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JP1 Version 12 JP1/SNMP System Observer


付録N.2 09-00以降のバージョンからの移行またはシステムの移設の手順

09-00以降のバージョンのSSOから最新バージョンのSSOに移行するとき,またはサーバのリプレースなどでシステムを移設するときの手順について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

移行または移設に当たっての前提条件を次に示します。

(a) 移行元サーバ(移設元サーバ)

SSOのバージョンは,09-00以降であることが前提です。

(b) 移行先サーバ(移設先サーバ)

  • 最新バージョンのSSOの新規インストールが完了していることが前提です。なお,移行または移設が完了するまでSSOは起動しないでください。

  • リソース収集データベースのデータを移行または移設する場合は,移行先サーバ(移設先サーバ)のホスト名およびIPアドレスが,移行元サーバ(移設元サーバ)と同じであることが前提です。ただし,ssoextractlog -logfileコマンドによるデータ抽出だけを目的とする移行または移設の場合は,ホスト名およびIPアドレスが同一である必要はありません。

(2) 移行対象ファイル(移設対象ファイル)

移行対象(移設対象)のファイルを次に示します。

表N‒7 移行対象ファイル(移設対象ファイル)一覧

項番

分類

ファイル名

移行または移設方法

コマンド※1

手動

1

資料採取コマンド※2

UNIXの場合

$SSO_BIN/jp1ssolog.sh

Windowsの場合

$SSO_BIN\jp1ssolog.bat

×

2

定義・設定ファイル

  • $SSO_CONF配下の全ファイル

  • $SSO_IMAGE/カテゴリ名※3配下の全ファイル

任意の場所に格納した定義ファイル

×

3

リソース収集データベース

$SSO_DB配下の全ファイル

※4

※4

4

レポートファイル

$SSO_REPORT配下の全ファイル

(凡例)

○:移行または移設できます。

×:移行および移設できません。

注※1

ssobackupコマンドおよびssorestoreコマンドを使用します。

注※2

移行元サーバと移行先サーバ(移設元サーバと移設先サーバ)の環境が,UNIX同士またはWindows同士の場合だけ移行または移設できます。

注※3

カテゴリ名は,ユーザリソース定義ファイルで設定したカテゴリ名です。ユーザリソース定義ファイルについては,「7.3.14 ユーザリソース定義ファイル」を参照してください。

注※4

ssoextractlog -logfileコマンドによるデータ抽出だけを目的とする移行または移設の場合は,コマンドで移行または移設することはできません。手動で$SSO_DB以外のディレクトリに移行または移設してください。

(3) 移行手順(移設手順)

移行手順(移設手順)を次に示します。なお,移行作業(移設作業)はroot権限(UNIXの場合)またはAdministrator権限(Windowsの場合)を持つユーザが実施してください。

(a) 移行元サーバ(移設元サーバ)での作業

  1. SSOを停止する。

    SSOのウィンドウが開いている場合は,ウィンドウを閉じます。また,SSOが動作している場合は,次のコマンドを実行してSSOを停止します。

    ssostop

    移行元サーバ(移設元サーバ)のOSがWindowsの場合,「SNMP System Observer」サービスを「停止」にすることでも,SSOを停止できます。

    重要

    NNMiは停止しないでください。

  2. SSOのデータをバックアップする。

    次のコマンドを実行して,移行対象ファイル(移設対象ファイル)をバックアップします。移行対象ファイル(移設対象ファイル)については,「(2) 移行対象ファイル(移設対象ファイル)」を参照してください。また,ssobackupコマンドの引数については,「6. コマンド ssobackup」を参照してください。

    ssobackup {-all | -conf | -db} [-d バックアップ先ディレクトリ]

    なお,ssobackupコマンドでバックアップできない移行対象ファイル(移設対象ファイル)については,手動でバックアップしてください。

  3. バックアップしたデータを,移行先サーバ(移設先サーバ)に転送する。

  4. 移行元サーバと移行先サーバ(移設の場合は移設元サーバと移設先サーバ)のIPアドレスが異なるときは,SSOを再起動する。

    次のコマンドを実行します。

    ssostart

    なお,移行元サーバ(移設元サーバ)のOSがWindowsの場合,「SNMP System Observer」サービスを「開始」にすることでも,SSOを起動できます。

  5. 移行元サーバと移行先サーバ(移設の場合は移設元サーバと移設先サーバ)のIPアドレスが異なるときは,APMの移行元サーバ(移設元サーバ)に関する定義をすべて削除する。

    次のコマンドを実行します。

    ssopsset -sd

(b) 移行先サーバ(移設先サーバ)での作業

  1. 移行元サーバ(移設元サーバ)から転送されたデータをリストアする。

    次のコマンドを実行して,必要なファイルをリストアします。ssorestoreコマンドの引数については,「6. コマンド ssorestore」を参照してください。

    ssorestore {-all | -conf | -db} [-d リストア元ディレクトリ]
    重要

    ssorestoreコマンドには,ssobackupコマンドの実行時と同じ引数を指定してください。

    なお,ssorestoreコマンドでリストアできない移行対象ファイル(移設対象ファイル)については,手動でリストアしてください。

    また,移行先サーバ(移設先サーバ)のOSがUNIXの場合は,移行対象ファイル(移設対象ファイル)のリストア後に,ファイルの所有者,グループ,およびアクセス権を設定し直す必要があります。ファイルの所有者,グループ,およびアクセス権を次の表に示します。

    表N‒8 移行対象ファイル(移設対象ファイル)の設定内容

    所有者

    グループ

    アクセス権

    bin

    bin

    -rw-r--r-- (0644)

    なお,移行先(移設先)ファイルパスが任意のファイルについては,表に示す所有者やグループ以外にもアクセス権を付与できます。

  2. SSOをセットアップする。

    セットアップについては,「3.4 SSOのセットアップ」を参照してください。

    重要

    SSOは起動しないでください。

  3. 必要に応じて,定義ファイルや設定ファイルを変更する。

    移行先サーバ(移設先サーバ)の環境や,移行後(移設後)のシステムの運用方法に合わせて,定義ファイルや設定ファイルを変更します。

  4. リソース収集データベースを移行または移設しない場合は,ssocollectdデーモンプロセス,およびssocolmngデーモンプロセスを起動する。

    次のコマンドを実行します。

    ssostart ssocollectd
    ssostart ssocolmng
  5. リソース収集データベースを移行または移設しない場合は,リストアしたリソース収集データベースを削除する。

    次のコマンドを実行します。

    ssodbdel -all

(4) 注意事項

移行時(移設時)の注意事項を次に示します。