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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Agent Option for Enterprise Applications


5.3.2 設定内容

環境パラメーター設定ファイルは,次の形式で記述します。

[セクション]
ラベル=
ラベル=
:
:
[セクション]
ラベル=
ラベル=
注意
  • 行頭および「=」の前後に,空白文字などの余計な文字を設定しないでください。

  • セクションおよびラベルでは,指定した値の大文字・小文字は区別されません。

  • 行の先頭に「;」を指定すると,その行はコメントとして扱われます。

次に,環境パラメーター設定ファイルの各セクションで設定する内容を表形式で説明します。

〈この項の構成〉

(1) EXTRACTFILEセクション

EXTRACTFILEセクションでは,システムログ情報の出力ファイルの情報を指定します。

表5‒1 EXTRACTFILEセクションに指定できる値

ラベル

意味

指定できる値

デフォルト値

TYPE

システムログ情報を格納するファイルの形式。

  • WRAP1

    システムログ情報が一定の容量に達すると,ラップアラウンドして再び先頭からデータを上書きする形式のファイルです。

  • WRAP2

    NUMラベルで設定した複数のファイルを持つ形式です。1つ目のファイルが一定の容量に達すると,ラップアラウンドして2つ目のファイルに書き込みます。このとき,2つ目のファイルのデータを削除し,先頭からデータを書き込みます。

    複数のファイルすべてで一定の容量に達すると,1つ目のファイルに戻ってデータを削除し,先頭からデータを書き込みます。

PFM - Agent for Enterprise Applicationsの環境を新規で構築する場合は,WRAP2を指定することを推奨します。

運用の開始後,格納ファイルの形式を変更する場合は,事前に格納ファイルを監視している製品を停止し,格納ファイルとその管理ファイル※1を削除してください。

WRAP1またはWRAP2

WRAP2

ただし,Version 9以前からのバージョンアップなどによって,TYPEラベルが存在しない場合は,WRAP1となります。

SIZE

1ファイル当たりの格納ファイル容量。

  • 0:

    2GB(32ビットの符号付き整数で示せる最大値(0x7FFFFFFF))

  • 1〜65535:

    指定サイズ内でラップアラウンド(キロバイト)。

0〜65535

10240※2

X2PATH

  • TYPEラベルでWRAP1を設定している場合

    -x2オプションで,格納ファイル出力を指定したときに適用される格納ファイルのパスを指定する。※1※3

  • TYPEラベルでWRAP2を設定している場合

    -x2オプションで,格納ファイル出力を指定したときに適用される格納ファイルを指定する。※3※4

  • TYPEラベルでWRAP1を設定している場合

    1〜251バイトの半角英数字。※5

  • TYPEラベルでWRAP2を設定している場合

    1〜254バイトの半角英数字。※5

  • Windowsの場合

    log\SYSLOG

  • Linuxの場合

    log/SYSLOG

NUM

WRAP2形式で格納するときのファイル数。

TYPEラベルでWRAP2を設定している場合だけ有効です。

2〜9

5

(凡例)

−:該当なし。

注※1

WRAP1形式の場合,格納ファイルと同じディレクトリに,格納ファイル名.ofsという名称で管理ファイルが作成されます。

例:

格納ファイル名としてSYSLOGを指定したときSYSLOGファイルとは別にSYSLOG.ofsファイルが管理ファイルとして作成されます。

格納ファイルを削除する場合は,この管理ファイルも合わせて削除してください。

注※2

09-00以前からバージョンアップした場合に適用されるデフォルト値の詳細については,「付録H 移行手順と移行時の注意事項」を参照してください。

注※3

デフォルトの格納先から変更した場合,格納ファイルと管理ファイルをjpcrasコマンドで採取することができません。このため,トラブルが発生した場合,手動で格納ファイルと管理ファイルを採取していただく必要があります。

注※4

この値にNUMラベルに指定した範囲(デフォルトは1〜5)の値が付与されたファイル名が格納されます。

注※5

相対パスを指定した場合,コマンドの作業ディレクトリ(COMMANDセクションのWORKDIRラベルに指定したディレクトリ)が相対パスのカレントディレクトリとなります。なお,作業ディレクトリが指定されていない場合,以下のディレクトリからの相対パスのカレントディレクトリとなります。また,環境ディレクトリは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリです。

Windowsの場合:

物理ホスト環境:インストール先フォルダ\agtm\agent\インスタンス名

論理ホスト環境:環境ディレクトリ\jp1pc\agtm\agent\インスタンス名

Linuxの場合:

物理ホスト環境:/opt/jp1pc/agtm/agent/インスタンス名

論理ホスト環境:環境ディレクトリ/jp1pc/agtm/agent/インスタンス名

(2) FORMATセクション

FORMATセクションでは,出力されるシステムログ情報の出力形式を指定します。

表5‒2 FORMATセクションに指定できる値

ラベル

意味

指定できる値

デフォルト値

COLUMN

出力されるシステムログ情報の出力形式。

フィールドID。フィールドIDについては,「11. コマンド」のjr3slgetコマンドの「出力形式および内容」を参照のこと。

列1:<TIME>

列2:<INSTANCE>

列3:<USER>

列4:<PROGRAM>

列5:<MSGNO>

列6:<MSGTEXT>

(3) TRACEセクション

TRACEセクションでは,システムログ情報抽出の実行履歴が保存されるメッセージログおよびデータログの情報を指定します。

表5‒3 TRACEセクションに指定できる値

ラベル

意味

指定できる値

デフォルト値

MSGLOG_LEVEL

アプリケーションのトレース情報を保存するメッセージログの取得レベル。

  • 0:採取しない

  • 1:エラーだけ採取

  • 2:標準

  • 3:詳細

  • 4:デバッグ

0〜4

2

MSGLOG_SIZE

メッセージログを取得するファイル容量。

  • 0:2GB(32ビットの符号付き整数で示せる最大値(0x7FFFFFFF))

