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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Agent Option for Enterprise Applications


3.6.2 Storeバージョン2.0への移行

Storeデータベースの保存形式には,バージョン1.0と2.0の2種類あります。Storeバージョン2.0の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」を参照してください。

Storeバージョン2.0は,PFM - BaseまたはPFM - Managerのバージョン08-10以降の環境に,08-10以降のPFM - Agent for Enterprise Applicationsで,新規にインスタンスを構築した場合にだけデフォルトで利用できます。それ以外の場合は,Storeバージョン1.0形式のままとなっているため,セットアップコマンドによってStoreバージョン2.0に移行してください。

何らかの理由によってStoreバージョン1.0に戻す必要がある場合は,Storeバージョン2.0のアンセットアップを行ってください。

インストール条件に対応するStoreバージョン2.0の利用可否と利用手順を次の表に示します。

表3‒16 Storeバージョン2.0の利用可否および利用手順

インストール条件

Storeバージョン2.0

の利用可否

Storeバージョン2.0

の利用手順

インストール済みのPFM - Base,またはPFM - Managerのバージョン

PFM - Agentの

インストール方法

08-10より前

上書きインストール

利用できない

PFM - Base,または,PFM - Managerを08-10にバージョンアップ後,セットアップコマンドを実行

新規インストール

08-10以降

上書きインストール

既存のインスタンスについてはセットアップ後利用できる

セットアップコマンドを実行

新規インスタンスについては利用できる

インスタンス構築時にjpcconf inst setupコマンドで設定

新規インストール

利用できる

インスタンス構築時にjpcconf inst setupコマンドで設定

〈この項の構成〉

(1) Storeバージョン2.0のセットアップ

Storeバージョン2.0へ移行する場合のセットアップ手順について説明します。

  1. システムリソース見積もりと保存期間の設定

    Storeバージョン2.0導入に必要なシステムリソースが,実行環境に適しているかどうかを確認してください。必要なシステムリソースを次に示します。

    • ディスク容量

    • ファイル数

    • 1プロセスがオープンするファイル数

    これらの値は保存期間の設定によって調節できます。実行環境の保有しているリソースを考慮して保存期間を設定してください。システムリソースの見積もりについては,PFM - Agent for Enterprise Applicationsのリリースノートを参照してください。

  2. フォルダの設定

    Storeバージョン2.0に移行する場合に,Storeバージョン1.0でのパフォーマンスデータのデータ格納先フォルダ設定のままでは,Agent Storeサービスが起動しないことがあります。この場合,フォルダを設定し直す必要があります。詳しくは,「3.6.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。

  3. セットアップコマンドの実行

    Storeバージョン2.0に移行するため,jpcconf db vrset -ver 2.0コマンドを実行します。jpcconf db vrset -ver 2.0コマンドは,Agentインスタンスごとに実行してください。

    jpcconf db vrset -ver 2.0コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。

  4. 保存期間の設定

    手順1の見積もり時に設計した保存期間を設定してください。Agent Storeサービスを起動して,PFM - Web Consoleで設定してください。

(2) Storeバージョン2.0のアンセットアップ

Storeバージョン2.0のアンセットアップはjpcconf db vrset -ver 1.0コマンドを使用します。Storeバージョン2.0をアンセットアップすると,Storeデータベースのデータはすべて初期化され,Storeバージョン1.0に戻ります。

jpcconf db vrset -ver 1.0コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。

(3) 注意事項

移行についての注意事項を次に示します。

(a) Storeバージョン1.0からStoreバージョン2.0に移行する場合

StoreデータベースをStoreバージョン1.0からStoreバージョン2.0に移行した場合,PIレコードタイプのレコードの保存期間の設定は引き継がれますが,PDレコードタイプのレコードについては,以前の設定値(保存レコード数)に関係なくデフォルトの保存日数がレコードごとに設定され,保存日数以前に収集されたデータは削除されます。

例えば,Storeバージョン1.0で,Collection Intervalが3,600秒のPDレコードの保存レコード数を1,000に設定していた場合,PDレコードは1日に24レコード保存されることになるので,1,000÷24≒約42日分のデータが保存されています。このStoreデータベースをStoreバージョン2.0へ移行した結果,デフォルト保存日数が10日に設定されたとすると,11日以上前のデータは削除されて参照できなくなります。

Storeバージョン2.0へ移行する前に,PDレコードタイプのレコードの保存レコード数の設定を確認し,Storeバージョン2.0でのデフォルト保存日数以上のデータが保存される設定となっている場合は,jpctool db dumpコマンドでデータベース内のデータを出力してください。Storeバージョン2.0でのデフォルト保存日数については,PFM - Agent for Enterprise Applicationsのリリースノートを参照してください。

(b) Storeバージョン2.0からStoreバージョン1.0に戻す場合

Storeバージョン2.0をアンセットアップすると,データは初期化されます。このため,Storeバージョン1.0に変更する前に,jpctool db dumpコマンドでStoreバージョン2.0の情報を出力してください。

(c) Storeバージョン2.0のレコードのデフォルト保存期間

Storeバージョン2.0は,バージョン08-10以降のPFM - ManagerまたはPFM - Baseとバージョン08-00以降のPFM - Agent for Enterprise Applicationsの組み合わせで利用できます。PFM - Agent for Enterprise Applications 08-10以降を使用する場合とPFM - Agent for Enterprise Applications 08-00を使用する場合で,レコードのデフォルト保存期間が異なります。

PFM - Agent for Enterprise Applications 08-10以降を使用する場合

レコードのデフォルト保存期間については,PFM - Agent for Enterprise Applicationsのリリースノートを参照してください。

PFM - Agent for Enterprise Applications 08-00を使用する場合

PDレコードタイプとPLレコードタイプのレコードでは,すべてのレコードのデフォルト保存期間が10日に設定されます。PIレコードタイプのデフォルト保存期間を次に示します。

表3‒17 PIレコードタイプのデフォルト保存期間

セットアップ前の保存期間

セットアップ後の保存期間

要約区分

(単位:日)

(単位:日)

(単位:週)

(単位:週)

(単位:月)

1分間

1

1時間

1

1

1日間

1

1

1

2日間

2

2

1

3日間

3

3

1

4日間

4

4

1

5日間

5

5

1

6日間

6

6

1

1週間

7

7

1

1

1か月間

31

31

5

5

1

1年間

366

366

54

54

12

(凡例)

−:指定できない項目