1.1.7　DAG（Database Availability Group）で運用できます

Exchange Server 2010から新たに導入されたDAGは，最小2台，最大16台のメールボックスサーバとDAG監視サーバで構成される高可用構成です。

障害が発生した場合に継続して業務を運用でき，Performance Managementによる24時間稼働，および24時間監視ができます。

DAGに障害が発生した場合や，管理者による切り替えの運用例を次の図に示します。

図1‒2　DAGに障害が発生した場合や，管理者による切り替えの運用例

• メールボックスDB（データベース）

  メールボックスサーバが管理する情報をメールボックスDBと言います。

  メールボックスDBは，ほかの複数のメールボックスサーバへコピーを設定できます。

  メールボックスDBが稼働中の状態を「アクティブ」と言います。

  Exchange管理コンソール画面では「マウント済み」と表示されます。

  メールボックスDBが待機中の状態を「パッシブ」と言います。

  Exchange管理コンソール画面では「正常」と表示されます。

• フェールオーバー

  DAG監視サーバが，サーバレベルの障害やデータベースレベルの障害を検知し，メールボックスDBを切り替えることを「フェールオーバー」と言います。

  フェールオーバーは自動的かつ瞬時に行われ，管理者による対応は不要です。

  データベースレベルの障害検知機能は，Exchange Server 2010から導入されました。

  フェールオーバー発生時には，Exchange管理コンソールの画面上で，正常（パッシブ）状態のメールボックスDBが，マウント済（アクティブ）状態に切り替わります。

  なお，フェールオーバーの原因がネットワーク障害や電源障害などの場合は，そのサーバのレポート表示ができなくなります。

• スイッチオーバー

  メールボックスDBの手動切替を「スイッチオーバー」と言います。

  スイッチオーバーの際には，アクティブにするメールボックスDBを指定できます。

• サーバ単位のスイッチオーバー

  サーバメンテナンスなどの場合は，サーバ内すべてのメールボックスDBに対して，一括してスイッチオーバーを行うことができます。

• PFM - Agentのインストール対象

  DAGの構成では全メールボックスサーバが稼働状態になりますので，監視対象すべてに，PFM - Agentのインストールを行ってください。

  インストール，セットアップ，運用は，通常構成に準じます。詳細については，「第2編 構築・運用編」を参照してください。

• DAG構成について

  DAGはメールボックスサーバ専用の高可用構成であり，その他の役割サーバでは構成できません。クライアントアクセス，ハブトランスポート，エッジトランスポート，これらの役割を複数サーバによる高可用構成にした場合は，全サーバが稼働状態になりますので，監視対象すべてにPFM - Agentのインストールを行ってください。

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