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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Agent Option for Platform(UNIX(R)用)


7.4.7 ユーザー作成データの内容が正しいかどうかを確認するためのデバッグログの参照

デバッグログとは,ユーザー作成データの内容が正しいかどうかを確認するためのログファイルです。デバッグログを出力する場合には,jpcuserコマンドに-debug 1,または-debug 2オプションを指定して実行してください。

デバッグログファイルには,ユーザー作成データのデータ行ごとにOK(成功),NG(失敗),WG(警告)などのチェック結果が出力されます。デバッグログにNG(失敗)やWG(警告)が出力された場合,ユーザー作成データが不正であると考えられます。ユーザー作成データを出力したユーザーコマンドを見直し,「7.4.6 ユーザー作成データのファイル形式」に従った形式で出力されるように修正してください。

デバッグログファイルの出力先を次に示します。

次に,デバッグログファイルの形式と見方について説明します。

〈この項の構成〉

(1) デバッグログファイルの形式

デバッグログファイルには4つのセクションがあります。

チェック結果はユーザー作成データのデータ行ごとに出力されます。各項目はコンマで区切ります。

出力される項目を次の表に示します。

表7‒29 デバッグログファイルに出力される項目

項番

セクション

項目

説明

1

プロダクト情報

製品名称

Product Name=PFM-Agent for Platform (UNIX)

PFM - Agentの製品名称。

2

フォーマットバージョン

FormVer=0001

ユーザー作成データのフォーマットバージョン。

3

jpcuserコマンドの実行日時,プロセスID

実行日時

YYYY/MM/DD hh:mm:ss

YYYY:年

MM:月

DD:日

hh:時

mm:分

ss:秒

4

プロセスID

PID=xxxx

jpcuserコマンドのプロセスID。

5

ヘッダー行

ヘッダー

(例)PD_UPDレコードの場合

LineNumber,Result,APITime,Recordtype,Transactiontype,t,ks,ki,L1,L2,UL1,UL2,F1,F2,SS1,SS2,SS3,SS4,SM1,SM2,SL1

デバッグログのヘッダー。

ヘッダー名は,ユーザー作成データファイルのオプションヘッダー行で指定するフィールドオプション,およびフィールド名と対応している。対応については「表7-30」を参照。

なお,ヘッダー項目は格納するユーザーレコードによって異なる。

6

チェック結果

ユーザー作成データファイル名

(例)File=/opt/jp1pc/agtu/agent/jpcuser/sample_01.txt

読み込んだユーザー作成データファイル名を,ユーザーが指定したパスで出力する。

7

警告・エラーメッセージ

KAVFxxxxx-x

後続するレコードの警告・エラー内容を出力する。1つのレコードに複数の誤りがある場合は,その数だけ警告やエラーを出力する。

8

行番号

数値

ユーザー作成データ内の行番号。

9

結果

OK

成功。

ユーザー作成データの該当行に問題がなく,レコードを変換した。

10

WG

警告。

ユーザー作成データの該当行に誤りがあるが,レコードを処理した。

あわせて警告メッセージを出力する。

11

NG

失敗。

ユーザー作成データの該当行に誤りがあり,レコードを変換しなかった。

失敗した原因によって,警告メッセージが表示され処理が続行される場合と,エラーメッセージが表示され処理が中断する場合がある。

12

BL

空行。

ユーザー作成データの該当行が空行であることを示し,無視する。

13

データ

データ

ユーザー作成データの該当行の内容。

数値フィールドに指定がない場合は0を出力する。

文字列フィールドに指定がない場合は空白("")を出力する。

デバッグログファイルに出力されるヘッダー行とユーザー作成データファイルのオプションヘッダー行で指定するフィールドオプション,およびフィールド名の関係を次の表に示します。

表7‒30 デバッグログのヘッダー行と,フィールドオプションおよびフィールドとの対応

項番

デバッグログのヘッダー行の表示

ユーザー作成データファイルのオプションヘッダー行で指定するフィールドオプション

フィールド名

(PFM - View名)

