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JP1 Version 12 JP1/SNMP System Observer


ssobackup

〈このページの構成〉

形式

SSOが提供するファイルやデータベースをバックアップする
ssobackup {-all | -conf | -db} [-d バックアップ先ディレクトリ]
コマンドの使用方法を出力する
ssobackup -h

機能

SSOのファイルやデータベースをバックアップします。バックアップ機能については,「2.7.1 バックアップ機能」を参照してください。

ssobackupコマンドは,実行時にバックアップ対象に関連するデーモンプロセスが稼働している場合,デーモンプロセスを中断します。これはバックアップ中にデーモンプロセスによるバックアップ対象への書き込みを防止し,バックアップデータの整合性を保証するためです。なお,中断したデーモンプロセスはバックアップ完了後に自動的に再開されます。

ssobackupコマンドは初めにファイルをバックアップし,その後データベースをバックアップします。どちらか一方だけをバックアップすることもできます。バックアップ対象については,「2.7.3 バックアップ対象とリストア対象」を参照してください。

バックアップ先にバックアップデータがある場合,バックアップデータをすべて削除したあとにバックアップします。

次に示すコマンドや処理の実行中,およびデーモンプロセス状態遷移処理中に,ssobackupコマンドを実行した場合,エラー終了となります。また,次に示すコマンドや処理は,ssobackupコマンドの実行中に実行すると,エラー終了します。

ssostart,ssostop,ssobackup,ssorestore,ssodbdel,ssoauth,ssonnmsetup,SSOのサービス開始,SSOのサービス停止,GUIからのデータベース削除

オプション

-all

ファイルとデータベースの両方をバックアップする場合に指定します。

-conf

ファイルだけをバックアップする場合に指定します。

-db

データベースだけをバックアップする場合に指定します。

-d バックアップ先ディレクトリ

バックアップデータを格納するディレクトリを指定します。ディレクトリ名は絶対パスまたは相対パスのどちらも指定できます。指定したディレクトリがない場合,コマンドはエラー終了となります。

このオプションの指定を省略した場合,バックアップデータを格納するディレクトリは,$SSO_BACKUPとなります。

このオプションを指定した場合,指定したディレクトリ配下にssobackupディレクトリを作成し,その直下にバックアップデータを格納します。

バックアップ先ディレクトリには,ローカルディスクまたはネットワーク上の接続済みの共有ディスクのディレクトリを指定できます。なお,ネットワーク上の共有ディスクのディレクトリを指定する場合,バックアップ時間はネットワーク性能に依存します。

-h

コマンドの使用方法を出力します。このオプションは,ほかのオプションと同時に指定できません。

戻り値

0

正常終了

-1

引数誤りなどの実行エラー

-2

起動・停止処理中,SSO認証ユーザ編集処理中,データベース削除処理中,NNM情報定義ファイルの編集処理中,バックアップ・リストア処理中,またはデーモンプロセス状態遷移処理中による実行エラー

注意事項

バックアップ時の注意事項について説明します。

ディスク容量について

ssobackupコマンドは,バックアップに先立ちバックアップ対象の容量とバックアップ先のディスクの空き容量をチェックします。バックアップ先のディスクの空き容量がバックアップ対象の容量に満たない場合,バックアップはエラー終了となります。また,チェック後のバックアップ中にディスクの空き容量が不足した場合も,バックアップはエラー終了となります。

そのため,バックアップする際は,バックアップ先のディスク容量が,各バックアップ対象ディレクトリの容量(ディスク上のサイズ)の合計以上あることを確認してください。

ディスクの容量不足によってエラー終了した場合,バックアップ先のディスク容量を空けるか,新たに容量が確保されているディスクに対して再度バックアップを実施することで,エラー終了を回避できます。

デーモンプロセスおよび操作について

バックアップする際のSSOのデーモンプロセスおよび操作について次の注意事項があります。ただし,バックアップ中にバックアップを強制終了した場合は除きます。

バックアップ前

バックアップ前にGUIをクローズする必要があります。GUIをクローズしないまま,バックアップ実行中にGUIからデーモンプロセスを操作した場合,バックアップが完了するまで応答がなくなります。

バックアップ中
  • バックアップ実行中は中断されるデーモンプロセスが提供する機能をすべて中断します。中断した機能はバックアップ完了時に自動的に再開されます。ただし,データベースのバックアップでは,プロセスおよびサービスの監視機能は中断されません。

  • バックアップ実行中はSSOの起動および停止を実行できません。

  • バックアップ実行中はリストアを実行できません。

  • バックアップ実行中は収集データベースを削除できません。

  • バックアップの多重実行はできません。

  • バックアップ実行中に次のコマンドを実行したり,SSOコンソールからSSOに接続したりすると,バックアップが完了するまで応答がなくなります。

    ssoapcom,ssocollectd,ssocolmng,ssocolset,ssocolshow,ssocolstart,ssocolstop,ssodbcheck,ssodemandrpt,ssoextractlog,ssopsset,ssopsshow,ssopsstart,ssopsstop,ssorptd

強制終了

バックアップ実行中にバックアップを強制終了した場合,デーモンプロセスの状態がバックアップ実行前後で変わることがあります。その場合の回復手順を次に示します。

  1. デーモンプロセスの状態取得コマンド(ssostatus)を実行し,全デーモンプロセスの状態を確認します。

  2. 確認した全デーモンプロセスのうち,PAUSINGとなっているデーモンプロセスがある場合,デーモンプロセスの停止コマンド(ssostop)を実行して,PAUSINGとなっているデーモンプロセスをすべて停止します。PAUSING*となっている場合はPAUSINGになるまで待機し,RUNNING*となっている場合はRUNNINGになるまで待機します。

  3. デーモンプロセスの起動コマンド(ssostart)を実行して,停止したデーモンプロセスを起動します。

ユーザ認証機能

バックアップ実行中にSSO認証用のユーザの追加および削除はできません。