7.4.7 ユーザー作成データの内容が正しいかどうかを確認するためのデバッグログの参照
デバッグログとは,ユーザー作成データの内容が正しいかどうかを確認するためのログファイルです。デバッグログを出力する場合には,jpcuserコマンドに-debug 1,または-debug 2オプションを指定して実行してください。
デバッグログファイルには,ユーザー作成データのデータ行ごとにOK(成功),NG(失敗),WG(警告)などのチェック結果が出力されます。デバッグログにNG(失敗)やWG(警告)が出力された場合,ユーザー作成データが不正であると考えられます。ユーザー作成データを出力したユーザーコマンドを見直し,「7.4.6 ユーザー作成データのファイル形式」に従った形式で出力されるように修正してください。
デバッグログファイルの出力先を次に示します。
-
物理ホスト環境:
/opt/jp1pc/agtu/agent/jpcuser/debug/jpcuser_dbg_{01|02|03|04|05}.log
-
論理ホスト環境:
環境ディレクトリ/jp1pc/agtu/agent/jpcuser/debug/jpcuser_dbg_{01|02|03|04|05}.log
次に,デバッグログファイルの形式と見方について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) デバッグログファイルの形式
デバッグログファイルには4つのセクションがあります。
-
プロダクト情報
-
jpcuserコマンドの実行日時,プロセスID
-
ヘッダー行
-
チェック結果
チェック結果はユーザー作成データのデータ行ごとに出力されます。各項目はコンマで区切ります。
出力される項目を次の表に示します。
項番 |
セクション |
項目 |
値 |
説明 |
---|---|---|---|---|
1 |
プロダクト情報 |
製品名称 |
Product Name=PFM-Agent for Platform (UNIX) |
PFM - Agentの製品名称。 |
2 |
フォーマットバージョン |
FormVer=0001 |
ユーザー作成データのフォーマットバージョン。 |
|
3 |
jpcuserコマンドの実行日時,プロセスID |
実行日時 |
YYYY/MM/DD hh:mm:ss |
YYYY:年 MM:月 DD:日 hh:時 mm:分 ss:秒 |
4 |
プロセスID |
PID=xxxx |
jpcuserコマンドのプロセスID。 |
|
5 |
ヘッダー行 |
ヘッダー |
(例)PD_UPDレコードの場合 LineNumber,Result,APITime,Recordtype,Transactiontype,t,ks,ki,L1,L2,UL1,UL2,F1,F2,SS1,SS2,SS3,SS4,SM1,SM2,SL1 |
デバッグログのヘッダー。 ヘッダー名は,ユーザー作成データファイルのオプションヘッダー行で指定するフィールドオプション,およびフィールド名と対応している。対応については「表7-30」を参照。 なお,ヘッダー項目は格納するユーザーレコードによって異なる。 |
6 |
チェック結果 |
ユーザー作成データファイル名 |
(例)File=/opt/jp1pc/agtu/agent/jpcuser/sample_01.txt |
読み込んだユーザー作成データファイル名を,ユーザーが指定したパスで出力する。 |
7 |
警告・エラーメッセージ |
KAVFxxxxx-x |
後続するレコードの警告・エラー内容を出力する。1つのレコードに複数の誤りがある場合は,その数だけ警告やエラーを出力する。 |
|
8 |
行番号 |
数値 |
ユーザー作成データ内の行番号。 |
|
9 |
結果 |
OK |
成功。 ユーザー作成データの該当行に問題がなく,レコードを変換した。 |
|
10 |
WG |
警告。 ユーザー作成データの該当行に誤りがあるが,レコードを処理した。 あわせて警告メッセージを出力する。 |
||
11 |
NG |
失敗。 ユーザー作成データの該当行に誤りがあり,レコードを変換しなかった。 失敗した原因によって,警告メッセージが表示され処理が続行される場合と,エラーメッセージが表示され処理が中断する場合がある。 |
||
12 |
BL |
空行。 ユーザー作成データの該当行が空行であることを示し,無視する。 |
||
13 |
データ |
データ |
ユーザー作成データの該当行の内容。 数値フィールドに指定がない場合は0を出力する。 文字列フィールドに指定がない場合は空白("")を出力する。 |
