5.3.2 設定内容
環境パラメーター設定ファイルは,次の形式で記述します。
[セクション] ラベル=値 ラベル=値 : : [セクション] ラベル=値 ラベル=値
- 注意
-
-
行頭および「=」の前後に,空白文字などの余計な文字を設定しないでください。
-
セクションおよびラベルでは,指定した値の大文字・小文字は区別されません。
-
行の先頭に「;」を指定すると,その行はコメントとして扱われます。
-
次に,環境パラメーター設定ファイルの各セクションで設定する内容を表形式で説明します。
(1) EXTRACTFILEセクション
EXTRACTFILEセクションでは,システムログ情報の出力ファイルの情報を指定します。
ラベル |
意味 |
指定できる値 |
デフォルト値 |
---|---|---|---|
TYPE |
システムログ情報を格納するファイルの形式。
PFM - Agent for Enterprise Applicationsの環境を新規で構築する場合は,WRAP2を指定することを推奨します。 運用の開始後,格納ファイルの形式を変更する場合は,事前に格納ファイルを監視している製品を停止し,格納ファイルとその管理ファイル※1を削除してください。 |
WRAP1またはWRAP2 |
WRAP2 ただし,Version 9以前からのバージョンアップなどによって,TYPEラベルが存在しない場合は,WRAP1となります。 |
SIZE |
1ファイル当たりの格納ファイル容量。
|
0〜65535 |
10240※2 |
X2PATH |
|
|
|
NUM |
WRAP2形式で格納するときのファイル数。 TYPEラベルでWRAP2を設定している場合だけ有効です。 |
2〜9 |
5 |
(2) FORMATセクション
FORMATセクションでは,出力されるシステムログ情報の出力形式を指定します。
ラベル |
意味 |
指定できる値 |
デフォルト値 |
---|---|---|---|
COLUMN |
出力されるシステムログ情報の出力形式。 |
フィールドID。フィールドIDについては,「11. コマンド」のjr3slgetコマンドの「出力形式および内容」を参照のこと。 |
列1:<TIME> 列2:<INSTANCE> 列3:<USER> 列4:<PROGRAM> 列5:<MSGNO> 列6:<MSGTEXT> |
(3) TRACEセクション
TRACEセクションでは,システムログ情報抽出の実行履歴が保存されるメッセージログおよびデータログの情報を指定します。
ラベル |
意味 |
指定できる値 |
デフォルト値 |
---|---|---|---|
MSGLOG_LEVEL |
アプリケーションのトレース情報を保存するメッセージログの取得レベル。
|
0〜4 |
2 |
MSGLOG_SIZE |
メッセージログを取得するファイル容量。
|
0〜65535 |
512 |
MSGLOG_DIR |
メッセージログファイル(jr3slget.log)の取得先ディレクトリ。 |
(変更できない) |
log |
DATALOG_LEVEL |
アプリケーションの各種データ情報を保存するデータログの取得レベル。
|
0〜4 |
2 |
DATALOG_SIZE |
データログを取得するファイル容量。
|
0〜65535 |
512 |
DATALOG_DIR |
データログファイル(jr3slget.dat)の取得先ディレクトリ。 |
(変更できない) |
log |
(4) CONNECTセクション
CONNECTセクションでは,SAPシステムとのRFC接続を確立するための情報を指定します。
ラベル |
意味 |
指定できる値 |
デフォルト値 |
---|---|---|---|
LANG |
接続に利用するユーザーの言語 |
日本語と英語が使用できる。 次に示すSAPシステムで使用されている2バイトのISO IDまたは1バイトの言語キーを指定する。
|
なし |
CODEPAGE |
接続先のUnicode版SAPシステムで文字コードを変換するときに使用するコードページ |
LANGラベルの言語と組み合わせて指定する。※ |
なし |
- 注※
-
LANGラベルとCODEPAGEラベルは,次の組み合わせで設定してください。次の組み合わせ以外の言語とコードページを指定した場合,SAPシステムから取得した情報が文字化けする可能性があります。
表5‒5 言語とコードページの指定内容の組み合わせ 接続先
SAPシステム
接続言語
言語
(LANG)
コードページ(CODEPAGE)
Unicode版
日本語
JA
8000
英語
EN
指定する必要はありません。指定する場合は,1100を指定してください。
非Unicode版
日本語
JA
指定する必要はありません。指定する場合は,8000を指定してください。
英語
EN
指定する必要はありません。指定する場合は,1100を指定してください。
LANGラベルの指定を省略した場合,接続先システムで定義されているユーザーの言語が仮定されます。
CODEPAGEラベルの指定を省略した場合,接続先システムのデフォルトコードページが仮定されます。
(5) Optionセクション
Optionセクションでは,システムログの抽出の基点を決めるための情報を指定します。
SAPシステムのタイムゾーンは,システムログ情報抽出機能で参照する環境パラメーター設定ファイルのOptionセクションのSAPTIMEZONEOFFSETに設定します。SAPTIMEZONEOFFSETを設定することで,PFM - Agent for Enterprise Applicationsの稼働ホストとSAPシステムでタイムゾーンが異なる環境でも,システムログ情報を正しく抽出できます。ラベルが未設定の場合,デフォルト値を使用します。
なお,リモート監視における収集基点時間の推奨値については,「8.1 収集基点時間の注意事項」を参照してください。また,SAPシステムのタイムゾーンを設定する場合の注意事項は,「8.2 SAPシステムのタイムゾーンの注意事項」を参照してください。
ラベル |
意味 |
指定できる値 |
デフォルト値 |
---|---|---|---|
SHIFTEXTRACTTIME※1 |
システムログ情報の抽出の基点を決める収集基点時間(単位:秒)。 収集時刻に対して,抽出対象のシステムログ情報の時刻の範囲をずらす時間を指定してください。 |
0〜600 |
5 |
SAPTIMEZONEOFFSET※2 |
PFM - Agent for Enterprise Applicationsの稼働ホストとSAPシステムでタイムゾーン(夏時間の適用有無を含む)が異なる場合に,SAPシステムのタイムゾーンをUTCとの時刻差(単位:分)で設定してください。 |
-1440〜+1440※3 |
PFM - Agent for Enterprise Applicationsの稼働ホストのタイムゾーン 例えば,PFM - Agent for Enterprise Applicationsの稼働ホストのタイムゾーンがJST(UTC+9)である場合,+540となります。 |
- 注※1
-
0以上の数値を指定する場合,符号(+)を省略できます。
- 注※2
-
SAPシステムの処理遅延によって,発生時刻通りにシステムログ情報が保存されない場合,このラベルの設定値をデフォルトよりも大きな値に変更してください。
- 注※3
-
リモート監視機能を使用する環境でPFM - Agentが稼働するホストと監視対象のSAPシステムが稼働するホストのタイムゾーンが異なる場合だけ設定してください。
収集基点時間およびタイムゾーンの設定例を次に示します。
-
収集基点時間を10秒とする場合
[Option] SHIFTEXTRACTTIME=10
-
SAPシステムのタイムゾーンがUTC(UTC+0),かつ標準時間である場合
[Option] SAPTIMEZONEOFFSET=0
-
SAPシステムのタイムゾーンがEST(UTC-5),かつ夏時間(+1時間)である場合
[Option] SAPTIMEZONEOFFSET=-240