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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 運用ガイド


1.9.8 機器の障害に対応する流れ

組織内で利用している機器に障害が発生した場合、システム管理者は現場からの問い合わせを基に障害内容を把握し、必要に応じて保守サービス契約を結んでいる契約会社に修理を依頼します。機器を修理に出したら、利用者に代替機を貸し出します。また、障害対応の内容を記録しておきます。

JP1/IT Desktop Management 2で管理している情報を利用して、機器の障害に対応する流れを次に示します。

1.障害内容を確認する

利用者からの問い合わせを基に、機器を確認して障害内容を把握します。

2.保守サービスを利用する

障害が発生した機器に対して、保守サービスを利用するために契約会社へ連絡を取ります。

3.代替機を利用者に貸し出す

障害が発生した機器を修理に出した場合、在庫の機器を代替機として利用者に一時的に貸し出します。

4.修理後の機器を利用者に返却する

機器の修理が完了したら、利用者に機器を返却して、貸し出していた代替機を回収します。

5.障害履歴を記録する

障害の内容や発生日時、対処の内容などをJP1/IT Desktop Management 2に記録します。

機器の修理が完了し、障害履歴がJP1/IT Desktop Management 2に記録されます。

〈この項の構成〉

(1) 障害内容を確認する

組織内で利用している機器に障害が発生した場合、管理者は障害内容を把握する必要があります。

電話やメールでの問い合わせだけでは障害内容が不明確な場合は、障害発生の現場へ詳細を確認しに行きます。このため、利用者から電話やメールで問い合わせを受けたときには、機器の利用者名や部署、電話番号など、障害が発生した機器を特定できる情報を確認しておきます。

ヒント

リモートコントロール機能を利用すると、障害が発生した機器を直接操作して、障害内容を確認できます。離れた場所にある機器で障害が発生しても、現場に行かないで早急に対応できます。

障害が発生した機器を確認する

資産画面の[ハードウェア資産]画面で、該当するハードウェア資産情報を表示します。このとき、問い合わせ時に確認した情報(利用者名や部署、電話番号など)を基にフィルタを利用すると素早く確認できます。

関連リンク

(2) 保守サービスを利用する流れ

機器に障害が発生した場合、保守サービスを利用するために契約会社へ連絡を取ります。

契約会社の連絡先を確認するためには、障害が発生した機器の契約情報を確認します。

  1. 資産画面の[ハードウェア資産]画面で、障害が発生した機器を選択する

    このとき、問い合わせ時に確認した情報(利用者名や部署、電話番号など)を基にフィルタを利用すると機器を素早く表示できます。

  2. [契約情報]タブで、該当する契約情報の[契約会社名]のリンクをクリックする

表示されるダイアログで契約会社の連絡先や担当者を確認できます。

なお、契約会社の情報を表示するためには、あらかじめ次の情報を登録しておく必要があります。

契約会社情報 

設定画面の[資産管理]−[契約会社リストの設定]画面で契約会社の電話番号や担当者を登録できます。

保守サービスの契約情報 

[契約]画面から契約情報を登録できます。契約情報を登録するときに、該当する契約会社情報を指定してください。また、契約対象のハードウェア資産も指定してください。

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(3) 代替機を利用者に貸し出す

障害が発生した機器を修理に出した場合、利用者には在庫の機器を代替機として一時的に貸し出します。このとき、障害が発生した機器と貸し出した機器の資産管理番号を確認しておいてください。

障害が発生した機器は、修理中で利用されていないことがわかるように、ハードウェア資産情報の[資産状態]を「在庫」に変更します。また、貸し出した機器は、利用中であることがわかるように、ハードウェア資産情報の[資産状態]を「運用中」に変更します。資産画面の[ハードウェア資産]画面で、該当するハードウェア資産情報を表示します。このとき、資産管理番号を基にフィルタを利用します。

また、一時的な貸し出しのため、後日回収する予定をハードウェア資産情報に登録します。1週間後に修理が完了して、貸し出した機器を回収して在庫に戻す場合は、[予定資産状態]に「在庫」を、[変更予定日]に1週間後の日付を設定します。

ヒント

[予定資産状態]を設定すると、ダイジェストレポートの[ハードウェア資産の予定]で、回収予定の機器を確認できるようになります。また、ダイジェストレポートをメールで送付することもできます。

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(4) 修理後の機器を利用者に返却する流れ

障害が発生した機器の修理が完了したら、利用者に機器を返却して、貸し出していた代替機を回収します。機器を回収したらハードウェア資産情報を最新の状態にメンテナンスします。

1.修理が完了した機器を返却する

修理が完了した機器を利用者に返却します。

2.代替機を回収する

機器を返却した際に、一時的に貸し出していた機器を回収します。

3.ハードウェア資産情報をメンテナンスする

返却した機器は、利用中になるため[資産状態]を「在庫」から「運用中」に変更します。また、回収した機器は在庫に戻るため、ハードウェア資産情報の[資産状態]を「運用中」から「在庫」に変更します。

資産画面の[ハードウェア資産]画面で、該当するハードウェア資産情報を表示するときは、資産管理番号を基にフィルタを利用します。

MACアドレスが変更になった場合

ネットワークモニタ機能で新規機器の接続を拒否している場合、ネットワークカードの交換などによってMACアドレスが変更されると、異なる機器として識別されてネットワーク接続できなくなることがあります。

エージェント導入済みのコンピュータ、またはWindowsの管理共有で認証済みのエージェントレスのコンピュータの場合は、そのままネットワーク接続できます。MACアドレスが変更になっても同一の機器として認識され、ネットワーク制御リストに登録されたMACアドレスが自動的に更新されます。

SNMPで認証済み、またはICMPで生存確認をしているエージェントレスの機器の場合、MACアドレスが変更になると異なる機器として認識され、ネットワーク接続が拒否されます。ネットワーク接続を許可するためには、ネットワーク制御リストに登録されているMACアドレスを手動で変更する必要があります。

なお、更新されたMACアドレスの情報は、機器画面の[機器情報]画面および設定画面の[ネットワーク制御]−[ネットワーク制御リストの設定]画面で確認できます。

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(5) 障害履歴を記録する

障害の内容や、障害発生日時、対応者などの障害履歴は、資産画面の[ノート]タブにメモとして保存しておけます。

[図データ]

障害が発生したときや修理から戻ってきたタイミングなどで、該当するハードウェア資産情報の[ノート]タブに障害履歴を記録しておくことをお勧めします。

[ノート]タブにメモを残すには、記録したい内容を入力し[保存]ボタンをクリックしてください。