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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


7.2.13 他社ソフトウェアのパッケージングのバリエーション

他社ソフトウェアをパッケージングするには、次の方法があります。

  1. AITファイルおよびPP識別情報ファイルを使用する方法

  2. AITファイルを省略する方法

前に説明した[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスの設定方法では1を前提に説明しているため、ここでは2の方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) AITファイルを省略する方法

通常、JP1/IT Desktop Management 2では、インストーラの付属しているソフトウェアを配布する場合、インストーラの動作手順を定義したAITファイルを組み込んだパッケージを配布することで、利用者の手を煩わせることなく管理対象のコンピュータに自動的にリモートインストールしています。

これに対し、自動的にリモートインストールするのではなく、利用者自身がコンピュータに手動でパッケージをインストールする運用をしたい場合もあります。この運用方法では、AITファイルが不要となります。操作方法について、次に説明します。

(a) AITファイルを省略する他社ソフトウェアのパッケージング方法

AITファイルを使用しないで、他社ソフトウェアをパッケージングする方法について次に示します。

  1. インストール定義ファイルを用意する場合は、インストール定義ファイルを作成する。

  2. パッケージャを起動して他社ソフトウェアをパッケージングして登録する。

  3. マネージャ側でリモートインストールマネージャを起動し、手順2で登録したパッケージを「クライアントユーザによるインストール」ジョブとして、インストールを実行したいコンピュータに対してジョブを実行する。

  4. 管理対象のコンピュータ側でパッケージセットアップマネージャを起動し、[Package Setup Manager]ウィンドウから対象のパッケージを選択してインストールを実行する。

    ソフトウェアの「インストール方法」は「手動」だけが活性化されるので、利用者自身でインストーラを操作してインストールします。

(b) 注意事項

AITファイルを省略したパッケージを配布するときは、必ず「クライアントユーザによるインストール」ジョブを実行して、パッケージセットアップマネージャからインストールしてください。「パッケージのインストール」を指定したジョブは最終的にエラーとなります。

(2) インストール定義ファイルの作成

インストール定義ファイルには、セットアップ方法の種類やFDを入れる順番などを記述します。

パッケージャのPCで、次のディレクトリにインストール定義ファイル(INSTABL.DEF)を作成してください。

パッケージャのインストール先ディレクトリ\DMPRM\INSTABL.DEF

(a) ファイルの形式

インストール定義ファイルの形式は、次のとおりです。

等号(=)の前後には,1文字以上の半角スペース、またはTABコードを入力してください。

[Package]
PackageID = パッケージ識別ID
Maker = メーカ名
Version = バージョン
Product = パッケージ名
InstallerName = インストールプログラム名
InstallKind = 番号.セットアップ方法
InstallDrive = インストールドライブ
InstallDirectory = インストール先ディレクトリ
JUser = 所有者のユーザ名(日本語の場合)
EUser = 所有者のユーザ名(英語の場合)
JCompany = 所有者の会社名(日本語の場合)
ECompany = 所有者の会社名(英語の場合)
SetFdNumber = FDをセットする順番
RecordFileDirectory = レコーダファイルのディレクトリ
RecordFileVersion = Visual Testのバージョン
[Package]
:
:

インストール定義ファイル内で、各ソフトウェアの定義は[Package]の記述で始めます。ソフトウェアが複数ある場合は、その数だけ[Package]の記述をしてください。[Package]に続く各項目は、「属性名 = 属性値」の形で定義します。これらの項目をすべて定義する必要はありませんが、必ず定義しなければいけない項目もあるのでご注意ください。各属性名の詳細を、次に示します。

  • PackageID = パッケージ識別ID(必ず定義)

    パッケージ識別IDを指定します。使える文字は、半角の「A〜Z、-、0〜9」です。

    指定できる長さは、半角で1〜44文字です。

  • Maker = メーカ名

    ソフトウェアのメーカ名を指定します。使える文字に制限はありません。

    指定できる長さは、半角で1〜30文字です。

  • Version = バージョン(必ず定義)

    ソフトウェアのバージョンを指定します。使える文字は、半角の「A〜Z、0〜9、/」です。

    指定できる長さは、半角で1〜6文字です。なお、世代番号は、「0000」固定になります。

  • Product = パッケージ名(必ず定義)

