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JP1 Version 12 JP1/Network Node Manager i セットアップガイド


19.4.2 HA用にNNMiを設定する

ここでは,HA用にNNMiを設定する作業の流れ,および検討段階で決めておく設定情報について説明します。

HA用にNNMiを設定する場合の主な作業は,次の2つです。

  1. NNMiデータファイルを共有ディスクにコピーする。

    プライマリクラスタノードでこの作業を行います。

  2. HA下でNNMiを実行するように,設定する。

    • プライマリクラスタノードでこの作業を行います。

    • セカンダリクラスタノードでこの作業を行います。

設定作業の流れを次に示します。

[図データ]

1つのHAクラスタノードを,プライマリNNMi管理サーバーとして割り当てます。これが大部分の時間にアクティブとなるノードです。プライマリクラスタノードとして設定します。次にHAクラスタ内の残りのノードをセカンダリクラスタノードとして設定します。

重要

HTTPS通信を使用してNNMiサーバーにアクセスする場合,プライマリクラスタノードの起動確認の前に,証明書を使用するように設定します。詳細については,「10.3.6 高可用性環境での証明書の使用」を参照してください。

メモ
  • HA用のNNMiの設定は,複数のクラスタノードで同時には行えません。プライマリクラスタノードでHA設定プロセスが完了したあと,セカンダリクラスタノードでのHA設定プロセスを開始する,というように,クラスタ環境内のノードを1つずつHA用に設定してください。

  • HAモニタの場合は,nnmhaconfigure.ovplを使わないで設定作業を行います。設定方法については,リリースノートを参照してください。

フェイルオーバー中にはNNMiコンソールは応答しません。フェイルオーバーが完了してから,NNMiユーザーは,サインインしてNNMiコンソールのセッションを続行してください。

NNMiのTrapReceiverプロセス,およびそのフェイルオーバーとの関連に関する重要情報については,「21.16 NNMi NmsTrapReceiverプロセス」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) NNMi HA設定情報

HA設定スクリプト(nnmhaconfigure.ovpl)は,NNMi HAリソースグループに関する情報を収集します。次の表に,プライマリクラスタノードの設定で必要になる情報を示します。設定作業を開始する前に,これらの情報を用意してください。

これらの情報は,設定作業時にHA設定スクリプト(nnmhaconfigure.ovpl)を実行して対話形式で入力します。入力要求がOSやHA製品の種類およびシステム構成に合わせて表示されますので,画面表示に従って入力してください。

表19‒3 NNMi HAプライマリクラスタノードの設定情報

HA設定項目

説明

HAリソースグループ

NNMiを含むHAクラスタのリソースグループの名前です。この名前はNNMiに対して一意であり,現在使用されていない名前にする必要があります。

(例):nnmtest1

注記:HAリソースグループの名前に,空白を含む文字列は使用できません。

注記:名前に使用できる文字種,文字数はクラスタソフトの仕様に準じます。詳しくは,表の欄外の説明を参照してください。

注記:HAリソースグループの名前は,ほかのリソース名やリソースグループ名の部分文字列(相手の文字列の一部または全部に一致する文字列)にならないようにしてください。例えば,リソースグループtestAが存在する場合,testやestなどの名称は使用できません。

注記:HAリソースグループ作成後に名前を変更することはできません。名前を変更するには,NNMiのHA設定を解除し,新しい名称でHA設定をし直してください。

仮想ホストの名前

仮想ホストの名前です。ドメイン名を含むFQDN名ではなく短い名前を指定します。このホスト名は,HAリソースグループの仮想IPアドレスにマッピングする必要があります。仮想ホストの短い名前と仮想IPアドレスを名前解決できる必要があります。

注記:HA設定の完了後に仮想ホスト名を変更することはできません。仮想ホスト名を変更するには,NNMiのHA設定を解除し,新しい名前でHA設定をし直してください。

注記:NNMiが仮想ホストの短い名前と仮想IPアドレスを解決できない場合は,HA設定スクリプトによって,システムが不安定な状態になる可能性があります。したがって,NNMi HAの設定中にDNSが利用できない場合に備えて,予備の手段(例えば,Windowsオペレーティングシステムの場合は,%SystemRoot%\system32\drivers\etc\hostsファイルに,Linuxオペレーティングシステムの場合は,/etc/hostsファイルに,それぞれ情報を記述する)を用意しておくことをお勧めします。

仮想ホストのネットマスク

仮想ホストIPアドレスで使われるサブネットマスクです。これは,IPv4アドレスであることが必要です。

仮想ホストのネットワークインタフェース

仮想ホストIPアドレスが使われるネットワークインタフェースです。

(例)

  • Windows:ローカルエリア接続

  • Linux:eth0

共有ファイルシステムのタイプ

HAリソースグループで使われる共有ディスクの設定タイプです。次のどちらかになります。

  • disk:共有ディスクは,標準のファイルシステムタイプを使う,物理的に接続されたディスクです。HA設定スクリプトは,共有ディスクを設定できます。詳細については,この表のファイルシステムタイプの欄を参照してください。

  • none:共有ディスクには,diskオプションで説明している設定以外のSANやNFS構成などを使います。HA設定スクリプトを実行すると,共有ディスクが設定されます。

注記:JP1/NNMiではnoneを指定した場合の動作はサポートしていません。必ずdiskを指定してください。

ファイルシステムタイプ

(Linuxだけ)

共有ディスクのファイルシステムタイプです(共有ファイルシステムのタイプがdiskの場合)。HA設定スクリプトは,ディスクの検証方法を調べるために,この値をHA製品に渡します。

次の共有ディスクフォーマットはテスト済みです。

  • VCSまたはSCSにはext2,ext3,およびvxfs

ディスクグループ

(Linuxだけ)

NNMi共有ファイルシステムのディスクグループの名前です。

(例):shdg01

ボリュームグループ

(Linuxだけ)

NNMi共有ファイルシステムのボリュームグループの名前です。

例:vg03

マウントするディレクトリ

(マウントポイント)

NNMiの共有ディスクをマウントするディレクトリの場所です。このマウントポイントは,すべてのシステムで同じである必要があります(つまり,各ノードでは,マウントポイントに同じ名前を使う必要があります)。Windowsの場合,<ドライブ文字> または<ドライブ文字>:\<任意のディレクトリ> を指定します。ディレクトリ名に空白を含めることはできません。

(例)

  • Windows: Y:またはY:\JP1

  • Linux: /nnmmount

注記:NNMiの共有データは,上で指定したディレクトリ直下に作成されるNNMという格納先ディレクトリ内に保存されます(格納先ディレクトリのパスを次に示します)。格納先ディレクトリ名(NNM)は固定です。

  • Windows: <ドライブ文字>:\NNMまたは <ドライブ文字>:\<任意のディレクトリ>\NNM

  • Linux: <マウントポイント>/NNM

注記:HAの設定完了後にマウントポイントを変更することはできません。Windowsの場合は,HAの設定完了後にマウントポイントのドライブ文字も変更することはできません。変更が必要な場合は,「19.7 HAクラスタ内のNNMiの設定を解除する」の手順でHAの設定を解除したあと,「19.4 HAを設定する」の手順で再度HAを設定してください。

NNMiのHAリソースグループの名前に使える文字の種類および文字数は,クラスタの仕様に準じます。NNMi用のHAリソースグループでは,次の範囲で名称を指定してください。