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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


3.4.2 エージェントのマルチポーリング環境

配布先の構成は、システム構成情報で定義されているため、エージェントへのジョブは、あらかじめ決められた経路で実行されます。また、エージェントから接続する中継システムも、システム構成情報で定義された1つの中継システムだけです。

配布経路を複数設定したり、エージェントから複数の中継システムへ接続したりする構成にする場合は、マルチポーリングの環境を作成します。エージェントが接続する中継システムは、接続時の優先順位を付けて設定できます。マルチポーリング環境で運用すれば、中継システムでトラブルが発生しても、別の中継システムを経由して目的のエージェントに対しジョブを実行できます。また、エージェントから中継システムに接続する場合、接続時の優先順位に従って、複数の中継システムに接続できます。

メモ

IDを使用して配布する場合、マルチポーリング環境を設定することで、エージェントの接続先の上位システムを自動で切り替えることもできます。

〈この項の構成〉

(1) マルチポーリング環境の設定

エージェント設定の[通信設定]−[複数の上位システムへのポーリングの設定]で、[ポーリング対象とする上位システム]に優先順位を付けて設定します。

図3‒14 [通信設定]−[複数の上位システムへのポーリングの設定]

[図データ]

[追加]ボタン

接続先の上位システムを追加します。上位システムは最大8個まで設定できます。[上位システムの追加]ダイアログボックスで、追加する上位システムの製品種別、ホスト名またはIPアドレスを設定してください。

[削除]ボタン

上位システム一覧の中から選択されている上位システムを削除します。

[▲]ボタン

選択されている上位システムの優先順位を1つ上げます。

[▼]ボタン

選択されている上位システムの優先順位を1つ下げます。

(2) マルチポーリング環境でのポーリング方法の選択

エージェントは、自システムあてのジョブがあるかどうかを、上位の中継システムにポーリングすることで確認しています。中継システムとのポーリング方法は、エージェント設定の[通信設定]−[複数の上位システムへのポーリングの設定]で設定します。ポーリング方法には次の2つがあります。

ホットスタンバイ

ホットスタンバイでは、ポーリング対象の中継システムは1つです。通常は、[ポーリング対象とする上位システム]で設定した、優先順位が1位の中継システムにポーリングします。この中継システムに接続できない場合は、優先順位が2位の中継システムにポーリングします。優先順位が2位の中継システムに接続できない場合は、接続できるまで優先順位が高い中継システムから順番にポーリングしていき、接続に成功した中継システムにポーリングし続けます。

マルチホスト

マルチホストでは、[ポーリング対象とする上位システム]で設定した複数の中継システムすべてにポーリングします。優先順位が1位の中継システムから順番にポーリングしていきます。

ヒント

配布用の上位システムを自動で切り替えてファイルを配布する運用とする場合は、次の設定をしてください。

  • [複数の上位システムへのポーリング形態]で[ホットスタンバイ]を選択する

  • [システム起動時に、[優先順]に従ってポーリングする]を選択する

  • [一定時間ポーリングに失敗する場合は配布用の上位システムを切り替える]をチェックする

詳細は、「7.6.15 配布用の上位システムを自動で切り替えてファイルを配布する」を参照してください。

(3) マルチポーリング環境での注意事項

マルチポーリング環境で運用する場合の注意事項を次に示します。