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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Agent Option for Enterprise Applications


jr3slget

〈このページの構成〉

形式

jr3slget     [RFC接続情報]
             [ターゲット情報]
             [-lasttime タイムスタンプファイル名]
             [出力先]
             [-cnf 環境パラメーター設定ファイル名]
             [-help]
             [-v]

機能

jr3slgetコマンドは,SAPシステムのシステムログ情報を抽出します。

コマンドを実行できるホスト

PFM - Agent for Enterprise Applications

実行権限

Windowsの場合

なし

Linuxの場合

なし

格納先ディレクトリ

Windowsの場合
インストール先フォルダ\agtm\evtrap\
Linuxの場合
/opt/jp1pc/agtm/evtrap/

引数

RFC接続情報

コマンド実行時に,SAPシステムとのRFC接続を確立するための情報を指定します。

環境パラメーター設定ファイルで,RFC接続情報(CONNECTセクション)が指定されている場合,これらの引数の指定を省略できます。環境パラメーター設定ファイルおよびコマンドの両方でRFC接続情報が指定された場合,コマンドでの指定が優先されます。環境パラメーター設定ファイルについては,「5.4.3 コマンドを実行してシステムログ情報を抽出する場合の環境パラメーター設定ファイル」を参照してください。

RFC情報の各引数について説明します。

-h アプリケーションサーバホスト名

接続先のアプリケーションサーバホスト名を指定します。指定できる値は,1〜100バイトの半角英数字です。アプリケーションサーバホスト名は,次の形式で指定できます。

  • hostsファイルに指定されたホスト名

  • IPアドレス

  • SAPルーターアドレス

アプリケーションサーバホスト名は,トランザクションコードSM51で確認できます。

このオプションを指定する場合は,-sオプションも指定する必要があります。

-s システム番号

-hオプションで指定したアプリケーションサーバホストで識別するためのシステム番号を指定します。指定できる値は,0〜99の数値です。

このオプションを指定する場合は,-hオプションも指定する必要があります。

-c クライアント名

接続に利用するユーザーのクライアント名を1〜3バイトで指定します。指定できる値は,0〜999の数値です。

このオプションを指定する場合は,-u,および-pまたは-p2オプションも指定する必要があります。

-u ユーザー名

接続に利用するユーザー名を指定します。指定できる値は,1〜12バイトの半角英数字です。

このオプションを指定する場合は,-c,および-pまたは-p2オプションも指定する必要があります。

指定できるSAPユーザーについては「接続に使用するSAPユーザー」を参照してください。

-p パスワード

-uオプションで指定したユーザーのパスワードを指定します。指定できる値は,1〜8バイトの半角文字列です。

このオプションは,-p2オプションと同時に指定できません。

このオプションを指定する場合は,-c,および-uオプションも指定する必要があります。

このオプションは,SAPシステム側で従来型のパスワードルールが適用されている場合に指定します。

パスワードに指定できる文字については「接続に使用するSAPユーザー」を参照してください。

-p2 拡張パスワード

SAP NetWeaver 7.0以降をベースシステムとした拡張パスワード対応のSAPシステムへ接続する場合,-uオプションで指定したユーザーの拡張パスワードを指定します。指定できる値は,1〜40バイトの半角文字列です。英字の大文字と小文字は区別されます。

このオプションは,-pオプションと同時に指定できません。

このオプションは,SAPシステム側で拡張パスワードルールが適用されている場合に指定します。

このオプションを指定する場合は,-c,および-uオプションも指定する必要があります。

拡張パスワードに指定できる文字については「接続に使用するSAPユーザー」を参照してください。

-l 言語

-uオプションで指定したユーザーの言語を指定します。指定できる値は,SAPシステムで使用されている,2バイトのISO IDまたは1バイトの言語キーです。例えば,次のように指定します。

  • 日本語の場合:JA

  • 日本語以外の場合:EN

このオプションの指定を省略した場合,接続先システムで定義されているユーザーの言語が仮定されます。

このオプションを指定する場合は,-c-u,および-pまたは-p2オプションも指定する必要があります。

-codepage コードページ

接続先のUnicode版SAPシステムで文字コードを変換するときに使用するコードページを指定します。コードページは,-lオプションの言語と組み合わせて指定する必要があります。

次の組み合わせで設定してください。次の組み合わせ以外の言語とコードページを指定した場合,SAPシステムから取得した情報が文字化けする可能性があります。

表11‒5 言語とコードページの指定内容の組み合わせ

接続先SAPシステム

接続言語

言語(-l)

コードページ(-codepage)

