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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


3.4.4 上位システムを名前解決できない場合の接続設定

運用キーにホスト名を使用している環境では、検疫システムなどによってDNSサーバへの接続が遮断されると、エージェントが接続先の上位システムを名前解決できなくなる場合があります。このような場合に、上位システムからの実行要求情報を受信したタイミングで、通信プロトコル中のIPアドレスから接続先の上位システムを名前解決させることができます。これによって、エージェントが接続先の上位システムを名前解決できない環境でも、ジョブをポーリングしたり上位システムへ機器情報を通知したりできます。このときエージェントは、実行要求を発信した上位システムを接続先として認識します。

この機能を使用するには、[エージェントの設定項目]−[通信設定]の実行要求を受信するための通信プロトコルで、「上位システムへの接続に、受信したIPアドレスを使用する」チェックボックスをオンに設定してください。

この機能を使用すると、上位システムからの実行要求を受信したタイミングで、自動的に管理対象のコンピュータに上位システムアドレス格納ファイルが作成されます。上位システムアドレス格納ファイルには、上位システムのIPアドレスとホスト名の対応が記述されます。以降、エージェントはこのファイルに記述された内容を基に上位システムを名前解決して接続します。

なお、通常、上位システムアドレス格納ファイルの編集は不要です。ただし、上位システムを名前解決できない環境にホスト名運用のコンピュータを新規に導入する場合は、あらかじめ上位システムアドレス格納ファイルを作成する必要があります。

上位システムを名前解決できない環境にホスト名運用のコンピュータを新規に導入する場合の設定については、「3.4.4(1) 上位システムを名前解決できない環境に新規にコンピュータを導入する場合の設定」を参照してください。上位システムアドレス格納ファイルの形式については、「3.4.4(2) 上位システムアドレス格納ファイルの形式」を参照してください。

注意事項
  • 運用キーがIPアドレスの場合は設定不要です。

  • 上位システムがクラスタシステムの場合、正しく接続できないことがあります。

〈この項の構成〉

(1) 上位システムを名前解決できない環境に新規にコンピュータを導入する場合の設定

上位システムを名前解決できない環境にホスト名運用のコンピュータを新規に導入する場合、上位システムと接続できないためコンピュータがあて先として認識されません。そこで、あらかじめ上位システムアドレス格納ファイルを作成し、次の方法で管理対象のコンピュータに格納しておきます。

エージェントのインストール後に上位システムアドレス格納ファイルを格納する

エージェントのインストール後に、次のフォルダへ上位システムアドレス格納ファイルを格納します。

JP1/IT Desktop Management 2 - Agentのインストール先ディレクトリ\MASTER\DB

セットアップが完了したあと、コンピュータを再起動すると、上位システムアドレス格納ファイルを基に上位システムと接続します。

(2) 上位システムアドレス格納ファイルの形式

上位システムアドレス格納ファイルには複数の接続先を記述できます。管理対象のコンピュータは、記述されているホスト名に対応したIPアドレスで、上位システムと接続します。

上位システムアドレス格納ファイルの形式を次に示します。

ファイル名

SERVERIP.ini

形式
[ホスト名]
IPaddress=IPアドレス
[#-filecheck]
key=Programcheck
説明
ホスト名

管理対象のコンピュータの接続先のホスト名を指定します。大文字、小文字は区別されません。同じホスト名が複数指定されている場合は、最初のホスト名が使用されます。

IPアドレス

ホスト名に対応するIPアドレスを指定します。

なお、ホスト名とIPアドレスの組み合わせは、一度に複数記述できます。

作成例

上位システムアドレス格納ファイルの作成例を次に示します。

[host001]
IPaddress=10.100.100.20
[host005]
IPaddress=10.100.100.15
[host007]
IPaddress=10.100.100.57
[#-filecheck]
key=Programcheck

上位システムアドレス格納ファイル作成時の注意事項を次に示します。