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JP1 Version 12 JP1/Network Node Manager i セットアップガイド


付録G.32 nnmloadmib.ovpl

SNMP MIBのロードとアンロードを行います。

SYNOPSIS

nnmloadmib.ovpl [ [-load mib-file] [-unload mib-module[:mib-module...]] [-list] [-u username] [-p password] ]

DESCRIPTION

nnmloadmib.ovplは,NNMiがSNMP Object Identifiers(OIDs)を数値形式から可読テキスト形式に変換するために,Internet SMI(Structure of Management Information)形式のSNMP MIB(Management Information Base)を読み込みます。NNMiコンソールでMIB式を作成する前に,MIBをロードする必要があります。NNMiはSMI Version 1(RFC1155,1212,1215)およびSMI Version 2(RFC2578)形式をサポートします。

nnmloadmib.ovplコマンドは,NNMiで使用するために,MIBモジュールをコンパイルしてロードし,得られる情報をNNMiデータベースに格納します。

MIBからTRAP-TYPEおよびNOTIFICATION-TYPEマクロをNNMiのインシデントの設定にロードする場合は,nnmloadmib.ovplコマンドでNNMiのMIBデータベースにMIBをロードした後に,nnmincidentcfg.ovplコマンドを使用します。

Parameters

nnmloadmib.ovplコマンドは,次のオプションをサポートします。

-load mib-file

mib-fileに指定したファイルのコンテンツをMIBデータベースに読み込みます。

注意:nnmloadmib.ovplコマンドを実行する前に,mib-fileファイルを%NNM_DATA%\shared\nnm\user-snmp-mibs(Windows)ディレクトリまたは,$NNM_DATA/shared/nnm/user-snmp-mibs(Linux)ディレクトリ(またはその配下のディレクトリ)にコピーすることを推奨します。これにより,アクション->MIBファイルを表示メニューと-listオプションで,MIBファイルの元の場所を見つけることができます。

-unload mib-module[:mib-module...]

MIBデータベースからmib-moduleのリストをアンロードします。mib-moduleとは,MIBデータベースに読み込まれているMIBモジュールの名前です。

注意:もしnnmloadmib.ovplスクリプトを使ってMIBをアンロードしてnnmincidentcfg.ovplスクリプトを使ってMIBからのインシデント設定をアンロードしたい場合,先にインシデント設定のアンロードをしてください。これはnnmincidentcfg.ovplスクリプトではアンロードされたMIBモジュール名は指定できないためです。

-list
データベースに読み込まれているMIBの一覧を表示します。
-u <username>
コマンドの実行に必要なNNMiの管理者名を指定します。nnm.propertiesファイルが存在していない限り,これが必要になります。詳細はnnm.propertiesリファレンスページを参照してください。
-p <password>

コマンドの実行に必要なNNMiの管理者パスワードを指定します。nnm.propertiesファイルが存在していない限り,これが必要になります。詳細はnnm.propertiesリファレンスページを参照してください。

Loading/Unloading Validation

MIBのロードおよびアンロード時に,既存のすべてのロード済みMIBは,ロード/アンロード操作が問題なく実行されることを保障するために解析されます。そのため,ロードおよびアンロード対象のMIBとは必ずしも関係のない警告(OIDが重複しているなど)が表示されることがあります。コマンドラインの実行時に成功のステータスが返されていれば問題はないため,これらの警告は無視することができます。

Syntax of MIB Files

MIBファイルに関連する構文のほとんどは,さまざまなRFCドキュメントに記述されています。このページの「SEE ALSO」の項を参照してください。

Diagnostics

nnmloadmib.ovplコマンドは,次の終了コードを返します。

0

コマンドの実行に成功しました。

1

コマンドラインの指定が正しくありません。

20

コマンドを実行した後に予期しない例外が発生しました。

21

指定した資格情報を使ってコマンドを実行することは許可されませんでした。

22

MIBファイル内に構文エラーを検出したか,サービスに不具合があったためMIBを読み込めませんでした。

23

不正な引数が使用されました。多くの場合,必要なファイル名を指定せずに,-load のようなオプションが指定されています。

24

コマンドは,NNMiで実行されているMIBローダーサービスと通信できませんでした。

25

引数が指定されていません。このコマンドには,引数を指定する必要があります。

27

NNMiは動作中ですが,MIBローダーサービスを解決できません。

30

データベースに問題があるため,一覧表示操作に失敗しました。

nnmloadmib.ovplコマンドに失敗すると,MIBに関する潜在的な問題を分析し解決するために,説明的なエラーメッセージが表示されます。すべてのエラーメッセージは,同じような形式です。

