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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


10.2.4 [あて先]パネルの設定

[あて先]パネルでは、ジョブの実行対象となるホストやグループを設定します。

図10‒8 [あて先]パネル

[図データ]

まず、あて先の属性を選択してから、[追加]ボタンをクリックしてあて先を追加してください。「あて先」欄に、ジョブの実行対象として設定したID、あて先グループおよび管理対象のコンピュータが表示されます。一度設定したあて先を削除したり、あて先の経路を変更したりすることもできます。

あて先の属性、あて先の追加方法、および経路の変更方法について次に示します。

〈この項の構成〉

(1) あて先の属性

[あて先]パネルであて先を設定する場合、まずあて先の属性を選択します。あて先の属性には、次の種類があります。

(a) あて先グループ

ジョブのあて先として、あて先グループ、または特定のホスト(管理用中継サーバ、中継システム、エージェント)を指定したい場合に選択します。IDが設定されているジョブのあて先の属性を「あて先グループ」に変更すると、IDを管理している中継システムおよび管理用中継サーバ、またはIDに登録されている管理対象のコンピュータをあて先としたジョブが登録されます。

あて先グループまたはホストを指定した場合、ジョブの種類によってジョブが実行されるホストが異なります。次に、指定するあて先とジョブ種別の関係を示します。

表10‒2 指定するあて先とジョブ種別の関係

項番

ジョブ種別

指定するあて先

エージェント

中継システム

あて先グループ

管理用中継サーバ

1

パッケージのインストール

2

中継までのパッケージの転送

×

3

中継のパッケージの一括削除

×

4

リモートコレクト

5

中継までのリモートコレクト

6

中継からのコレクトファイル収集

×

7

中継のコレクトファイル削除

×

8

クライアントユーザによるインストール

9

システム構成情報の取得

×

×

10

コンピュータ(UNIX)のシステム情報の取得

※1

×

※2

×

11

コンピュータ(UNIX)のソフトウェア情報の取得

※1

×

※2

×

12

中継からの結果通知保留

×

13

中継の結果通知保留の解除

×

14

ファイル転送の中断

×

15

ファイル転送の再開

×

(凡例)

○:指定したホストでジョブが実行されます。

×:指定したホストではジョブが実行されません。

△:指定したあて先グループに属する中継システムおよび管理用中継サーバでジョブが実行されます。

また、指定したあて先グループの下位のあて先グループに属する中継システムおよび管理用中継サーバでもジョブが実行されます。

◎:指定したあて先グループに属するすべてのホストでジョブが実行されます。

また、指定したあて先グループの下位のあて先グループに属するすべてのホストでもジョブが実行されます。

注※1

あて先がUNIXエージェントまたはMacエージェントの場合だけ実行されます。

注※2

指定したあて先グループに属するUNIXエージェントまたはMacエージェントが対象になります。

(b) ID

ジョブのあて先としてIDを指定する場合に選択します。あて先にIDを指定すると、IDに属しているコンピュータに対してジョブが実行されます。

新規に追加されるコンピュータに対してジョブを実行したい場合は、あて先にIDを指定すると便利です。コンピュータの接続先システムにIDジョブが保管されていれば、コンピュータがIDに登録されると、そのコンピュータに対して自動的にジョブが実行されます。なお、システム構成情報とIDの情報を連携している場合、IDに登録されたコンピュータの接続先を変更して経路が変更になったときには旧経路に存在しているコンピュータあてのIDジョブが削除され、新経路で再度、コンピュータあてのIDジョブが登録、実行されます。

あて先の属性に「ID」を指定できるジョブ種別を次に示します。

  • パッケージのインストール

  • クライアントユーザによるインストール

  • コンピュータ(UNIX)のシステム情報の取得

  • コンピュータ(UNIX)のソフトウェア情報の取得

注※

このジョブはMacエージェントにも適用できます。

なお、経路を含むID管理元中継を指定する場合、あて先として複数のIDを指定できません。IDごとにジョブを分けて指定してください。例えば、あて先がID01とID02になる場合は、あて先として次のように指定したジョブを2つ作成してください。

ホスト識別子!%ID01

ホスト識別子!%ID02

(2) あて先の追加方法

[あて先]パネル上であて先を追加する方法を次に示します。

  1. [あて先]パネルで、追加するあて先の属性を選択し、[追加]ボタンをクリックする。

    [あて先の追加]ダイアログボックスが表示されます。[あて先の追加]ダイアログボックスは、見やすいサイズに変更できます。サイズを変更した場合、次回から変更したサイズで表示されます。

    図10‒9 [あて先の追加]ダイアログボックス

    [図データ]

    「追加元」、「グループ/中継名」を選択すると表示される「あて先/エージェント」の一覧から、「あて先」に追加するホストを選択します。

    追加元

    [システム構成]または[あて先]ウィンドウのどちらのウィンドウの情報を利用してあて先を追加するかを選択します。

    グループ/中継名

    「追加元」で「システム構成」を選択した場合は、中継システムおよび管理用中継サーバが階層構造で表示されます。「あて先」を選択した場合は、あて先グループまたはIDが表示されます。

    あて先/エージェント

    「追加元」で「システム構成」または「あて先」を選択した場合は、「グループ/中継名」で選択した管理用中継サーバ、中継システム、またはあて先グループに含まれるホストの一覧が表示されます。ネットワークの直下のコンピュータは、「グループ/中継名」で「ネットワーク」をクリックすると表示されます。

    あて先入力

    [システム構成]ウィンドウにないホストを追加する場合に、ホストまでの経路を設定します。経路は、「ホスト名1!ホスト名2」のようにホストを「!」で区切って設定します。