デバッグログファイルに出力されるヘッダー行とユーザー作成データファイルのオプションヘッダー行で指定するフィールドオプション,およびフィールド名の関係を次の表に示します。
項番 |
デバッグログのヘッダー行の表示 |
ユーザー作成データファイルのオプションヘッダー行で指定するフィールドオプション |
フィールド名 (PFM - View名) |
説明 |
---|---|---|---|---|
1 |
Line Number |
− |
− |
データの行番号 |
2 |
Result |
− |
− |
データのチェック結果 |
3 |
API Time |
− |
Collect Time |
データが変換された時間 |
4 |
Record type |
− |
Record Type |
レコード種別 |
5 |
Transaction type |
tt |
Trans Type |
トランザクションタイプ |
6 |
t |
t |
User Time 1 |
時間値 |
7 |
ks |
ks |
Trans String Key |
文字列型のトランザクションキー |
8 |
ki |
ki |
Trans Data Key |
数値型のトランザクションキー |
9 |
L1 |
l |
User Long 1 |
long型整数値 |
10 |
L2 |
l |
User Long 2 |
long型整数値 |
11 |
L3 |
l |
User Long 3 |
long型整数値 |
12 |
L4 |
l |
User Long 4 |
long型整数値 |
13 |
L5 |
l |
User Long 5 |
long型整数値 |
14 |
L1R |
lr |
User Long Roll 1 |
蓄積されたlong型整数値 |
15 |
L2R |
lr |
User Long Roll 2 |
蓄積されたlong型整数値 |
16 |
L3R |
lr |
User Long Roll 3 |
蓄積されたlong型整数値 |
17 |
L4R |
lr |
User Long Roll 4 |
蓄積されたlong型整数値 |
18 |
L5R |
lr |
User Long Roll 5 |
蓄積されたlong型整数値 |
19 |
UL1 |
u |
User Unsigned Long 1 |
unsigned long型整数値 |
20 |
UL2 |
u |
User Unsigned Long 2 |
unsigned long型整数値 |
21 |
UL3 |
u |
User Unsigned Long 3 |
unsigned long型整数値 |
22 |
UL4 |
u |
User Unsigned Long 4 |
unsigned long型整数値 |
23 |
UL5 |
u |
User Unsigned Long 5 |
unsigned long型整数値 |
24 |
UL1R |
ur |
User Unsigned Long Roll 1 |
蓄積されたunsigned long型整数値 |
25 |
UL2R |
ur |
User Unsigned Long Roll 2 |
蓄積されたunsigned long型整数値 |
26 |
UL3R |
ur |
User Unsigned Long Roll 3 |
蓄積されたunsigned long型整数値 |
27 |
UL4R |
ur |
User Unsigned Long Roll 4 |
蓄積されたunsigned long型整数値 |
28 |
UL5R |
ur |
User Unsigned Long Roll 5 |
蓄積されたunsigned long型整数値 |
29 |
F1 |
f |
User Float 1 |
浮動小数点値 |
30 |
F2 |
f |
User Float 2 |
浮動小数点値 |
31 |
F3 |
f |
User Float 3 |
浮動小数点値 |
32 |
F4 |
f |
User Float 4 |
浮動小数点値 |
33 |
F5 |
f |
User Float 5 |
浮動小数点値 |
34 |
F01〜F30 |
f |
User Float 01〜User Float 30 |
浮動小数点値 |
35 |
F1R |
fr |
User Float Roll 1 |
蓄積された浮動小数点値 |
36 |
F2R |
fr |
User Float Roll 2 |
蓄積された浮動小数点値 |
37 |
F3R |
fr |
User Float Roll 3 |
蓄積された浮動小数点値 |
38 |
F4R |
fr |
User Float Roll 4 |
蓄積された浮動小数点値 |
39 |
F5R |
fr |