    パッケージ名を指定します。「\」は指定できません。

    指定できる長さは、半角で1〜50文字です。

  • InstallerName = インストールプログラム名(必ず定義)

    ソフトウェアをインストールするときの、インストールプログラム(インストーラ)名を指定します。使える文字に制限はありません。指定できる長さは、半角で1〜256文字です。

    媒体がCD-ROMの場合はインストールプログラム名の先頭に、#を付加してください。

    (例)

    媒体がFDの場合

    InstallerName = INSTALL.EXE

    媒体がCD-ROMの場合

    InstallerName = #INSTALL.EXE

  • InstallKind = 番号.セットアップ方法

    選択できるセットアップ方法(インストール方法)と、それに対応する番号を次のように指定します。指定できる長さは、半角で最大256文字です。

    1.セットアップ方法1, [2.セットアップ方法2, 〜 , n.セットアップ方法n]

    nには、1から順に数字を記述してください。

    (例)

    InstallKind = 1.フルインストール,2.最小インストール

  • InstallDrive = インストールドライブ(必ず定義)

    ソフトウェアをインストールするドライブ名を指定します。

    使える文字は、半角の「A〜Z、a〜z、1〜9」です。

    ""1""は、ハードディスクの最初のドライブになります。

    指定できる長さは、半角で1文字です。

  • InstallDirectory = インストール先ディレクトリ(必ず定義)

    ソフトウェアをインストールするディレクトリを¥で始まるパス名で指定します。

    使える文字に制限はありません。指定できる長さは、半角で1〜256文字です。

  • JUser = 所有者のユーザ名(日本語の場合)

    ソフトウェアを所有するユーザの名前を日本語で指定します。

    使える文字に制限はありません。指定できる長さは、半角で1〜40文字です。

    EUserを指定した場合は、指定できません。

  • EUser = 所有者のユーザ名(英語の場合)

    ソフトウェアを所有するユーザの名前を英語で指定します。

    使える文字は、英数字です。指定できる長さは、半角で1〜40文字です。

    JUserを指定した場合は、指定できません。

  • JCompany = 所有者の会社名(日本語の場合)

    ソフトウェアを所有する会社の名前を日本語で指定します。

    使える文字に制限はありません。指定できる長さは、半角で1〜80文字です。

    ECompanyを指定した場合は、指定できません。

  • ECompany = 所有者の会社名(英語の場合)

    ソフトウェアを所有する会社の名前を英語で指定します。

    使える文字は、英数字です。指定できる長さは、半角で1〜40文字です。

    JCompanyを指定した場合は、指定できません。

  • SetFdNumber = FDをセットする順番(必ず定義)

    FDをセットする順番を次のように指定します。

    SetFdNumber = 番号 [,番号, ...]

    指定できる長さは、半角で最大256文字です。

    媒体がCD-ROMの場合は、SetFdNumber = 0と指定してください。

    (例)

    1、2、5枚目のFDをセットする場合は、次のようにします。

    SetFdNumber = 1,2,5

    (例)

    InstallKindを設定した場合は、次のようにSetFdNumberのあとにセットアップ方法の番号を「_番号」の形式で付けてください。

    SetFdNumber_1 = 1,2,3,4,5

    SetFdNumber_2 = 1,2,5

  • RecordFileDirectory = レコーダファイルのディレクトリ

    レコーダファイルのあるディレクトリをドライブ名も含めて指定します。

    使える文字に制限はありません。指定できる長さは、半角で1〜256文字です。

    この属性名自体の指定を省略した場合、ジョブ実行時に必ず「クライアントユーザによるインストール」ジョブを指定し、クライアント側でパッケージセットアップマネージャからインストールしてください。「パッケージのインストール」を指定したジョブは最終的にエラーとなります。

  • RecordFileVersion = Visual Testのバージョン(必ず定義)

    レコーダファイルの作成に使用したVisual Testのバージョンを、半角数字1けたで次のように設定してください。

    Visual Test 6.0の場合

    RecordFileVersion = 6

    Visual Test 4.0の場合

    RecordFileVersion = 4

(b) インストール定義ファイルの例

インストール定義ファイルの例を次に示します。

[Package]
PackageID = ACROBATREADER405
Version = 0405
Product = Acrobat Reader 4.0
InstallerName = #Ar405jpn.exe
SetFdNumber = 0
RecordFileDirectory = c:\recod\ar40
RecordFileVersion = 6