Unicode版

日本語

JA

8000

英語

EN

指定する必要はありません。指定する場合は,1100を指定してください。

非Unicode版

日本語

JA

指定する必要はありません。指定する場合は,8000を指定してください。

英語

EN

指定する必要はありません。指定する場合は,1100を指定してください。

接続先のUnicode版SAPシステムで文字コードを変換するときに使用するコードページは,SAPシステムが提供する環境変数SAP_CODEPAGEでも設定することができます。環境変数SAP_CODEPAGEとこのオプションの両方でコードページが指定された場合は,このオプションの指定が有効となります。

このオプションの指定を省略した場合,接続先システムのデフォルトコードページが仮定されます。このオプションを指定する場合は,-c-u,および-pまたは-p2オプションも指定する必要があります。

ターゲット情報

抽出対象のシステムログ情報を特定するための情報を指定します。

環境パラメーター設定ファイルでターゲット情報(TARGETセクション)が指定されている場合は,この引数の指定を省略できます。環境パラメーター設定ファイルおよびコマンドの両方でターゲット接続情報が指定された場合,コマンドでの指定が優先されます。環境パラメーター設定ファイルについては,「5.4.3 コマンドを実行してシステムログ情報を抽出する場合の環境パラメーター設定ファイル」を参照してください。

ターゲット情報の引数について説明します。

-server SAPインスタンス名

システムログを採取しているSAPインスタンス名を指定します。指定できる値は,1〜20バイトの半角英数字です。1つのSAPインスタンス名だけ指定できます。SAPインスタンス名は,トランザクションコードSM50やSM66などで確認できます。

-lasttime タイムスタンプファイル名

前回のコマンド実行時以降に出力されたシステムログ情報だけを抽出する場合に,前回の抽出時刻を管理するためのタイムスタンプファイル名を指定します。

指定できる値は,1〜255バイトの半角文字列です。

相対パスで指定する場合,コマンドの作業ディレクトリからの相対パスを指定してください。ただし,環境パラメーター設定ファイルのCOMMANDセクションのWORKDIRラベルで,コマンドの作業ディレクトリを指定していない場合,カレントディレクトリからの相対パスを指定してください。

このオプションの指定を省略した場合,コマンド実行日の0時0分0秒から23時59分59秒までの期間が仮定されます。

このオプションの初回実行時に,指定したタイムスタンプファイルが存在しない場合,新規に作成されます。初回実行時は,システムログ情報が出力されません。

出力先

システムログ情報の出力先を指定します。このオプションの指定を省略した場合,システムログ情報は,改行コードで区切られてコマンドの標準出力に出力されます。

システムログ情報の出力ファイルの形式には,次の2種類があります。

  • WRAP1

    システムログ情報が一定の容量に達すると,ラップアラウンドして再び先頭からデータを上書きする形式のファイルです。出力ファイル数は,1つです。

  • WRAP2

    システムログ情報が一定の容量に達してラップアラウンドするとき,データを削除して再び先頭からデータを書き込む形式のファイルです。1つ目のファイルが一定の容量に達すると,ラップアラウンドして2つ目のファイルに書き込みます。このとき,2つ目のファイルのデータを削除し,先頭からデータを書き込みます。複数のファイルすべてで一定の容量に達すると,1つ目のファイルに戻ってデータを削除し,先頭からデータを書き込みます。

    出力ファイルは2〜9個用意できます。デフォルトは5個です。出力ファイルの個数は,環境パラメーター設定ファイルのEXTRACTFILEセクションのNUMラベルで指定します。

出力ファイルの形式を変更する場合は,事前に出力ファイルを監視している製品を停止し,出力ファイルとその管理ファイル(存在する場合)を削除してください。

出力先の各引数について説明します。

-x WRAP1形式の格納ファイル名

システムログ情報を出力するWRAP1形式のファイル名を,相対パスまたはフルパスで指定します。指定できる値は,1〜251バイトの半角文字列です。

相対パスで指定する場合,コマンドの作業ディレクトリからの相対パスを指定してください。ただし,環境パラメーター設定ファイルのCOMMANDセクションのWORKDIRラベルで,コマンドの作業ディレクトリを指定していない場合,カレントディレクトリからの相対パスを指定してください。

このファイルの先頭には,管理情報として1行のヘッダーがあります。

ファイルサイズのデフォルトは10,240キロバイトです。ファイルサイズを変更する場合は,環境パラメーター設定ファイルのEXTRACTFILEセクションのSIZEラベルで指定してください。

出力ファイルと同じディレクトリに,出力ファイル名.ofsという名称で管理ファイルが作成されます。たとえば,出力ファイル名としてSYSLOGを指定したときSYSLOGファイルとは別にSYSLOG.ofsファイルが管理ファイルとして作成されます。出力ファイルを削除する場合は,この管理ファイルも合わせて削除してください。

