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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Agent Option for Platform(UNIX(R)用)


7.4.6 ユーザー作成データのファイル形式

ユーザー作成データのファイル形式について説明します。パフォーマンスデータを収集するユーザーコマンドでは,この形式に従ってテキスト出力するようにしてください。

ユーザー作成データのファイルに出力する情報として,プロダクト情報セクションとデータセクションがあります。プロダクト情報セクションとデータセクションは,ユーザー作成データのファイルごとに作成してください。ユーザー作成データの構成例を次の図に示します。

図7‒6 ユーザー作成データの構成例

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) プロダクト情報セクション

製品名と,ユーザー作成データのファイル形式のバージョンを設定するセクションです。これらは固定値です。プロダクト情報セクションは内部機能で使用され,ユーザーレコードには格納されません。

形式を次に示します。

Product Name=PFM-Agent for Platform (UNIX)
FormVer=0001
注意

上記の指定方法について,「=」の前後などにスペースが含まれる場合はエラーとなります。また,指定する文字の大文字小文字および全角半角も区別されます。

(2) データセクション

パフォーマンスデータの情報を設定するセクションです。この情報は,プロダクト情報セクションの下に指定します。データセクションは,オプションヘッダー部とデータ部で構成されます。

(a) オプションヘッダー部

1行目はオプションヘッダー行です。フィールドオプションを1バイト以上のスペースまたはタブで区切ります。フィールドオプションは,ユーザーレコードのフィールドに対応します。

tt ks ki l ・・・

オプションと,対応するレコードのフィールド名を次の表に示します。「フィールド数」列のフィールド数を上限にそのオプションを複数指定できます。例えば,PI_UPIレコードでフィールドオプションに「ss」を複数指定する場合,項番10の「PI_UPI」列に「4」と表記されているので,PI_UPIレコードでは「ss ss ss ss」のように4個まで「ss」を指定できます。

表7‒28 データセクションで指定するオプションと対応するフィールド

項番

オプション名

フィールド名

値の説明

フィールド数(合計)

PD_UPD(17)

PD_UPDB(34)

PI_UPI(23)

PI_UPIB(49)

PI_XUI1〜PI_XUI5(67)

1

tt

Trans Type

トランザクションタイプ。このオプションは必ず指定する。※1

サイズ:1〜19バイト

1

1

1

1

1

2

ki

Trans Data Key

数値型のトランザクションキー。kiまたはksのどちらかを必ず指定する。両方指定することもできる。

タイプ:ulong

指定できる文字:数値および記号(+

1

1

1

1

1

3

ks

Trans String Key

文字列型のトランザクションキー。kiまたはksのどちらかを必ず指定する。両方指定することもできる。※1

サイズ:1〜19バイト

1

1

1

1

1

4

f

User Float

浮動小数点数※2

タイプ:double

2

5

2

5

30

5

fr※3

User Float Roll

累積値の浮動小数点数※2

タイプ:double

2

5

30

6

l

User Long

符号つきlong

タイプ:long

指定できる文字:数値および記号(- +

2

5

2

5

7

lr※3

User Long Roll

累積値の符号つきlong

タイプ:long

指定できる文字:数値および記号(- +

2

5

8

sl

User String(64)

64バイトの文字列※1

サイズ:1〜63バイト + NULL

1

5

1

5

2

9

sm

User String(32)

32バイトの文字列※1

サイズ:1〜31バイト + NULL

2

5

2

5

10

ss

User String(16)

16バイトの文字列※1

サイズ:1〜15バイト + NULL

4

5

4

5

11

sv

User String(128)

128バイトの文字列※1

サイズ:1〜127バイト + NULL

1

12

t

User Time

時刻(time_t型)

次の形式で指定する。

YYYY/MM/DD,hh:mm:ss

jpcuserコマンドを実行するマシンのLocalTimeを設定する。

1

1

1

1

1

13

u

User Unsigned Long

符号なしlong

タイプ:ulong

指定できる文字:数値および記号(+

2

5

2

5

14

ur※3

User Unsigned Long Roll

累積値の符号なしlong

タイプ:ulong

指定できる文字:数値および記号(+

2

5

(凡例)

−:指定できない。

注※1

指定できる文字は,英文字(大文字,小文字),数値,空白,および記号(` ~ ! @ # $ % ^ & * ( ) _ + - = { } : ; < > , . ? / | \ [ ])です。

注※2

指定できる文字は,数値,および記号(- + .)です。

注※3

frlrurを履歴収集したデータで集約して表示した場合は,累積値が表示されます。これらのオプションとki以外の数値オプションは平均値が表示されます。

なお,ユーザー作成データに複数のフィールドオプションを指定した場合は,ユーザーレコードの対象フィールドの連番順に割り当てられます。

例えば,PI_UPIBレコードでフィールドオプションに「lr」を3個指定する場合は,「lr lr lr」と指定します。この場合,「lr」はそれぞれ次のフィールドに割り当てられます。

  • 1個目のlr:User Long Roll 1

  • 2個目のlr:User Long Roll 2

  • 3個目のlr:User Long Roll 3

また,「sl lr sl lr lr」のように指定した場合は,それぞれ次のフィールドに割り当てられます。

  • 1個目のsl:User String 11

  • 2個目のlr:User Long Roll 1

  • 3個目のsl:User String 12

  • 4個目のlr:User Long Roll 2

  • 5個目のlr:User Long Roll 3

(b) データ部

2行目以降はデータ行です。データ行には,オプションヘッダー部に指定したフィールドオプションに対応するように,パフォーマンスデータそのものを指定します。各カラムは,1バイト以上のスペースまたはタブで区切ります。

データの並び順は,必ずフィールドオプションの型に合わせてください。

例えば,フィールドオプションに「tt ks lr lr ss ss」と指定した場合,次のデータの並び順では,すべての行がエラーとなります。

TCP jp1host "ESTABLISHD COUNT=" 5 "LISTENING COUNT=" 2
TCP jp1host "ESTABLISHD COUNT=" 3 "LISTENING COUNT=" 1
TCP jp1host "ESTABLISHD COUNT=" 3 "LISTENING COUNT=" 2

3列目と6列目のフィールドオプションとデータの型が一致していないことがエラーの原因です。

  • 3列目

    フィールドオプション「lr」に合わせて「蓄積したlong型整数値」が指定されるべきところに,文字列「"ESTABLISHD COUNT="」が指定されています。

  • 6列目

    フィールドオプション「ss」に合わせて「サイズ16の文字列」が指定されるべきところに,整数値「2,1,2」が指定されています。

(3) 注意事項