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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


7.2.14 パッケージング環境のカスタマイズ

次のパッケージング時の環境を、ユーザの運用に合わせて設定できます。

これらのパッケージング環境は、[JP1/ITDM2 パッケージャ]ウィンドウの[オプション]メニューから[デフォルト値のカスタマイズ]を選択し、表示される[デフォルト値のカスタマイズ]ダイアログボックスで設定します。

パッケージング環境をカスタマイズするには、レジストリ「HKEY_LOCAL_MACHINE」に対するアクセス権が必要です。

〈この項の構成〉

(1) [処理中ダイアログ]パネル

パッケージング処理の実行中に、処理中であることを示すダイアログボックスを表示するかどうかを設定できます。上位システムと接続中であることを示すダイアログボックスと、パッケージング中であることを示すダイアログボックスについて、それぞれ設定できます。デフォルトでは、どちらの処理中ダイアログボックスも表示されます。

図7‒20 [処理中ダイアログ]パネル

[図データ]

(2) [パッケージ属性]パネル

[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスで設定する各項目のデフォルト値を設定できます。

[パッケージ属性]パネルの「設定項目」には、[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスのパネル名に相当する項目が表示されます。「設定項目」から項目を選択したあと、パネルの右側で[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスのデフォルト値を設定します。

(a) パッケージング情報

[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスの「パッケージ名」、「パッケージ識別ID」、「バージョン/リビジョン」、および「世代番号」のデフォルト値を設定できます。この設定は、パッケージ種別が「ユーザプログラム、データ」のパッケージングのときだけ有効になります。デフォルトは、すべてのチェックボックスがオフです。

図7‒21 [パッケージ属性]パネル(パッケージング情報)

[図データ]

パッケージ名/識別ID

「パッケージ名」および「パッケージ識別ID」のデフォルト値を設定する場合にチェックします。

ファイル/フォルダ名から取得する

パッケージング時に選択したフォルダまたはファイルの名称を、デフォルトの「パッケージ名」および「パッケージ識別ID」にします。パッケージ識別IDは、すべて大文字に変換されます。

ファイルを選択した場合、ピリオドと拡張子を除く名称が使用されます。複数のフォルダまたはファイルを選択した場合は、選択されている先頭のフォルダまたはファイルの名称が使用されます。使用できる最大文字数を超える文字列は削除されます。使用禁止文字およびスペースが含まれている場合は、削除されます。使用禁止文字だけの場合は、空欄になります。

パッケージングした日時から取得する

パッケージングした日時を、デフォルトの「パッケージ名」および「パッケージ識別ID」にします。「パッケージ名」と「パッケージ識別ID」は同じ名称になります。

日時の形式は「形式」から選択できます。YYYYまたはYYは年、MMは月、DDは日、HHは時、MMは分、SSは秒を意味します。年月日時分秒の値が1けたの場合は、前に0が付加されて、2けたになります。

バージョン

「バージョン/リビジョン」のデフォルト値を設定する場合にチェックします。

カウンタ

「カレント値」で指定した値を、デフォルトの「バージョン/リビジョン」にします。カレント値は、パッケージングが成功したときに、「増分値」で指定した値が足され、更新されます。ただし、パッケージング時に「バージョン/リビジョン」の値を変更した場合、カレント値は更新されません。また、カレント値は999,999を超えると、0に戻ります。「カレント値」に設定できる値は0〜999,999、「増分値」に設定できる値は0〜10です。

「バージョン/リビジョン」を固定値にしたい場合は、増分値を0に設定します。これによって、「カレント値」の値は更新されないで、「バージョン/リビジョン」には常に同じ値が表示されます。

パッケージングした日時から取得する

パッケージングした日時を、デフォルトの「バージョン/リビジョン」にします。日時の形式は「形式」から選択できます。YYMMDDは年月日、MMDDYYは月日年、DDMMYYは日月年、MMDDHHは月日時、HHMMSSは時分秒を意味します。年月日時分秒の値が1けたの場合は、前に0が付加されて、2けたになります。

世代番号

「世代番号」のデフォルト値を設定する場合にチェックします。

カウンタ

「カレント値」で指定した値を、デフォルトの「世代番号」にします。カレント値は、パッケージングが成功したときに、「増分値」で指定した値が足され、更新されます。ただし、パッケージング時に「世代番号」の値を変更した場合、カレント値は更新されません。また、カレント値は9,999を超えると、0に戻ります。「カレント値」に設定できる値は0〜9,999、「増分値」に設定できる値は0〜10です。