-xオプション,-x2オプション,-xwオプションは同時に指定できません。

-xw WRAP2形式複数面出力の格納ファイル名

システムログ情報を格納するWRAP2形式のファイル名を指定します。指定できる値は,1〜254バイトの半角文字列です。ファイル名は,指定されたファイル名の末尾に1バイトの数字が付与された名称で格納されます。

ここで付与される数字は,環境パラメーター設定ファイルのEXTRACTFILEセクションのNUMラベルで設定した値を基に,1〜「NUMラベルの値」の範囲で付与されます。例えば,"SYSLOG"を指定した場合,デフォルトではSYSLOG1〜SYSLOG5まで格納ファイルを生成します。

相対パスで指定する場合,コマンドの作業ディレクトリからの相対パスを指定してください。ただし,環境パラメーター設定ファイルのCOMMANDセクションのWORKDIRラベルで,コマンドの作業ディレクトリを指定していない場合,カレントディレクトリからの相対パスを指定してください。

ファイルサイズのデフォルトは10,240キロバイトです。ファイルサイズを変更する場合は,環境パラメーター設定ファイルのEXTRACTFILEセクションのSIZEラベルで指定してください。

-xwオプション,-xオプション,-x2オプションは同時に指定できません。

-x2

環境パラメーター設定ファイルのEXTRACTFILEセクションのX2PATHラベルで設定したファイルに,システムログ情報を出力する場合に指定します。

-x2オプション,-xオプション,-xwオプションは同時に指定できません。

-cnf 環境パラメーター設定ファイル名

コマンドが参照する環境パラメーター設定ファイル名を指定します。指定できる値は,1〜255バイトの半角文字列です。

相対パスで指定する場合,コマンドのカレントディレクトリからの相対パスを指定してください。

このオプションの指定を省略した場合,カレントディレクトリ下のデフォルト環境パラメーター設定ファイルjr3slget.iniが仮定されます。デフォルト環境パラメーター設定ファイルが存在しない場合,PFM - Agent for Enterprise Applicationsでのデフォルトの設定値が仮定されます。

環境パラメーター設定ファイルおよびデフォルトの設定値については,「5.4.3 コマンドを実行してシステムログ情報を抽出する場合の環境パラメーター設定ファイル」を参照してください。

-help

jr3slgetコマンドの使用方法を標準出力に出力します。

-v

標準出力にjr3slgetコマンドの処理状況を示すメッセージを出力します。このオプションの指定を省略した場合,コマンドの処理状況を示すメッセージは出力されません。

接続に使用するSAPユーザー

jr3slgetコマンドはシステムログ情報を収集するために,SAP社の通信プロトコルであるRFCを使用して,SAPシステム側に定義されている外部管理インターフェースを実行します。そのため,jr3slgetコマンドが接続に使用するユーザーをあらかじめSAPシステム側に用意しておく必要があります。詳細については,「3.1.5(2)PFM - Agent for Enterprise Applicationsで使用するSAPユーザーの作成」を参照してください。

注意事項

リモート監視機能を使用する場合,コマンドの引数に指定するRFC接続情報やターゲット情報,および環境パラメーター設定ファイルのCONNECTセクションには,監視対象のSAPシステムの情報(ホスト名やインスタンス名など)を指定してください。

出力形式および内容

SAPシステムのトランザクションコードSM21で確認できるシステムログ情報(パラメーターレコード行を含む)を抽出します。

システムログ情報は,デフォルトでは次の形式で出力されます。< >は,フィールドIDを示します。

[図データ]

システムログ情報の各値が,各フィールドに対して決められた長さに満たない場合,半角の空白で埋められます。出力される各値について次に説明します。

表11‒6 出力されるシステムログ情報の内容

フィールドID

意味

長さ(単位:バイト)

<TIME>

メッセージ記録時刻(HH:MM:SS)

8

<INSTANCE>

メッセージを記録したサーバ

20

<USER>

メッセージを記録したユーザー

12

<PROGRAM>

メッセージを記録したプログラム

8

<MSGNO>

メッセージ番号

3

<MSGTEXT>

メッセージテキスト

255

戻り値

0

正常終了した。

1以上

異常終了した。

使用例

SAPインスタンスo246bci_SD5_00のシステムログ情報を出力する場合のコマンド実行例を次に示します。RFC接続情報は,環境パラメーター設定ファイルで定義済みであることを前提としています。

jr3slget -server o246bci_SD5_00

このコマンドの出力例を次に示します。

[図データ]