Hitachi

JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


14.6 dcminst.exe(ジョブの作成、実行)

ジョブを作成、実行するdcminstコマンドについて説明します。

このコマンドで実行したジョブは、配布管理システムの[ジョブ実行状況]ウィンドウで実行結果を確認できます。

機能

次に示す、リモートインストール関連のジョブを作成、実行します。

形式

dcminst.exe [処理キー] [/f] [/s]
            /i パラメタファイル1 [パラメタファイル2]
            /o 結果出力ファイル名

引数

パラメタファイルの指定内容とコマンド引数との対応

このコマンドで使用するパラメタファイルの内容は、コマンドの引数で指定することもできます。パラメタファイルの指定内容と、コマンドの引数との対応を次の表に示します。

表14‒5 パラメタファイルとコマンドの引数の対応(dcminstコマンド)

パラメタファイルの指定内容

内容

指定の有無

コマンドの引数

タグ

パラメタ

JOB_DESTINATION

group

あて先グループ名

※1

/g 値

host_name

ホスト名

※1

/h 値

JOB_DESTINATION_ID

destination_id

ID名

※1

/X 値

PACKAGING_INFORMATION※2

package_name

パッケージ名

/p 値

package_id

パッケージ識別ID

/I 値

version_revision

バージョン/リビジョン

/v 値

generation

世代番号

/G 値

cabinet_name

キャビネット名

/c 値

cabinet_id

キャビネット識別ID

/C 値

package_code

コード種別

/KWまたは/KP

JOB_ATTRIBUTE

job_generator

ジョブ名称

※3

/j 値

jobno

ジョブ番号

×

job_folder

ジョブ格納フォルダパス

/l 値

unsuspended

中断中の配布の有無

※4

/uns 値

JOB_SCHEDULE

job_entry_date

ジョブの登録日時

/jst 値

job_execution_date

ジョブの実行日時

/jsx 値

job_expiration_date

ジョブの実行期限

/jsp 値

JOB_SPLIT_DELIVERY※4

split_size

分割サイズ

/sds 値

wait_time

転送休止時間

/sdt 値

JOB_CLIENT_CONTROL

client_wake_up

クライアントの起動の有無

/WWU

client_shutdown

クライアントのシャットダウンの有無

/WUS

(凡例)

◎:必ず指定する ○:省略できる ×:不要(指定しても無視される)

−:コマンドの引数では指定できない

注※1

JOB_DESTINATIONとJOB_DESTINATION_IDは同時に指定できません。また、/gおよび/hは/Xと同時に指定できません。必ずどちらかだけを指定してください。

なお、処理キーが「NETM_STORE」または「NETM_DELETE」の場合、IDは指定できません。

注※2

このコマンドでは、PACKAGING_INFORMATIONタグのパラメタに予約語を使用できません。

注※3

job_generator(または/j)の指定を省略した場合、ジョブ名称として「処理キー+ジョブの実行日時」が自動的に設定されます。このため、同じ処理キーのコマンドを同時に複数実行すると、ジョブ名称が重複しジョブが正しく実行されないことがあります。同じ処理キーのコマンドを同時に複数実行する場合は、job_generator(または/j)で、異なるジョブ名称を指定することをお勧めします。

注※4

JOB_ATTRIBUTEのunsuspendedおよびJOB_SPLIT_DELIVERYは同時に指定できません。

パラメタファイルを使用しない場合のコマンド形式

パラメタファイルを使用しないで引数だけで指定する場合の、コマンドの形式を次に示します。

dcminst.exe [処理キー] [/f] [/s]
            {[/g あて先グループ名] [/h ホスト名]|/X ID名}
              /p パッケージ名 /I パッケージ識別ID
              /v バージョン・リビジョン /G 世代番号
              /c キャビネット名 /C キャビネット識別ID
            [{/KW|/KP}]
            [/j ジョブ名称] [/l ジョブ格納フォルダパス]
            [/uns 中断中の配布の有無]
            [/jst ジョブの登録日時] [/jsx ジョブの実行日時]
            [/jsp ジョブの実行期限]
            [/sds 分割サイズ] [/sdt 転送休止時間]
            [/WWU クライアントの起動の有無]
            [/WUS クライアントのシャットダウンの有無]
             /o 結果出力ファイル名

リターンコード

dcminstコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。

コード

意味

対処

0

配布管理システムがジョブを開始した。

なし。

1

パラメタファイルをオープンできない、またはファイル形式に誤りがある。

パラメタファイルの指定または記述形式を確認してください。

2

コマンドの引数またはパラメタファイルに不正な値が指定されている。

コマンドの引数またはパラメタファイルの設定値を確認してください。

3

データベースの接続に失敗した。

配布管理システムのセットアップで、データベースの設定を確認してください。

4

結果出力ファイルをオープンできない。

結果出力ファイルの指定を確認してください。

5

JP1/IT Desktop Management 2のサービスの接続に失敗した。

JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのサービスが開始しているかどうかを確認してください。

12

そのほかのエラーが発生した。

イベントログを参照してください。

注意事項

実行例

JP1/IT Desktop Management 2 - Agent(エージェント)が稼働するホストdmp491およびdmp492に、Finance Data 2003 5という名称でパッケージングしたソフトウェアを配布する例を次に示します。

パラメタファイルの作成

ホストとパッケージの属性をパラメタファイルに次のように記述し、パラメタファイルを任意の名称で保存します。

** dcminst Parameter File Sample
 
JOB_DESTINATION{
host_name=dmp491;dmp492
}
PACKAGING_INFORMATION
{
package_name=Finance Data 2003 5
package_id=FD200305
version_revision=000001
generation=0000
cabinet_name=FCAB01
cabinet_id=F1
package_code=P
}
コマンドの実行

作成したパラメタファイルをC:\Dmbat\dcminst.txtに保存し、結果出力ファイルをC:\Dmbat\out.txtに取得する場合は、次のように指定します。

dcminst.exe /i C:\Dmbat\dcminst.txt /o C:\Dmbat\out.txt /j 上書きインストール /f
結果出力ファイルの確認

コマンドが正常終了すると、ジョブのジョブ名称、ジョブ番号、ジョブ格納フォルダパスが、C:\Dmbat\out.txtに次のように出力されます。

JOB_ATTRIBUTE{
job_generator= NETM_INSTALL_2003_12_11_13_34_36
jobno= JB03121113315383
job_folder= \
}