「世代番号」を固定値にしたい場合は、増分値を0に設定します。これによって、「カレント値」の値は更新されないで、「世代番号」には常に同じ値が表示されます。

パッケージングした日時から取得する

パッケージングした日時を、デフォルトの「世代番号」にします。日時の形式は「形式」から選択できます。MMDDは月日、DDMMは日月、HHMMは時分、MMSSは分秒、YYMMは年月、MMYYは月年を意味します。年月日時分秒の値が1けたの場合は、前に0が付加されて、2けたになります。

注意事項

「バージョン」または「世代番号」の「増分値」を指定したい場合は、「開始値」を次のとおり指定してください。

  • 「バージョン」の「開始値」:100,000以上の6けたの値

  • 「世代番号」の「開始値」:1,000以上の4けたの値

上記以外の値を指定すると、パッケージング時にパッケージ条件を指定しても、正しく判定されないことがあります。

(b) ソフトウェア条件

リモートインストールするときの前提となるソフトウェア条件のデフォルト値を設定します。

図7‒22 [パッケージ属性]パネル(ソフトウェア条件)

[図データ]

条件

条件指定したソフトウェアがエージェントにインストールされていることを条件にするのか、インストールされていないことを条件にするのかを設定できます。デフォルトは「インストール済み」です。

複数条件の判定

複数の条件を設定した場合、1個以上の条件を満たすときにインストールするか、すべての条件を満たすときだけインストールするかを選択できます。デフォルトは、「いずれかの条件を満たす」です。

(c) パッケージ条件

リモートインストールするときの前提となるパッケージ条件のデフォルト値を設定できます。

図7‒23 [パッケージ属性]パネル(パッケージ条件)

[図データ]

パッケージ名/パッケージ識別ID

前提とするパッケージをパッケージ名で特定するのか、パッケージ識別IDで特定するのかを設定できます。デフォルトは「パッケージ名」です。

条件

条件指定したパッケージが管理対象のコンピュータにインストールされていることを条件にするのか、インストールされていないことを条件にするのかを設定できます。デフォルトは「インストール済み」です。

複数条件の判定

複数の条件を設定した場合、1個以上の条件を満たすときにインストールするか、すべての条件を満たすときだけインストールするかを選択できます。デフォルトは、「いずれかの条件を満たす」です。

(d) ファイル属性

リモートインストール後のファイル属性のデフォルト値を設定できます。ただし、「パッケージング元のアクセス権/所有者と同じ」を選択した場合、パッケージングするファイルまたはディレクトリが、FATファイルシステムのとき、[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスでは「インストール先のアクセス権/所有者と同じ」が選択されます。

図7‒24 [パッケージ属性]パネル(ファイル属性)

[図データ]

デフォルトは「インストール先のアクセス権/所有者と同じ」です。この設定は、次のパッケージングのときだけ有効になります。

  • パッケージ種別が「ユーザプログラム、データ」

  • パッケージ種別が「他社ソフトウェア」で、AITファイルを使用する場合

(e) スケジュール

[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスの「中継でのパッケージ保管期限」と「実行タイミング」のデフォルト値を設定できます。

図7‒25 [パッケージ属性]パネル(スケジュール)

[図データ]

中継でのパッケージ保管日数

パッケージングを実行した日付に、ここで指定した日数を加算したものが、中継でのパッケージ保管期限のデフォルト値となります。1〜32,000日で指定します。デフォルトは90日です。最大値として32,000日(約88年に相当)まで指定できますが、パッケージング時の「中継でのパッケージ保管期限」が2036年1月1日以降になる場合は、自動的に2035年12月31日に変更されます。

中継でのパッケージ保管期限をオンにする

[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスの「中継でのパッケージ保管期限」のデフォルト値をオンにする場合はチェックします。デフォルトはオフです。

実行タイミング

パッケージをインストールするタイミングを設定します。デフォルトは「すぐに実行」です。[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスのデフォルトを空欄にしたい場合は、「デフォルト設定なし」を設定してください。設定できる項目を次に示します。

  • 次回起動時に実行

  • すぐに実行

  • 停止時に実行

    この項目は、UNIXエージェントの場合だけ有効です。

  • デフォルト設定なし

(f) インストール方法

[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスの「インストールモード」のデフォルト値を設定できます。デフォルトは「バックグラウンドインストールモード」です。この設定は、パッケージ種別が「ユーザプログラム、データ」のパッケージングのときだけ有効になります。

