

UNIXのコンピュータへ配布するパッケージの場合、「/ctN」を指定してください。

注※6

UNIXのコンピュータへ配布するパッケージの場合、SCHEDULEタグのinstallation_date_and_timeパラメタと同時に指定すると、このパラメタは無視されます。

注※7

UNIXのコンピュータへ配布するパッケージの場合、パラメタを指定しても無視されます。

注※8

waitでUを指定した場合(コマンドの引数で/wbU、/waU、/weUを指定した場合)は、指定しても無視されます。

パラメタファイルを使用しない場合のコマンド形式

パラメタファイルを使用しないで引数だけで指定する場合の、コマンドの形式を次に示します。

dcmpack.exe /k パスワード
            [/P パッケージ対象ファイル名]
             /B パッケージ基準ディレクトリパス
             /p パッケージ名 /I パッケージ識別ID
             /v バージョン・リビジョン /G 世代番号
             /c キャビネット名 /C キャビネット識別ID
            [/D インストール先ディレクトリ]
            [/O システム条件] [/l パッケージ条件]
            [{/qY|/qN}] [/x 中継でのパッケージ保管期限]
            [/ed 中継でのパッケージ保管日数]
            [/d インストール日時] [{/tS|/tN}] [{/mB|/mG}]
            [{/uY|/uN}] [{/ctH|/ctN}] [{/RY|/RN}]
            [/reboot] [{/procS|/procY|/procN}]
            [/b インストール前起動外部プログラム [{/rbR|/rbM}]
            [{/ybC|/ybS}] [{/wbU|/wbT|/wbG}] [/n 監視時間]]
            [/a インストール後起動外部プログラム [{/raR|/raM}]
            [{/yaC|/yaS}] [{/waU|/waT|/waG}] [/n 監視時間]]
            [/e インストールエラー時起動外部プログラム
            [{/reR|/reM}] [{/weU|/weY}] [/n 監視時間]]
            [/o 結果出力ファイル名]
            [/split /tempdir 一時フォルダ名[/splitfilesize 分割サイズ]]

リターンコード

dcmpackコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。

コード

意味

対処

0

正常終了した。

なし。

1

パラメタファイルをオープンできない、またはファイル形式が不正。

パラメタファイルの指定または記述形式を確認してください。

2

コマンドの引数またはパラメタファイルに不正な値が指定されている。

コマンドの引数またはパラメタファイルの設定値を確認してください。

3

データベースの接続に失敗した。

配布管理システムのセットアップで、データベースの設定を確認してください。

4

結果出力ファイルを作成できなかった、または予約語を使用したバージョン・リビジョンおよび世代番号の自動カウントアップに失敗した。ただしパッケージの登録には成功した。

パッケージングするファイルを指定したパスを確認してください。

5

JP1/IT Desktop Management 2のサービスの接続に失敗した。

JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのサービスが開始しているかどうかを確認してください。

6

配布管理システムとのデータ送受信に失敗した。

通信環境を確認してください。

7

次のどちらかを意味する。

  • パッケージング対象のファイルまたはディレクトリがない。

  • パッケージ対象のファイルまたはディレクトリ数が上限値を超過した。

  • パッケージングするファイルまたはディレクトリを指定したパスを確認してください。

  • パッケージ対象のファイルまたはディレクトリ数を減らしてください。

9

パッケージング対象のパッケージはすでにパッケージングされている。

次の項目のうち、どれか1つを変更して再度パッケージングしてください。

  • キャビネット識別ID

  • パッケージ識別ID

  • バージョン番号

  • 世代番号

12

そのほかのエラーが発生した。

イベントログを参照してください。

13

パスワードに誤りがある。

パスワードの指定を確認してください。

14

バージョン・リビジョンまたは世代番号を自動カウントアップした結果、指定できる最大けた数を超えたため、パッケージの登録に失敗した。

バージョン・リビジョンおよび世代番号の予約語の設定を確認してください。

32

分割ファイルの出力時にエラーが発生した。

/tempdir引数で指定したフォルダの有無やアクセス権、空き容量を確認してください。

注意事項

実行例

C:\Finance\data0401ディレクトリ下にあるファイルを、次のようにパッケージングする例を次に示します。

パラメタファイルの作成

パラメタファイルを次のように作成します。

** dcmpack Parameter File Sample
 
PACKAGING_SOURCE{
file_path=FD200304.dat
base_fullpath= C:\Finance\data0401
}
PACKAGING_INFORMATION
{
package_name=Finance Data 2003 4
package_id=FD200304
version_revision=000001
generation=0000
cabinet_name=FCAB01
cabinet_id=F1
package_code=P
}
SYSTEM_CONDITIONS{
condition=H:c>=300
directory=C:\Finance
}
USER_PROGRAM_INSTALLATION_CONDITIONS
{
external_program_executed_after_installation = C:\Dmbat\app\normal_exit.exe
}
コマンドの実行

パラメタファイルをC:\Dmbat\para.txtに保存した場合、コマンドは次のように実行してください。

dcmpack.exe /i C:\Dmbat\para.txt