説明

1

Line Number

データの行番号

2

Result

データのチェック結果

3

API Time

Collect Time

データが変換された時間

4

Record type

Record Type

レコード種別

5

Transaction type

tt

Trans Type

トランザクションタイプ

6

t

t

User Time 1

時間値

7

ks

ks

Trans String Key

文字列型のトランザクションキー

8

ki

ki

Trans Data Key

数値型のトランザクションキー

9

L1

l

User Long 1

long型整数値

10

L2

l

User Long 2

long型整数値

11

L3

l

User Long 3

long型整数値

12

L4

l

User Long 4

long型整数値

13

L5

l

User Long 5

long型整数値

14

L1R

lr

User Long Roll 1

蓄積されたlong型整数値

15

L2R

lr

User Long Roll 2

蓄積されたlong型整数値

16

L3R

lr

User Long Roll 3

蓄積されたlong型整数値

17

L4R

lr

User Long Roll 4

蓄積されたlong型整数値

18

L5R

lr

User Long Roll 5

蓄積されたlong型整数値

19

UL1

u

User Unsigned Long 1

unsigned long型整数値

20

UL2

u

User Unsigned Long 2

unsigned long型整数値

21

UL3

u

User Unsigned Long 3

unsigned long型整数値

22

UL4

u

User Unsigned Long 4

unsigned long型整数値

23

UL5

u

User Unsigned Long 5

unsigned long型整数値

24

UL1R

ur

User Unsigned Long Roll 1

蓄積されたunsigned long型整数値

25

UL2R

ur

User Unsigned Long Roll 2

蓄積されたunsigned long型整数値

26

UL3R

ur

User Unsigned Long Roll 3

蓄積されたunsigned long型整数値

27

UL4R

ur

User Unsigned Long Roll 4

蓄積されたunsigned long型整数値

28

UL5R

ur

User Unsigned Long Roll 5

蓄積されたunsigned long型整数値

29

F1

f

User Float 1

浮動小数点値

30

F2

f

User Float 2

浮動小数点値

31

F3

f

User Float 3

浮動小数点値

32

F4

f

User Float 4

浮動小数点値

33

F5

f

User Float 5

浮動小数点値

34

F01〜F30

f

User Float 01〜User Float 30

浮動小数点値

35

F1R

fr

User Float Roll 1

蓄積された浮動小数点値

36

F2R

fr

User Float Roll 2

蓄積された浮動小数点値

37

F3R

fr

User Float Roll 3

蓄積された浮動小数点値

38

F4R

fr

User Float Roll 4

蓄積された浮動小数点値

39

F5R

fr

User Float Roll 5

蓄積された浮動小数点値

40

F01A〜F30A

fr

User Float Add 01〜User Float Add 30

蓄積された浮動小数点値

41

SS1

ss

User String 1

サイズ16の文字列

42

SS2

ss

User String 2

サイズ16の文字列

43

SS3

ss

User String 3

サイズ16の文字列

44

SS4

ss

User String 4

サイズ16の文字列

45

SS5

ss

User String 5

サイズ16の文字列

46

SM1

sm

PD_UPD,PI_UPIレコードではUser String 5

PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 6

サイズ32の文字列

47

SM2

sm

PD_UPD,PI_UPIレコードではUser String 6

PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 7

サイズ32の文字列

48

SM3

sm

User String 8

サイズ32の文字列

49

SM4

sm

User String 9

サイズ32の文字列

50

SM5

sm

User String 10

サイズ32の文字列

51

SL1

sl

PD_UPD,PI_UPIレコードではUser String 7

PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 11

PI_XUI1〜PI_XUI5レコードではUser String 1

サイズ64の文字列

52

SL2

sl

PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 12

PI_XUI1〜PI_XUI5レコードではUser String 2

サイズ64の文字列

53

SL3

sl

User String 13

サイズ64の文字列

54

SL4

sl

User String 14

サイズ64の文字列

55

SL5

sl

User String 15

サイズ64の文字列

56

SV1

sv

User String 3

サイズ128の文字列

(凡例)

−:該当しない。

(2) デバッグログファイルの出力例

デバッグログファイルの出力例を次の図に示します。

図7‒7 デバッグログファイルの出力例

[図データ]

図中の番号に沿って説明します。

  1. この行は,ヘッダー行を示しています。

  2. 読み込んだユーザー作成データのファイル名が,ユーザーが指定したパスで表示されています。

  3. この行から,ユーザー作成データのチェック結果が出力されます。先頭の「4」は,ユーザー作成データファイルの行数です。ユーザー作成データファイルは,1行目が製品情報,2行目がバージョン情報,3行目がオプションヘッダー行となっているため,通常は「4」から始まります。チェック結果が問題なければ,「Result」に「OK」が出力されます。

  4. 読み込んだユーザー作成データのファイル名が,ユーザーが指定したパスで表示されています。

  5. この行は,sample_02.txtの4行目に警告が発生していることを示しています。設定された「t」の値(2007/02/24,10:10:010)が,指定のフォーマットと合っていないため警告となり,図中(7)に該当する行の「t」が「n/a」になっています。

  6. この行も同じく,sample_02.txtの4行目に警告が発生していることを示しています。「ss」が規定バイト数の15バイトを超えているため警告が出力され,図中(7)に該当する行の「SS1」が「abcdefghijklmno」になっています。

  7. 図中(5)と(6)の警告が発生しているため,4行目のチェック結果「Result」に「WG」が出力されています。

  8. この行は,5行目と6行目が,空白であることを示しています。

  9. この行は,7行目で警告が発生していることを示しています。設定された「ks」が規定の19バイトを超えているため,警告が出力されています。

  10. ユーザー作成データファイルの7行目のユニークキーである「ks」が誤っているためこのデータは使用できず,「Result」が「NG」になっています。ユニークキーである「Transaction type」,「ks」,「ki」が不正なレコードは処理されません。