SEVERITY: MESSAGE FILENAME:LINE_NUMBER:COLUMN_NUMBER: DETAIL_MESSAGE

一般的な障害と推奨される解決策を次に示します。

ERROR : Cannot find symbol file:///tmp/CHECKPOINT-MIB.mib:Line 2620:Column 16:cpvTNlMonCurrAddr

記載されているシンボル名は,読み込まれるMIB内に宣言として見つからなかったか,MIB定義の上部にimportとして記載されていません。これは,シンボル名の入力ミスか,import宣言がないために発生している可能性があります。

ERROR : Cannot find symbol file:///var/opt/OV/shared/nnm/user-snmp-mibs/example.mib:Line 13233:Column 16:COUNTER64

MIBファイルをNNMiに適切にロードするには,MIBファイルがSNMP SMI v1(RFC1155)またはSMI v2(RFC2578)のいずれかの規格に準拠している必要があります。大文字と小文字の区別や正しいMIB定義からのオブジェクトのインポートについて,特に注意する必要があります。場合によっては,旧バージョンのNNMiで正しくロードされていたMIBを修正する必要があるかもしれません。 一般的な例としては,Counter64が正しい定義のときに誤ってCOUNTER64を使用してしまう場合です。例えば,"SYNTAX COUNTER64"などは,"SYNTAX Counter64"に修正する必要があります。

ERROR : Found symbol file:///tmp/CHECKPOINT-MIB.mib:Line 3509:Column 27:routingDest but expected a class org.jsmiparser.smi.SmiType instead of class org.jsmiparser.smi.SmiVariable

記載されているシンボル名は,期待されていたタイプではありません。この場合,SMIタイプが期待されていましたが,MIB変数名が代わりに提供されました。このケースの解決策は,正しいSMIタイプ,つまりIPアドレスを指定することです。

ERROR : Cannot find module file:///tmp/rfc1472-PPP-SEC-MIB.mib:Line 9:Column 26:PPP-LCP-MIB

このエラーは,importとして記載されているMIBモジュールが読み込まれていないため,結果として,パーサーがimportできないことを示しています。解決策は,参照されているMIBを最初に読み込むことです。

ERROR file:///tmp/vinemib2:Line 4360:Column 17: Parse error: unexpected token: --#

NNMiは,TRAP-TYPEまたはNOTIFICATION-TYPEのマクロ定義で指定できる,一部のカスタムトラップメッセージ形式情報をサポートしています。有効な値を次に示します。

                  --#TYPE
                  --#SUMMARY
                  --#ARGUMENTS
                  --#SEVERITY
                  --#GENERIC
                  --#CATEGORY
                  --#SOURCE_ID
                  --#TIMEINDEX
                  --#HELP
                  --#HELPTAG
                  --#STATE

このエラーは,--#の後に無効なキーワード,またはNNMiが予期しない一連のキーワードを指定したことを示しています。この問題を修正するには,上記のリストに対応しない --# エントリを削除するか,行の始めに余分なコメント文字シーケンス(--)を追加します。

EXAMPLES

MIBファイル $NNM_DATA/shared/nnm/user-snmp-mibs/corp.mibを読み込む場合,次のようにnnmloadmib.ovplコマンドを実行します。

nnmloadmib.ovpl -load $NNM_DATA/shared/nnm/user-snmp-mibs/corp.mib -u user -p password

ロードされているMIBの一覧を表示する場合,次のようにnnmloadmib.ovplコマンドを実行します。

nnmloadmib.ovpl -list -u user -p password

AUTHOR

nnmloadmib.ovpl was developed by Micro Focus.

FILES

Windows:
%NnmInstallDir%misc\nnm\snmp-mibs\*
%NNM_DATA%\shared\nnm\user-snmp-mibs\*
Linux:
$NnmInstallDir/misc/nnm/snmp-mibs/*
$NNM_DATA/shared/nnm/user-snmp-mibs/*

SEE ALSO

RFC 2578 Structure of Management Information Version 2 (SMIv2)

RFCs 1155, 1212, 1215: SNMP Version 1 Structure of Management Information

RFCs 1902, 1903, 1904: SNMP Version 2 Structure of Management Information

nnmincidentcfg.ovpl, nnmsnmpwalk.ovpl.