図7‒26 [パッケージ属性]パネル(インストール方法)

[図データ]

(g) オプション

リモートインストール時のオプション項目のデフォルト値を設定できます。

図7‒27 [パッケージ属性]パネル(オプション)

[図データ]

パッケージデータの圧縮

パッケージング時、ソフトウェアを圧縮するかどうかのデフォルト値を設定できます。デフォルトはオフです。

バージョンアップ時リストア対象とする

バージョンアップ時に、リモートインストール先の前バージョンのソフトウェアをバックアップするかどうかのデフォルト値を設定できます。この設定は、パッケージ種別が「ユーザプログラム、データ」のパッケージングのときだけ有効になります。デフォルトはオフです。

インストール後コンピュータを再起動する

パッケージのインストール後に、管理対象のコンピュータを自動的に再起動させるかどうかのデフォルト値を設定できます。デフォルトはオフです。

処理中ダイアログの表示

パッケージのインストール時に、管理対象のコンピュータで処理中ダイアログを表示するかどうかのデフォルト値を設定できます。デフォルトは「エージェントの設定に従う」です。設定できる項目を次に示します。

  • エージェントの設定に従う

  • 表示する

  • 表示しない

(h) 外部プログラム

インストール直前、直後、およびインストールエラーのそれぞれの場合に、起動させたい外部プログラムと、外部プログラムの監視時間のデフォルト値を設定できます。「外部プログラム監視時間」のデフォルトは1秒、それ以外の項目のデフォルトはすべて空欄です。

図7‒28 [パッケージ属性]パネル(外部プログラム)

[図データ]

また、「設定項目」の「インストール直前起動外部プログラム詳細設定」、「インストール直後起動外部プログラム詳細設定」、または「インストールエラー時起動外部プログラム詳細設定」を選択することで、外部プログラムの詳細のデフォルト値を設定できます。デフォルト値を設定できる項目と、それぞれのデフォルトを次に示します。

設定できる項目

デフォルト

外部プログラムの時間監視

オフ

外部プログラム処理結果の取得方法

外部プログラムの終了コードで通知

処理結果エラー時の取り扱い

エラーとして処理を中断する

注※

「インストールエラー時起動外部プログラム詳細設定」を選択したとき、この項目は設定できません。

(i) AITファイルの設定

AITファイルを使用したインストール処理の応答を監視するかどうかのデフォルト値を設定できます。この設定は、パッケージ種別が「他社ソフトウェア」で、AITファイルを使用してパッケージングするときだけ有効になります。

図7‒29 [パッケージ属性]パネル(AITファイルの設定)

[図データ]

AITファイルを使用したインストール処理の応答を監視する場合は、「AITファイルの監視」をオンにし、「AITファイルの監視時間」に監視する時間の上限値を指定します。デフォルトはオフです。

(3) [ディレクトリ]パネル

パッケージャがソフトウェアをパッケージングするときに使用するワークディレクトリを指定できます。パッケージングするソフトウェアの最大サイズ以上の容量が必要です。デフォルトは、「JP1/IT Desktop Management 2 - Agentのインストール先ディレクトリ\PKG\WORK」です。

図7‒30 [ディレクトリ]パネル

[図データ]

(4) [監査ログ]パネル

パッケージング時の監査ログの出力について設定します。

なお、このパネルは、パッケージャがJP1/IT Desktop Management 2 - Managerと異なるコンピュータにインストールされている場合だけ表示されます。

図7‒31 [監査ログ]パネル

[図データ]

監査ログを出力する

監査ログを出力する場合にチェックボックスをオンにします。デフォルトはオフです。オンにすると、監査ログの出力に関する設定項目が活性化します。

監査ログの出力ディレクトリ

監査ログを出力するディレクトリを、4〜127バイトの全角または半角文字、および「_」、「\」、「.」、「:」、「(」、「)」、「「」、「」」で指定します。

デフォルトでは出力先のディレクトリは指定されていません。指定した出力先のディレクトリには、JP1/IT Desktop Management 2を使用するユーザに対して書き込み権限を設定しておく必要があります。

監査ログは、ここで指定したディレクトリの直下に生成されるNETMAuditManager.LOGファイルに出力されます。

なお、監査ログの出力ディレクトリにJP1/IT Desktop Management 2 - Agentのインストール先ディレクトリを指定した場合、JP1/IT Desktop Management 2 - Agentをアンインストールすると監査ログも削除されてしまいます。出力ディレクトリは、監査ログの運用方法に合わせて指定してください。