User Float Roll 5 |
蓄積された浮動小数点値 |
40 |
F01A〜F30A |
fr |
User Float Add 01〜User Float Add 30 |
蓄積された浮動小数点値 |
41 |
SS1 |
ss |
User String 1 |
サイズ16の文字列 |
42 |
SS2 |
ss |
User String 2 |
サイズ16の文字列 |
43 |
SS3 |
ss |
User String 3 |
サイズ16の文字列 |
44 |
SS4 |
ss |
User String 4 |
サイズ16の文字列 |
45 |
SS5 |
ss |
User String 5 |
サイズ16の文字列 |
46 |
SM1 |
sm |
PD_UPD,PI_UPIレコードではUser String 5 PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 6 |
サイズ32の文字列 |
47 |
SM2 |
sm |
PD_UPD,PI_UPIレコードではUser String 6 PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 7 |
サイズ32の文字列 |
48 |
SM3 |
sm |
User String 8 |
サイズ32の文字列 |
49 |
SM4 |
sm |
User String 9 |
サイズ32の文字列 |
50 |
SM5 |
sm |
User String 10 |
サイズ32の文字列 |
51 |
SL1 |
sl |
PD_UPD,PI_UPIレコードではUser String 7 PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 11 PI_XUI1〜PI_XUI5レコードではUser String 1 |
サイズ64の文字列 |
52 |
SL2 |
sl |
PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 12 PI_XUI1〜PI_XUI5レコードではUser String 2 |
サイズ64の文字列 |
53 |
SL3 |
sl |
User String 13 |
サイズ64の文字列 |
54 |
SL4 |
sl |
User String 14 |
サイズ64の文字列 |
55 |
SL5 |
sl |
User String 15 |
サイズ64の文字列 |
56 |
SV1 |
sv |
User String 3 |
サイズ128の文字列 |
- (凡例)
-
−:該当しない。
(2) デバッグログファイルの出力例
デバッグログファイルの出力例を次の図に示します。
図中の番号に沿って説明します。
-
この行は,ヘッダー行を示しています。
-
読み込んだユーザー作成データのファイル名が,ユーザーが指定したパスで表示されています。
-
この行から,ユーザー作成データのチェック結果が出力されます。先頭の「4」は,ユーザー作成データファイルの行数です。ユーザー作成データファイルは,1行目が製品情報,2行目がバージョン情報,3行目がオプションヘッダー行となっているため,通常は「4」から始まります。チェック結果が問題なければ,「Result」に「OK」が出力されます。
-
読み込んだユーザー作成データのファイル名が,ユーザーが指定したパスで表示されています。
-
この行は,sample_02.txtの4行目に警告が発生していることを示しています。設定された「t」の値(2007/02/24,10:10:010)が,指定のフォーマットと合っていないため警告となり,図中(7)に該当する行の「t」が「n/a」になっています。
-
この行も同じく,sample_02.txtの4行目に警告が発生していることを示しています。「ss」が規定バイト数の15バイトを超えているため警告が出力され,図中(7)に該当する行の「SS1」が「abcdefghijklmno」になっています。
-
図中(5)と(6)の警告が発生しているため,4行目のチェック結果「Result」に「WG」が出力されています。
-
この行は,5行目と6行目が,空白であることを示しています。
-
この行は,7行目で警告が発生していることを示しています。設定された「ks」が規定の19バイトを超えているため,警告が出力されています。
-
ユーザー作成データファイルの7行目のユニークキーである「ks」が誤っているためこのデータは使用できず,「Result」が「NG」になっています。ユニークキーである「Transaction type」,「ks」,「ki」が不正なレコードは処理されません。