1.2 システム構成要素の紹介
このマニュアルでは、JP1/IT Desktop Management 2で管理するシステムを説明するに当たり、JP1/IT Desktop Management 2がインストールされたサーバやコンピュータ、ネットワーク機器などの、システムを構成する各要素の呼び方を定義しています。
JP1/IT Desktop Management 2の基本的なシステム構成要素の定義を次の表に示します。
構成要素名 |
定義 |
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JP1/IT Desktop Management 2がインストールされたサーバです。 管理用サーバにはデータベースが生成され、JP1/IT Desktop Management 2が管理するさまざまな情報が格納されます。 リモートインストールマネージャを使用した配布について説明する場合は、「配布管理システム」または「マネージャ」と呼ぶことがあります。 |
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管理者がJP1/IT Desktop Management 2の操作画面を操作して、各種管理業務をするためのコンピュータです。JP1/IT Desktop Management 2はWebブラウザから操作画面を表示して操作します。そのため、管理用サーバにアクセスできるコンピュータであれば、どこからでも操作できます。管理用サーバ自身も、管理者のコンピュータとして使用できます。 また、操作画面からコンピュータをリモートコントロールするためのプログラム(コントローラ)をダウンロードして、利用者のコンピュータをリモートコントロールすることもできます。 リモートインストールマネージャを使用した配布を利用する場合は、Remote Install Managerがインストールされている必要があります。 |
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OSがインストールされているコンピュータのことです。コンピュータには、次の種類があります。
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ルータ、ネットワークプリンタ、IP電話など、IPアドレスを持つコンピュータ以外の機器です。 |
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マウス、キーボード、USBデバイスなど、IPアドレスを持たない機器です。 |
各システム構成要素を配置した、JP1/IT Desktop Management 2で管理する基本的なシステムの構成例を次の図に示します。
また、JP1/IT Desktop Management 2のコンポーネントを追加したりJP1/IT Desktop Management 2以外のシステムと連携したりすることで、負荷分散、セキュリティ管理の強化、付加情報の管理など、目的に応じてシステムを管理できます。
目的に応じて追加するシステム構成要素の定義を次の表に示します。
構成要素名 |
定義 |
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JP1/IT Desktop Management 2 - Agentを中継システムとしてインストールしたサーバです。 中継システムは、リモートインストールマネージャを使用した配布を利用する場合に設置します。中継システムを設置すると、管理用サーバやネットワークに掛かる負荷を軽減できます。 中継システムを設置したシステムを、JP1/IT Desktop Management 2の「基本構成システム」と呼びます。 |
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JP1/IT Desktop Management 2 - Managerを管理用中継サーバとしてインストールしたサーバです。JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのインストール時に、エージェントも自動でインストールされます。このエージェントを「管理用中継サーバ用のエージェント」と呼びます。 管理用中継サーバを設置すると、管理者や管理用サーバの負荷を分散したり、NAT環境での運用に対応したりできます。部門やネットワーク構成ごとにJP1/IT Desktop Management 2を運用したい場合は、管理用中継サーバを設置してください。 管理用中継サーバを設置する場合は、統括管理用サーバおよび複数の管理用中継サーバによって、システムを階層化する必要があります。階層化されたシステムを、JP1/IT Desktop Management 2の「複数サーバ構成システム」と呼びます。複数サーバ構成システムでは、統括管理用サーバと管理用中継サーバを合わせて「管理用サーバ」と呼ぶことがあります。 なお、複数サーバ構成システムに対して、1台の管理用サーバでJP1/IT Desktop Management 2を運用するシステムを「単数サーバ構成」と呼びます。 |
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JP1/IT Desktop Management 2 - Managerをインストールしたサーバのうち、管理用中継サーバによって階層化されたシステム(複数サーバ構成システム)の最上位に設置するサーバです。複数サーバ構成システムでは、統括管理用サーバと管理用中継サーバを合わせて「管理用サーバ」と呼ぶことがあります。 |
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日立のサポートサービスを提供するWebサイトです。 JP1/IT Desktop Management 2からインターネットを介して接続し、最新の更新プログラムおよびウィルス対策製品の情報を取得できます。ここで取得した情報を基に、各コンピュータの更新プログラムおよびウィルス対策製品が最新かどうかが判定されます。 サポートサービスサイトと連携したシステムを、「サポートサービス連携構成システム」と呼びます。 |
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資産管理サーバ※ |
JP1/IT Desktop Management 2 - Asset Console(Asset Console)がインストールされたサーバです。資産情報を検索する画面のカスタマイズや案件を使用した資産管理業務の実行など、細やかな資産管理をする場合に設置します。 |
Active Directoryを導入しているサーバです。JP1/IT Desktop Management 2とは別に、Active Directoryのプログラムが必要です。 JP1/IT Desktop Management 2から、Active Directoryで管理している情報を取得できます。 Active Directoryと連携したシステムを、「Active Directory連携構成システム」と呼びます。 |
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MDM製品を導入して、スマートデバイスを管理しているサーバです。JP1/IT Desktop Management 2とは別にMDM製品が必要です。JP1/IT Desktop Management 2から、MDM製品で管理されているスマートデバイスの情報を取得できます。 MDM製品と連携したシステムを、「MDM連携構成システム」と呼びます。 |
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機器のネットワーク接続を監視および制御するための、JP1/IT Desktop Management 2のコンポーネントです。 ネットワークモニタエージェントは、オンライン管理のコンピュータに対して、ネットワークモニタを有効にするとインストールされます。 ネットワークモニタエージェントがインストールされると、そのコンピュータが接続しているネットワークセグメントに対して、新規機器のネットワーク接続を検知したり、機器のネットワーク接続を拒否したりできるようになります。 ネットワークモニタを有効にしたシステムを、「ネットワーク監視構成システム」と呼びます。 |
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ネットワーク制御用アプライアンス※ |
JP1/NETM/NMを導入したアプライアンス製品です。JP1/NETM/NM - Managerと連携することで、JP1/NETM/NMを導入したアプライアンス製品で監視しているネットワーク接続をJP1/IT Desktop Management 2から制御できます。JP1/NETM/NM - Managerと連携したシステムを「JP1/NETM/NM - Manager連携構成システム」と呼びます。 |
JP1製品などのプログラムを統合的に監視するためのJP1/IMを導入したサーバです。JP1/IT Desktop Management 2とは別に、JP1/IMおよびJP1/Baseが必要です。管理対象のコンピュータで発生した障害を、JP1/IMでJP1イベントとして一元管理できます。 JP1/IMと連携したシステムを、「JP1/IM連携構成システム」と呼びます。 |
注※ JP1/IT Desktop Management 2 - Operations Directorではサポートしていません。
運用に応じてシステム構成要素を配置した、JP1/IT Desktop Management 2で管理するシステムの構成例を次の図に示します。
各システム構成の詳細については、「4.4 システム構成の検討」を参照してください。