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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


3.1.3 TCP/IP環境の設定

JP1/IT Desktop Management 2をインストールする前に、TCP/IPの環境を整えておく必要があります。必要な作業を次に示します。

ノード識別キーとしてIPアドレスを使用する場合、中継システムと管理対象のコンピュータはホスト名を定義する必要はありませんが、管理用中継サーバはホスト名を定義する必要があります。

〈この項の構成〉

(1) ホスト名とIPアドレスの定義

事前にユーザネットワークでホスト名とIPアドレスを定義しておく必要があります。

ノード識別キーとして、ホスト名を使用する場合、配布管理システムのウィンドウ([システム構成]や[あて先]ウィンドウ)では、ユーザネットワークで定義したホスト名を使用します。配布管理システムのウィンドウでホスト名を変更したときは、ユーザネットワークのホスト名の定義も変更してください。

JP1/IT Desktop Management 2 - Managerでは、コンピュータを識別するためにTCP/IPのホスト名を使っています。そのため、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerを導入するPCで、コンピュータのホスト名からIPアドレスを決定できなければなりません。

ホスト名とIPアドレスを定義したり、配布管理システムでコンピュータのホスト名からIPアドレスを決定したりするには、次の方法があります。

次にそれぞれの方法について説明します。

(a) DHCPとWINSを利用する

DHCPを使うと動的にコンピュータのIPアドレスが決定されるため、IPアドレスの割り当て、保守作業を軽減できます。ただし、JP1/IT Desktop Management 2では、動的に変更されるIPアドレスをノード識別キーとして利用できないため、DHCPを使う場合には、ノード識別キーとしてホスト名を使用してください。

また、WINSを使って各PCのホスト名を管理することで、各PCでホスト名の定義をする必要がなくなります。サブネット間を移動したPCにDHCPによって新しいIPアドレスが動的に割り当てられた場合も、変更に応じてWINSデータベースが自動的に更新されるため、手動で定義を変更する必要はありません。

コンピュータがシャットダウンすると、WINS上の情報が解放されるため、JP1/IT Desktop Management 2ではコンピュータのホスト名からIPアドレスを決定できなくなり、ジョブがエラーとなることがありますので、注意してください。DHCPおよびWINSの設定方法は、Windowsのヘルプを参照してください。

(b) DNSを利用する

インターネットで接続されているホストを接続先にする場合は、DNSを使用します。DNSで管理されるホスト名は、JP1/IT Desktop Management 2で定義すれば、ドメインを超えてリモートインストールなどのジョブを実行できます。

DNSの設定方法は、Windowsのヘルプを参照してください。

DNSを使用する場合の注意事項を次に示します。

  • DNSを利用する場合、TCP/IPプロトコルのネットワークソフトウェアを設定する必要があります。コンピュータが属するドメイン名と名前を管理するサーバのIPアドレスを指定してください。

  • ホスト名からIPアドレスへの変換、およびIPアドレスからホスト名への変換(逆引き)の両方ができるように設定してください。

  • hostsファイルとDNSを併用する場合、名前の解決にDNSを使用するホストの完全修飾ドメイン名(ホスト名のあとにピリオドとドメイン名を表記した名前)を、別のホスト名としてhostsファイルに記述しないでください。

  • ネットワークプロバイダに直接接続されたリモートホストなどは、割り当てられているホスト名が一時的な名称となっていることがあります。このようなホストについては、JP1/IT Desktop Management 2では管理できません。

(c) hostsファイルを編集する

DHCP、WINS、DNSを利用しない場合は、ホストごとに接続先のホスト名を定義します。配布管理システムが動作しているホストでは、接続している中継システム、管理用中継サーバ、および管理対象のコンピュータのホスト名とIPアドレスが定義されている必要があります。また、JP1/IT Desktop Management 2 - Agentの動作しているホストでは、配布管理システムのホスト名とそのIPアドレスが定義されている必要があります。

ホスト名とIPアドレスを定義するには、次のファイルを編集してください。

Windowsディレクトリ\system32\drivers\etc\hosts

(形式)

IPアドレス ホスト名 別名

(例)

192.0.0.1 hostA NetworkA-hostA

192.0.0.2 hostB NetworkA-hostB

(2) JP1/IT Desktop Management 2 - Agent(エージェント)を使用する場合

JP1/IT Desktop Management 2 - Agent(エージェント)を使用する場合は、次の項目を確認してください。

TCP/IPの確認

[コントロールパネル]−[ネットワーク]を選択して[ネットワークの設定]パネルで、「現在のネットワーク構成」にTCP/IPがあることを確認してください。TCP/IPがない場合は、[ネットワークの設定]パネルの[追加]ボタンをクリックして、TCP/IPを追加してください。

次に[ネットワークの設定]パネルで「TCP/IP」を選択して、[プロパティ]ボタンをクリックしてください。[TCP/IPのプロパティ]ダイアログボックスが表示されますので、ネットワークに必要な設定がされていることを確認してください。

通信環境ファイルの設定

Windowsディレクトリ(デフォルトでは「windows」)下に、hostsファイルがあります。hostsファイルには、接続先の上位ホスト名とそのIPアドレスを定義してください。