    ホスト名は、ホスト識別子で入力してください。

    ホスト名の指定方法は、「5.1.2 JP1/IT Desktop Management 2でのホスト名の付け方」を参照してください。

    あて先として中継システムを指定するジョブで、あて先の経路を指定する場合は、次に示すとおり経路とあて先の両方に中継システムの名称を指定してください。

    (例)

    中継システムをあて先として指定する場合

    中継システムのホスト識別子!中継システムのホスト識別子

    IDを入力する場合は、IDの先頭に「%」を付けます。あて先グループは指定できません。なお、中継システムで管理しているIDを指定する場合は、IDの数は1つだけにしてください。

    (例)

    中継システムを使用する構成で、その中継システムで管理しているID(ID01)を設定する場合

    中継システムのホスト識別子!%ID01

    JP1/IT Desktop Management 2が管理しているID(IDSERVER)を設定する場合

    %IDSERVER

  2. 左側の欄で、あて先として追加するホスト、あて先グループ、またはIDを選択し、[>]ボタンをクリックする。

    選択した項目が、右側の「あて先」欄に追加されます。このとき[>>]ボタンをクリックすると、「あて先/エージェント」欄に表示されているすべてのホストまたはコンピュータが「あて先」欄に追加されます。

    設定した項目を「あて先」欄から削除したい場合は[<]ボタンをクリックします。

  3. [OK]ボタンをクリックする。

    [あて先の追加]ダイアログボックスが閉じ、設定したあて先が[あて先]パネルの「あて先」欄に表示されます。

(3) 経路の変更方法

[あて先]パネルで[経路変更]ボタンをクリックすると、ジョブの実行経路を変更できます。障害が発生した中継システムを避け、別の中継システムを経由してジョブを実行するなどの運用ができます。

経路を変更する場合、次の点に注意してください。

経路を変更する方法を次に示します。

  1. [あて先]パネルで経路を変更するあて先を選択し、[経路変更]ボタンをクリックする。

    [ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスが表示されます。[あて先]パネルで選択したあて先、およびすべての中継システムが[システム構成]ウィンドウで定義した経路で表示されます。

    図10‒10 [ジョブあて先経路変更]ダイアログボックス

    [図データ]

  2. 経路を変更する中継システムを選択して、[変更]、[移動]または[追加]ボタンをクリックする。

    [変更]ボタン

    [変更中継の候補一覧]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで指定した中継システム下に、[ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスで指定した中継システムの配下の管理対象のコンピュータが移動されます。

    [追加]ボタン

    [追加中継の候補一覧]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで指定した中継システムおよび配下の管理対象のコンピュータが、[ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスで指定した中継システム下に移動されます。

    [移動]ボタン

    [移動先中継の候補一覧]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで指定した中継システム下に、[ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスで指定した管理対象のコンピュータが移動されます。

    [リセット]ボタン

    [ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスの中継システムおよび配下の管理対象のコンピュータが、並びを変更する前の状態に戻します。

    経路変更ウィンドウ内の管理対象のコンピュータや中継システムは、マウスのドラッグ&ドロップ操作で移動することもできます。また、アイコンの名称部分をクリックし、直接名称を入力して変更することもできます。

  3. [OK]ボタンをクリックする。

    [ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスが閉じ、変更した経路が[あて先]パネルに表示されます。

(4) あて先を設定するときの注意事項

あて先を設定するときの注意事項を次に示します。

(a) あて先の長さの制限

あて先の長さが256文字以上のジョブは、[ジョブ実行状況]ウィンドウにジョブの実行状況が表示されません。あて先は、255文字以下の長さで指定してください。

(b) あて先属性の変更について

すでにあて先グループが設定されているジョブのあて先の属性を「ID」に変更すると、ID以外のあて先は削除されます。逆に、IDが設定されているジョブのあて先の属性を「あて先グループ」に変更すると、IDを管理している中継システム、またはIDに登録されている管理対象のコンピュータをあて先としたジョブが登録されます。

(c) 存在しないあて先を指定したジョブの扱い

存在しないあて先を設定したジョブは作成しないでください。このようなジョブを実行すると、リモートインストールマネージャの動作が遅くなるなどの影響を与えることがあります。

設定したあて先に存在しないあて先が含まれているときは、存在するあて先だけを対象にしてジョブが実行されます。なお、存在しないあて先に対するジョブの実行後の状態は、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのセットアップの[アドレス解決の設定]パネルの設定によって異なります。「アドレス解決できないあて先へのジョブ」の項目の設定が「エラーとする」の場合は「エラー」、「エラーとしない」の場合は「実行待ち」となります。

(d) 管理用中継サーバの名称を指定する場合

管理用中継サーバの名称を直接入力する、または管理用中継サーバを経由するあて先の経路を指定するときは、ノード識別キーに関係なく、管理用中継サーバの名称を必ずホスト名で指定してください。

(e) 運用キーの設定について

JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのセットアップの[アドレス解決の設定]パネル、またはエージェント設定の[中継システムの設定]−[運用キーの設定]で、キー項目を「ホスト名」にしている場合はアドレス解決の方法を「Windowsネットワークを使用する」に設定をしてください。

アドレス解決の方法を「JP1/IT Desktop Management 2のシステム構成情報を使用する」に設定している場合、ジョブ実行時に、次の方法であて先を指定すると、あて先に対するジョブ実行要求の送信ができません。しかし、「アドレス解決できないあて先へのジョブ」を「エラーとしない」設定にしている場合、あて先からのポーリングによって、ジョブは実行されます。

  • [あて先の追加]ダイアログボックスの「あて先入力」で、あて先を指定。

  • 経路変更をして、あて先を指定。