  • 1〜65535:指定サイズ(単位:キロバイト)内でラップアラウンド

0〜65535

512

MSGLOG_DIR

メッセージログファイル(jr3slget.log)の取得先ディレクトリ。

(変更できない)

log

DATALOG_LEVEL

アプリケーションの各種データ情報を保存するデータログの取得レベル。

  • 0:採取しない

  • 1:エラーだけ採取

  • 2:標準

  • 3:詳細

  • 4:デバッグ

0〜4

2

DATALOG_SIZE

データログを取得するファイル容量。

  • 0:2GB(32ビットの符号付き整数で示せる最大値(0x7FFFFFFF))

  • 1〜65535:指定サイズ(単位:キロバイト)内でラップアラウンド

0〜65535

512

DATALOG_DIR

データログファイル(jr3slget.dat)の取得先ディレクトリ。

(変更できない)

log

(4) CONNECTセクション

CONNECTセクションでは,SAPシステムとのRFC接続を確立するための情報を指定します。

表5‒4 CONNECTセクションに指定できる値

ラベル

意味

指定できる値

デフォルト値

LANG

接続に利用するユーザーの言語

日本語と英語が使用できる。 次に示すSAPシステムで使用されている2バイトのISO IDまたは1バイトの言語キーを指定する。

  • 日本語の場合:JAまたはJ

  • 英語の場合:ENまたはE

なし

CODEPAGE

接続先のUnicode版SAPシステムで文字コードを変換するときに使用するコードページ

LANGラベルの言語と組み合わせて指定する。

なし

注※

LANGラベルとCODEPAGEラベルは,次の組み合わせで設定してください。次の組み合わせ以外の言語とコードページを指定した場合,SAPシステムから取得した情報が文字化けする可能性があります。

表5‒5 言語とコードページの指定内容の組み合わせ

接続先

SAPシステム

接続言語

言語

(LANG)

コードページ(CODEPAGE)

Unicode版

日本語

JA

8000

英語

EN

指定する必要はありません。指定する場合は,1100を指定してください。

非Unicode版

日本語

JA

指定する必要はありません。指定する場合は,8000を指定してください。

英語

EN

指定する必要はありません。指定する場合は,1100を指定してください。

LANGラベルの指定を省略した場合,接続先システムで定義されているユーザーの言語が仮定されます。

CODEPAGEラベルの指定を省略した場合,接続先システムのデフォルトコードページが仮定されます。

(5) Optionセクション

Optionセクションでは,システムログの抽出の基点を決めるための情報を指定します。

SAPシステムのタイムゾーンは,システムログ情報抽出機能で参照する環境パラメーター設定ファイルのOptionセクションのSAPTIMEZONEOFFSETに設定します。SAPTIMEZONEOFFSETを設定することで,PFM - Agent for Enterprise Applicationsの稼働ホストとSAPシステムでタイムゾーンが異なる環境でも,システムログ情報を正しく抽出できます。ラベルが未設定の場合,デフォルト値を使用します。

なお,リモート監視における収集基点時間の推奨値については,「8.1 収集基点時間の注意事項」を参照してください。また,SAPシステムのタイムゾーンを設定する場合の注意事項は,「8.2 SAPシステムのタイムゾーンの注意事項」を参照してください。

表5‒6 Optionセクションに指定できる値

ラベル

意味

指定できる値

デフォルト値

SHIFTEXTRACTTIME※1

システムログ情報の抽出の基点を決める収集基点時間(単位:秒)。

収集時刻に対して,抽出対象のシステムログ情報の時刻の範囲をずらす時間を指定してください。

0〜600

5

SAPTIMEZONEOFFSET※2

PFM - Agent for Enterprise Applicationsの稼働ホストとSAPシステムでタイムゾーン(夏時間の適用有無を含む)が異なる場合に,SAPシステムのタイムゾーンをUTCとの時刻差(単位:分)で設定してください。

-1440〜+1440※3

PFM - Agent for Enterprise Applicationsの稼働ホストのタイムゾーン

例えば,PFM - Agent for Enterprise Applicationsの稼働ホストのタイムゾーンがJST(UTC+9)である場合,+540となります。

注※1

0以上の数値を指定する場合,符号(+)を省略できます。

注※2

SAPシステムの処理遅延によって,発生時刻通りにシステムログ情報が保存されない場合,このラベルの設定値をデフォルトよりも大きな値に変更してください。

注※3

リモート監視機能を使用する環境でPFM - Agentが稼働するホストと監視対象のSAPシステムが稼働するホストのタイムゾーンが異なる場合だけ設定してください。

収集基点時間およびタイムゾーンの設定例を次に示します。