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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


5.3.1 IDの運用方法

IDの運用例を次の図に示します。

図5‒12 IDの運用例

[図データ]

次に、IDの運用手順、階層化したシステムでの運用方法、および、中継システムおよび管理用中継サーバでIDを使用する場合の運用方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) IDの運用手順

(a) IDを作成する

IDは、配布管理システムで次に示す情報を設定して作成します。

  • IDの名称

    ここで設定したID名称が、ジョブの配布時に配布先として選択できます。

  • パスワード(オプション)

    利用者がIDに登録するときに登録を許可するパスワードを設定できます。パスワードを設定するとIDに利用者が登録するときは、ここで指定したパスワードを入力する必要があります。

  • ID管理元中継

    ID管理元中継として使用するホスト(中継システムおよび管理用中継サーバ)を指定します。ID管理元中継は、1つのIDに対して複数指定できます。

(b) 管理対象のコンピュータをIDへ登録する

IDへの登録は、[IDへの登録]ダイアログボックスを使用して、管理対象のコンピュータで実行します。管理対象のコンピュータからID管理元中継に接続して、そのID管理元中継が管理しているIDに登録します。また、配布管理システム側でコンピュータをIDに登録することもできます。JP1/IT Desktop Management 2に新規に追加されたコンピュータを自動的にIDに登録することもできます。

管理対象のコンピュータに対応するID管理元中継は、エージェントのセットアップ時に[接続先設定]パネルに表示される上位システムです。JP1/IT Desktop Management 2 - Managerの場合は、管理用中継サーバのセットアップで設定した上位システムとなります。

(c) 配布管理システムからあて先にIDを指定したジョブを実行する

あて先にIDを指定できるジョブは次のとおりです。

  • パッケージのインストール

  • クライアントユーザによるインストール

  • コンピュータ(UNIX)のシステム情報の取得

  • コンピュータ(UNIX)のソフトウェア情報の取得

注※

このジョブはMacエージェントにも適用できます。

あて先にIDを指定したジョブ(IDジョブ)は、指定したIDを管理するID管理元中継に転送されます。ID管理元中継では転送されたジョブを保管し、このIDに登録されているコンピュータに対してジョブを実行します。IDジョブが実行されたあと、このIDにコンピュータが登録されると、登録した時点で保存されているIDジョブが実行されます。そのため、IDを指定してジョブを実行する場合は、配布するパッケージの中継システムでの保管期限を考慮してください。中継システムでの保管期限を過ぎるとパッケージが中継システムから削除されるため、IDに登録したコンピュータへパッケージが配布されません。

(d) IDジョブの実行結果

次に示すジョブでIDを指定した場合、管理対象のコンピュータでの実行結果を配布管理システムで確認できます。IDジョブの実行結果の確認方法については、「10.4.4 ジョブの実行状況の表示方法」を参照してください。

  • パッケージのインストール

  • クライアントユーザによるインストール

(e) IDの編集

作成したIDは、IDを作成した配布管理システムで次に示す編集ができます。

  • ID管理元中継の追加・削除

  • パスワードの変更

  • IDの削除

  • 管理対象のコンピュータのIDへの登録(ファイルから)

  • ID管理元中継へのIDの登録

注意事項

同時に同じIDの編集操作を行なわないでください。

(2) 配布管理システムを階層化したシステムでのIDの運用方法

配布管理システムを階層化したシステムで、IDを使用する場合の運用方法を次に示します。

(a) 管理用サーバでのIDの作成

管理用サーバでIDを作成する場合、ID管理元中継として配下の中継システムおよび管理用中継サーバを設定できます。

ID管理元中継として中継システムおよび管理用中継サーバを設定する方法については、「5.3.2 IDの作成」を参照してください。

(b) 管理用中継サーバでのIDの管理

管理用中継サーバでは、管理用中継サーバで作成したIDのほか、上位の管理用サーバからID管理元中継として指定されたIDが[あて先]ウィンドウに表示されます。

管理用中継サーバでは、上位の管理用サーバが作成したIDに対して次の操作ができます。

  • IDの削除

  • IDに登録しているコンピュータを削除

(c) 複数の配布管理システムで同じIDを管理する場合

次の図に示すように、複数の管理用サーバで、同一のIDを作成できます。

図5‒13 複数の配布管理システムで同じIDを管理する

[図データ]

統括管理用サーバ(Man00)および管理用中継サーバ(Man01)の両方で、中継システム(Sub00)をID管理元中継として、「Windows7」のIDを作成できます。

ただし、Man00がMan01をID管理元中継として、「Windows7」のIDを作成することはできません。Man01では同一名称のIDが作成済みのため、自システムで作成したIDと同じIDに対して、Man00のID管理元中継となることはできません。

IDを削除、またはID管理元中継を変更した場合は、変更したシステムから上位のシステムへ変更内容が通知され、上位のシステムに自動的に反映されます。

複数の配布管理システムで管理されているIDを削除する例を、次の図に示します。

図5‒14 複数の配布管理システムで管理されているIDを削除する

[図データ]