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JP1 Version 12 ネットワーク管理 基本ガイド


2.3.2 リソースの収集

SSOでは,監視対象のサーバ上にSNMPエージェント(ESA)を導入することで,サーバからシステムリソースを収集できます。収集する時間帯,間隔,期間などを設定すると,定期的にリソースを収集し,参照できます。

〈この項の構成〉

(1) リソース収集とは

リソース収集とは,ネットワーク上のサーバのシステムリソースやユーザーが任意に設定した監視リソースを収集することです。

SSOでは,OS(WindowsやLinux)やSNMPをサポートする各種サーバ製品とネットワーク機器のシステムリソース(性能情報,統計情報,稼働情報)およびユーザーリソース(ユーザーが独自に定義できるリソース)を収集し,リアルタイムに監視できます。例えば,CPU利用率が90%を超えたら,インシデントを発行するなどの監視ができます。インシデント発行と合わせて,任意のアクションを自動的に実行することもできます。

SSOでは,次のようなリソースが収集できます。

収集対象のリソースを設定する場合,収集対象の候補はSSOにあらかじめ登録されているため,GUIに表示されたリソースから選択するだけで簡単に設定できます。収集の開始および終了をコマンドで実行できるため,操作を自動化することもできます。

ヒント

SSOのリソース収集機能では,リソース収集元の実体をインスタンス,SNMPエージェントから取得できるリソースの最小項目をサブリソース,複数のサブリソースをグループ化したものをリソースと定義しています。

[図データ]

メモ

収集したリソースで,月単位や時間単位など任意の期間でレポートを作成できます。レポートを確認すれば,サーバの動作傾向が把握できるため,システム運用の計画を立てやすくなります。レポートは,CSV形式,またはHTML形式で出力できます。さまざまな形式のグラフが選択できるため,用途に合ったレポートを出力できます。

[図データ]

(2) リソース収集を開始する

SSOでリソースを収集するための設定をして,リソース収集を開始します。

操作手順

  1. SSOコンソールで[リソース収集条件設定]をクリックします。

    [図データ]

  2. [編集]−[収集条件追加]を選択します。

  3. 監視対象のサーバを選択し,[次へ]をクリックします。

    [新規サーバ]でサーバを直接指定するか,[登録済みサーバ]ですでに登録されているサーバの中から選択します。

  4. 監視対象のサーバのエージェント種別を自動判定するかどうかを選択し[次へ]をクリックします。

    収集できるリソースは,エージェント種別によって異なります。[収集条件追加(2/3)]ウィザードで[判定する]を選択すると,[収集条件追加(3/3)]ウィザードでエージェント種別に応じて収集できるリソースだけが表示されます。

  5. 収集対象とするリソースを[収集しないリソース]から選択し,[追加]をクリックします。

    [収集するリソース]に選択したリソースが追加されます。

  6. [完了]をクリックします。

    収集対象とするリソースが設定されます。

  7. 収集条件を設定したいリソースを選択し,[編集]−[収集条件変更]を選択し,インスタンス名,サブリソース名,収集モードを選択します。

    収集条件を設定しない場合は,すべてのインスタンスが収集の対象となります。収集モードでは,収集したデータを保存するか,およびしきい値を監視するかを設定できます。しきい値を監視する場合は,しきい値としきい値を超えた場合に実行するコマンドも設定します。

  8. [OK]をクリックします。

    リソース収集条件が設定されます。

  9. [編集]−[収集時間帯設定]を選択します。

    リソースの収集時間帯は,毎日決まった時間帯にリソースを収集したい場合に設定します。

  10. 時間帯を指定したい番号のチェックボックスをチェックし,開始時刻および終了時刻を指定します。

    例えば,毎日8:00から18:00の間にリソースを収集したい場合は,開始時刻に「08:00:00」,終了時刻に「18:00:00」を指定します。

  11. [OK]をクリックします。

    リソースの収集時間帯が設定されます。

    ヒント

    用途に応じて収集間隔を設定することもできます。収集間隔を設定すると,システムの負荷を軽減できます。収集間隔は,[編集]−[収集間隔変更]で設定します。

    • リソースの使用量・使用率の急騰を検知したい場合は,収集間隔を短く設定します。

    • リソースの使用状況を長期的に監視したい場合は,収集間隔を長く設定します。

  12. [アクション]メニュー−[収集開始]を選択します。

  13. 収集開始および収集終了で収集する期間を設定し,[開始]をクリックします。

    リソース収集が開始されます。

    [図データ]

    収集時間帯を設定した場合は,[収集開始]ウィンドウの収集開始と収集終了の期間に収集時間帯が含まれるように設定してください。

    メモ
    • リソースの収集を手動で終了したい場合は,[リソース収集条件設定]ウィンドウから収集を終了したいリソースを選択し,[アクション]メニュー−[収集終了]を選択してください。

    • リソースの収集状態を知りたい場合は,[リソース収集条件設定]ウィンドウの収集状態を確認してください。現在の収集状態が[未収集],[収集中],[収集完了]などで表示されます。

操作結果

これで,リソースの収集が開始されました。収集したリソースを参照したり,レポートに出力したりして,リソースの監視を始めます。

次の作業

次は,SSOでプロセス・サービスを監視するための設定をしましょう。